ウルトラマンとの出会いから既に10年以上の歳月が経った。
怪獣や宇宙人。
彼らが、どのような目的で来るのか、まるで分からなかった。
奴らの存在自体は、世間で言う所の噂程度で囁かれているからだ。
その姿を見せる時、怪獣を含めた空間には、あまり多く人が存在しない。
いても、10人程度だ。
現れた際には、周りの空間が歪んでおり、それによって、周りからは認知されない。
その空間に入る事ができるのは、ディメンションナイザーしかなかった。
そして、高校生となった、その日も僕はディメンションナイザーに導かれて向かった。
「まったく、まだ、忙しい時にっ!」
僕はそう言いながら、ディメンションナイザーに導かれるがままに、空間の中へと入る。
空間の中には、既に怪獣が暴れていた。
その暴れている怪獣には、覚えがあった。
その怪獣の名はスフィアゴモラ。
スフィアに支配されている怪獣。
その証拠に、身体の各部にはスフィアが奇声されており、とても苦しんでいる様子だった。
「この時はっ」
同時に僕は、そのまま手にあるディメンションナイザーにウルトラディメンションカードをスキャンする。
『ディメンションロード! ウルトラマンコスモス!』
その音声と共に、僕のディメンションナイザーから現れたのは、月の優しき光のごとき、慈しみの青い巨人、ウルトラマンコスモスだった。
コスモスはそのままふわりと地上に降り立つと同時に、目の前にいるスフィアゴモラに相対する。
スフィアゴモラは苦しそうな雄叫びを漏らし、僕らの方へと向かってくる。
僕はそんなスフィアゴモラに向かって、両手を広げて言った。
「来い!」
すると、コスモスも僕の言葉に応えてくれたのか、こちらに向き直り、構えを取る。
僕はその姿を見て確信した。この人は僕を助けに来てくれたんだと。
僕はそのまま、コスモスに向かって叫ぶ。
「お願いします! 助けてください!!」
それに対してコスモスは頷くと同時に、襲い掛かってくるスフィアゴモラ。
その攻撃に対して、コスモスはまるで羽を思わせる動きで攻撃を受け流す。
スフィアゴモラにダメージを与えないように受け流しているのだ。
その動きはまさに華麗だった。
コスモス特有の何だかヌルヌル動く個性的な動きでなかなかに回避能力も高い。
それもあって、理性を失ったスフィアゴモラの攻撃はことごとく空を切るばかりであった。
それは、コスモスがスフィアゴモラも傷つけない為に。
それが効果が出たのか。
スフィアゴモラは徐々に疲労していく。
理性がない。
体力の配分もできない。
ただただ、本能のままに暴れているだけなのだ。
そして、ついに体力の限界を迎えた時だった。
コスモスは、その手に光を集める。
ゆっくりと、右掌をゆっくりと前に突き出しながら放つ。
フルムーンレクト。
それは怪獣を倒す為の技ではない。あくまで怪獣の力を受け流すだけの技だ。
だから、相手を傷つけることはない。
しかし、この技には別の使い方がある。
コスモスは、右手を前に突きだし、ゆっくりとした動作から一転し、一気に加速させていく。
そして、その手を突き出した状態で…… コスモスの手のひらから光が放たれる。
その光の先にいたのは、スフィアゴモラは苦しみはなかった。
同時にゴモラを支配していたスフィアが離れる。
スフィアは、そのままコスモスに襲い掛かろうとしたが、コスモスはそれをあっさりと撃退する。
それによって、戦いは終わりを迎える。
「ありがとうございます。
コスモスさん」
『気にしないで』
その言葉と共にコスモスさんは、そのままカードとなって、ディメンションナイザーに戻っていく。
それと同時だった。
スフィアゴモラだったゴモラもまた、そのまま僕の手元にあるカードとなって来る。
「さて、とりあえず、明日の学校に備えないと」
そう言いながら、僕は、すぐにその場から離れた。
だが、この時、僕は知らなかった。
「なるほど、奴が、ディメンションナイザーに選ばれた少年という訳か」
僕を観察するように見ていた、楕円形の赤い彫刻が刻み込まれたディメンションナイザーに似た装置。
そして、それとは別のもう1人の女性だった。
麻中と一体化しているウルトラマンは
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