その日、麻中の夜の食事は、カレーであった。
特に大きな理由はないが、その日の気分であった。
これまでは一人暮らしであった麻中だったが、最近になって、家に寝泊まりするようになった2人がいた。
1人は、新条アカネであるが、彼女は家には家族がおらず、自炊もできないという理由でよく家で食べるようになった。
もう1人は、最近になって、正体を知られたゼノヴィアであり、彼女は現在の住居は麻中の近くにあるマンションである。
彼女はその後、どうするか迷った際に、知り合った悪魔であるリアス・グレモリーの眷属になり、お世話になっているらしい。
その際に、麻中の正体に関しては話しておらず、彼女達も無理に聞こうとしなかった。
そんな訳で、最近は料理する機会が多くなった麻中。
片手に買い物袋を下げながら、帰っている時だった。
「久し振りだね、麻中君」
「えっ、その声は」
聞こえた声。
振り向くと、そこに立っていたのは、1人の老人だった。
だが、その人物を一目で見た瞬間、麻中は驚きを隠せなかった。
「ハヤタさん!
どうしたんですか!」
「なに、少しこちらに用があってね。
それに君に関しても心配だったからね」
そう言われた麻中は少し照れながらも頷く。
「それで、そっちの人は」
「おっと、こっちの気配も気づかれていたか。
さすがはウルトラマンを召喚している坊主だな」
その言葉と共に現れたのは、アザゼルだった。
その存在に関しては知らない麻中だったが、警戒はしている。
だが、脅威だとは感じていなかった。
「えっと、誰?」
そもそも、誰だか知らなかった。
「まぁ、堕天使の長を務めているアザゼルだ。
ちょっと、お前に頼みがあって来たんだが」
「頼みと言われても、すいませんが、俺は勢力に加入とかは考えていませんが」
「あぁ、そう言うのじゃないよ。
ただ、三大勢力の和平会議に参加して貰いたい。
今回の一件で、大きく関わっているお前には特に」
「俺が?
けど、俺は別にそんな気はないけどなぁ」
そう言いながら、麻中は迷う様子が見られた。
「すまない、麻中。
一緒に参加して貰えると、嬉しい。
私達としても、今後の事を考えると、彼らの協力は必要不可欠だと考えている」
そう、ハヤタの一言を聞くと。
「まぁ、ハヤタさんが言うならば」
先程まで渋っていた麻中はあっさりと頷く。
(麻中、これまでは謎の行動が多かった奴。
その麻中をあっさりと説得したこのハヤタという爺さんは一体何者なんだ?
そもそも、こいつは本当に人間なのか?)
そんな疑問に思っていた時だった。
「いやっほぉ、ここが稼ぎ場所で間違いないようだなぁ」
「っ」
聞こえた声。
同時に麻中達が目を向けた場所。
そこには奇妙な存在が立っていた。
「バルキー星人」
「バルキーなんだって?」
その存在を既に言い当てた麻中は既にその懐からディメンションナイザーを取り出す
「あぁ、お前が噂のウルトラマンを呼び出す奴か!
だったら、こっちだって、カモン!
サメクジラ!!」
同時にバルキー星人は何時の間にか取り出した物を地面に叩きつける。
瞬時に危機感で察したアザゼルは、周囲に結界を張った。
それと共に現れたのは、まさにその名前の通り鮫と鯨を合わさったような怪獣、サメクジラだった。
同時にバルキー星人も巨大化していた。
「おいおい、なんだよこいつらは」
「行きますよ、ガイアさん!」
『ディメンションロード!ウルトラマンガイア!』
ウルトラマンガイアが、大地を大きく揺らして、降り立つと同時に左右にいる敵に同時に構える。
バルキー星人は、その手に刃が長く、剣のような形状になっているバルキーリングを構えながら、相棒であるサメクジラと共に襲い掛かってきた。
サメクジラは、その鼻から生えている鉄板を貫く鋭利な角をガイアに向けて突き出す
だが、そんな攻撃に怯むことなく、ガイアは両腕で防ぎつつ、サメクジラへと掴みかかる。
『フッ!』
「グォオオッ!?」
「キュァアアッ!!」
そのまま、両手でサメクジラを掴むと、まるで釣り上げるように持ち上げて、地面へ叩きつける。
しかし、それを見ながら、バルキー星人は、バルキーリングで襲い掛かる。
すぐにガイアはその刃を受け流しながら、反撃するが、その瞬間にサメクジラが起き上がり、またもや突進してくる。
『くっ……』
「キュゥウウッ!」
そして、起き上がったサメクジラはそのままガイアに向かって、頭突きをする。
ガイアはそれを腕でガードすると、そのまま後ろへと後退する。
そして、今度はバルキー星人が、両手に持ったナイフを振りかざし、連続で切りつけてくる。
「シャァアッ!!」
『ハッ!!』
「キィイイッ!!」
ガイアはそれに対して、拳による連続パンチを放つ。
それはバルキー星人は避けていくものの、サメクジラには直撃していく。
サメクジラの方は、硬い甲羅によってダメージはないようだ。
そして、サメクジラはガイアの攻撃に対して、大きく口を開けると、そこから水流を吐き出した。
「ギュルルゥウウウッ!!」
『グッ……うぉおおおっ!!』
その水流を受けて、少しだけ怯んだガイア。
「よっしゃ、そのまま行くぜぇ!!」
それを見たバルキー星人もまた、額からはバルキービームを発射する。
2体の攻撃を受け、ガイアのカラータイマーは赤く点滅し始める。それを見ながらも、バルキー星人は攻撃の手を止めない。
「シャァアッ!!死ね、ウルトラマンガイアぁあああっ!!」
「ギュルゥウウッ!!」
サメクジラの口から放たれる水流を受けながらも、ガイアは腕をT字型に組んでエネルギーを溜めてから、傾けるように右腕をL字型に構え直して発射する。
その光線は、サメクジラの口内に向けて、放たれ、その一撃を食らったサメクジラは体内から爆発した。
「なっなにぃ!?」
それに驚くバルキー星人に対して、ガイアは額に両腕を当ててエネルギーを溜めながら屈み、立ち上がりつつ額からムチのようにしならせながら光の刃を放つ。
「そんなぁ、馬鹿なぁ」
一撃を受けたバルキー星人は、背中から倒れて爆散する。
それによって、戦いは終わりを迎えた。
「ふぅ、ありがとうございます!」
同時にガイアはそのまま真っ直ぐと、ディメンションナイザーへと戻っていく。
「今のがウルトラマンか」
「ウルトラマンガイア。
いわば、地球の化身と言える存在だ」
「ウルトラマンガイアねぇ、一体、どれぐらいのウルトラマンがいるやら」
そう言いながら、興味深そうに言う。
「・・・良かったら、食べます。
カレー」
「えっ」
そう、見ていると麻中の突然の誘い。
それに対して、一瞬戸惑うアザゼルだが。
「カレーねぇ、まぁたまには良いか」
「ならば、私も一緒にお邪魔しても良いかな」
「どうぞどうぞ。
どうせ、結構あまると思いますので」
それによって、その日、ハヤタとアザゼルと共に、5人での食卓が行われる事になった。
麻中と一体化しているウルトラマンは
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ギンガ
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ビクトリー
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X
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オーブ
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ジード
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ロッソ
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ブル
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タイガ
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ゼット
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トリガー
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デッカー