「それにしても、奴は結局、この黒猫をなんで、狙っていたんだろうか」
麻中はそう呟きながら、治療を終えた黒猫の様子を見ながら言う。
三大勢力の会議が行われる間、麻中がやる事はほとんどない。
その事もあって、麻中は黒猫を心配しながら、見つめる。
この黒猫は、日中、何をしているのかは分からない。
しかし、どういう訳か、麻中に着いてこようとしている。
その理由は分からない。
彼にとって、この黒猫は本当にあの時に初めて出会った存在であり、なぜここまでついて来るのか。
怪我が未だに治っていない状態という事もあり、あまり無理をさせないようにしている。
そんな黒猫が出掛ける時には決まって、常に麻中のバックの中に入っている。
定位置といわんばかりのそこから追い出す事もできず、無理矢理追い出せば、怪我が大きくなる可能性がある為、追い出す事ができない。
それと共に、その日も学校へと向かう途中だった。
「っ」
僅かな物音。
同時に、麻中はバックを抱えたまま、その場を離れる。
見れば、地面は大きく抉れており、それを行った犯人はすぐに分かった。
「お前は、テンペラー星人!」
それは、かつてウルトラ兄弟を苦しめた宇宙人、テンペラー星人だった。
「お前は、まぁ良い、悪いがお前には用はない。
その猫をこちらに渡して貰おうか」
「猫を?」
そう言いながら、テンペラー星人はバックの中に隠れている黒猫に指をさす。
「こいつに一体何の用だ」
「依頼主から頼まれてな。
希少な生物がいれば、攫えとな。
そいつは、かなり希少な存在故に、狙っている」
「そうか」
黒猫が、奴らにとってはどういう存在か分からない。
麻中はゆっくりと腰からディメンションナイザーを取り出す。
「悪いが、こいつを渡す訳にはいかない。
特に、お前みたいな悪人にはな」
「ならば、力尽くでやらせて貰うぞ!!」
同時にテンペラー星人は、瞬時のその身体を巨大化する。
それに合わせるように、麻中もまたディメンションナイザーを掲げる。
「コスモスさん、力、お借りします!!」
『ディメンションロード!ウルトラマンコスモス!スペースコロナモード!』
その音を聞くと共に、瞬時にその場から逃れるようにテンペラー星人は空を飛ぶ。
そんな空を飛んでいるテンペラー星人を追うように、コスモスはスペースコロナモードとなっていた。
スペースコロナモード特有のスピードで、宙を飛ぶテンペラー星人の後ろを追う。
テンペラー星人は、コスモスの存在を確認すると共に、その両手の鋏から電磁鞭を作り出す。
その電磁鞭を、そのままコスモスに向けて、凪払う。
その攻撃を、コスモスは素早く躱す、
テンペラー星人の電磁鞭は、コスモスを追跡するように迫って来る。
だが、コスモスのスピードには追い付く事はできない。
そのまま、コスモスは高速で飛行し、テンペラー星人を追い掛ける。
そんなコスモスに対し、テンペラー星人は再び、電磁鞭を作り出して振るう。
そして、再び振り払おうとするが、今度は電磁鞭を捕まれてしまう。
コスモスはそのまま電磁鞭から流れる電流に身体が痺れる。
しかし、コスモスはその痛みに耐えながらも、テンペラー星人に向かって拳を放つ。
だが、それは避けられてしまう。
同時にテンペラー星人の拘束を振り払う事に成功して、再び距離を取る。
一方、テンペラー星人も電磁鞭では、不利だと判断したのか、コスモスに対して距離を詰める。
それと同時に、コスモスもまたテンペラー星人の方へと、突っ込む。
その二人による接近戦は、互いに一歩も譲らない、激しい戦いになる。
だが、コスモスのスピードに追い付く事ができず、徐々に追い詰められていく。
だが、それでも、負けじと、テンペラー星人は電磁鞭を振るい続ける。
その攻撃に対して、コスモスは勢い良く後ろに飛ぶ。
同時にコスモスは両手に宇宙のエネルギーを集め、オーラのような物を纏った青色の光球をテンペラー星人撃ち込む。
決定的な隙を与えてしまったテンペラー星人は、その一撃を避ける事はできず、そのまま宇宙へ吹き飛ばされ、爆散する。
「ふぅ」
戦いが終わり、ため息を吐きながら、コスモスをディメンションナイザーに戻す。
「それにしても、以前はなかった宇宙人達が、なんでこっちに?
何か、起きようとしているのか?」
そんな呟きをしながらも、麻中はバックの中にいる黒猫を見つめる。
黒猫が、そんな見つめ返しているのに、気がつき、思わず笑みを浮かべる。
麻中と一体化しているウルトラマンは
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ギンガ
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ビクトリー
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X
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オーブ
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ジード
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ロッソ
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ブル
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タイガ
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ゼット
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トリガー
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デッカー