ハイスクールU✕D   作:ボルメテウスさん

23 / 134
黒猫が狙う者

「それにしても、奴は結局、この黒猫をなんで、狙っていたんだろうか」

 

麻中はそう呟きながら、治療を終えた黒猫の様子を見ながら言う。

 

三大勢力の会議が行われる間、麻中がやる事はほとんどない。

 

その事もあって、麻中は黒猫を心配しながら、見つめる。

 

この黒猫は、日中、何をしているのかは分からない。

 

しかし、どういう訳か、麻中に着いてこようとしている。

 

その理由は分からない。

 

彼にとって、この黒猫は本当にあの時に初めて出会った存在であり、なぜここまでついて来るのか。

 

怪我が未だに治っていない状態という事もあり、あまり無理をさせないようにしている。

 

そんな黒猫が出掛ける時には決まって、常に麻中のバックの中に入っている。

 

定位置といわんばかりのそこから追い出す事もできず、無理矢理追い出せば、怪我が大きくなる可能性がある為、追い出す事ができない。

 

それと共に、その日も学校へと向かう途中だった。

 

「っ」

 

僅かな物音。

 

同時に、麻中はバックを抱えたまま、その場を離れる。

 

見れば、地面は大きく抉れており、それを行った犯人はすぐに分かった。

 

「お前は、テンペラー星人!」

 

それは、かつてウルトラ兄弟を苦しめた宇宙人、テンペラー星人だった。

 

「お前は、まぁ良い、悪いがお前には用はない。

その猫をこちらに渡して貰おうか」

 

「猫を?」

 

そう言いながら、テンペラー星人はバックの中に隠れている黒猫に指をさす。

 

「こいつに一体何の用だ」

 

「依頼主から頼まれてな。

希少な生物がいれば、攫えとな。

そいつは、かなり希少な存在故に、狙っている」

 

「そうか」

 

黒猫が、奴らにとってはどういう存在か分からない。

 

麻中はゆっくりと腰からディメンションナイザーを取り出す。

 

「悪いが、こいつを渡す訳にはいかない。

特に、お前みたいな悪人にはな」

 

「ならば、力尽くでやらせて貰うぞ!!」

 

同時にテンペラー星人は、瞬時のその身体を巨大化する。

 

それに合わせるように、麻中もまたディメンションナイザーを掲げる。

 

「コスモスさん、力、お借りします!!」

 

『ディメンションロード!ウルトラマンコスモス!スペースコロナモード!』

 

その音を聞くと共に、瞬時にその場から逃れるようにテンペラー星人は空を飛ぶ。

 

そんな空を飛んでいるテンペラー星人を追うように、コスモスはスペースコロナモードとなっていた。

 

スペースコロナモード特有のスピードで、宙を飛ぶテンペラー星人の後ろを追う。

 

テンペラー星人は、コスモスの存在を確認すると共に、その両手の鋏から電磁鞭を作り出す。

 

その電磁鞭を、そのままコスモスに向けて、凪払う。

 

その攻撃を、コスモスは素早く躱す、

 

テンペラー星人の電磁鞭は、コスモスを追跡するように迫って来る。

 

だが、コスモスのスピードには追い付く事はできない。

 

そのまま、コスモスは高速で飛行し、テンペラー星人を追い掛ける。

 

そんなコスモスに対し、テンペラー星人は再び、電磁鞭を作り出して振るう。

 

そして、再び振り払おうとするが、今度は電磁鞭を捕まれてしまう。

 

コスモスはそのまま電磁鞭から流れる電流に身体が痺れる。

 

しかし、コスモスはその痛みに耐えながらも、テンペラー星人に向かって拳を放つ。

 

だが、それは避けられてしまう。

 

同時にテンペラー星人の拘束を振り払う事に成功して、再び距離を取る。

 

一方、テンペラー星人も電磁鞭では、不利だと判断したのか、コスモスに対して距離を詰める。

 

それと同時に、コスモスもまたテンペラー星人の方へと、突っ込む。

 

その二人による接近戦は、互いに一歩も譲らない、激しい戦いになる。

 

だが、コスモスのスピードに追い付く事ができず、徐々に追い詰められていく。

 

だが、それでも、負けじと、テンペラー星人は電磁鞭を振るい続ける。

 

その攻撃に対して、コスモスは勢い良く後ろに飛ぶ。

 

同時にコスモスは両手に宇宙のエネルギーを集め、オーラのような物を纏った青色の光球をテンペラー星人撃ち込む。

 

決定的な隙を与えてしまったテンペラー星人は、その一撃を避ける事はできず、そのまま宇宙へ吹き飛ばされ、爆散する。

 

「ふぅ」

 

戦いが終わり、ため息を吐きながら、コスモスをディメンションナイザーに戻す。

 

「それにしても、以前はなかった宇宙人達が、なんでこっちに?

何か、起きようとしているのか?」

 

そんな呟きをしながらも、麻中はバックの中にいる黒猫を見つめる。

 

黒猫が、そんな見つめ返しているのに、気がつき、思わず笑みを浮かべる。

麻中と一体化しているウルトラマンは

  • ギンガ
  • ビクトリー
  • X
  • オーブ
  • ジード
  • ロッソ
  • ブル
  • タイガ
  • ゼット
  • トリガー
  • デッカー

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。