ハイスクールU✕D   作:ボルメテウスさん

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三大勢力会議

三大勢力による和平会議。

 

本来ならば、三大勢力だけが集まる中で、二人の人間が混じっている。

 

その事に緊張の最中で、アザゼルが口を開く。

 

「さて、聞きたい事としては、まずはお前は一体何者なんだ、ハヤタ」

 

それが、始まりだった。

 

アザゼルとしては、麻中への興味もあったが、それと共に麻中を説得したハヤタへの興味もあった。

 

「あぁ、そうだな。

私は、地球での名前はハヤタ・シン。

だけど、本当の名前は別にある」

 

「本当の名前?」

 

「ウルトラマン。

地球で最初に現れたウルトラマンだ」

 

「なっ」

 

それには、その場にいた全員が驚きを隠せなかった。

 

「おいおい、ウルトラマンって、あの巨人の事を言うんじゃないのか?」

 

「それもあるが、そうだな。

こちらを見せた方が早いかもしれない」

 

その言葉と共にハヤタは取り出したカプセルのスイッチを押す。

 

それと共に、一瞬でその姿は人間からウルトラマンへと変わる。

 

それは、資料では見た事のある確かな存在であると、全員は納得する。

 

それと共に、再び人間の姿へと変わる。

 

「まさか、本当にウルトラマンだとはな。

それで、さっき地球に最初に現れたという事は、10年前から戦ってきたのは、お前なのか」

 

「それは、違うと答えよう。

麻中がディメンションナイザーで呼ぶ事ができるウルトラマンは限られている。

私を始めとしたウルトラマンは、こうして直接来ないといけない。

何よりも、今はとある存在と戦っている」

 

「とある存在?」

 

「さて、そこからは、少し平等にしないと不公平ではないかな」

 

同時に聞こえた声と共に、見ると、そこにいたのは黄金の門。

 

それと共に、現れたのは巫女と、謎の男だった。

 

「お前はっまさか」

 

「さすがは歴戦の勇者。

この人間の姿でも、すぐに見抜くとはな」

 

「タルタロス」

 

「タルタロス?」

 

「我は究極生命体、アブソリューティアンの戦士。 アブソリュートタルタロス!

まぁ、君達で言う所の、これまでの怪獣騒動を起こしていた犯人という訳だ」

 

「お前が、これまでの騒動のっ、なぜ、そんな事を」

 

「別にお前達に隠れて行う必要はなかった。

だが、見つかっても面倒だったから。

ただ、それだけだ」

 

「それでは、まるで私達の事を脅威とは考えていない様子だが」

 

「その通りだ」

 

タルタロスは、そうあっさりと言うと、まるで興味をなくしたと言わんばかりに、今度は麻中の方へと目を向ける。

 

 

「やぁ、麻中君。

今日は、君に提案があって、来たんだ」

 

「提案だと?」

 

その言葉に対して、麻中だけではなく、その周りにいる彼らもまた警戒する。

 

「君、私達の仲間にならないかい」

 

「何?」

 

その言葉に、麻中は思わず、声を出してしまう。

 

「この世界において、我々の脅威ははっきりと言って、君だけだ。

悪魔・堕天使・天使と言った様々な勢力は数多くいるが、はっきり言えば、彼らは脅威ではない」

 

「おいおい、言ってくれるな。

その根拠は」

 

「何、簡単な事だ。

お前達は宇宙に出る事はできるか」

 

「ふむ」

 

それを聞かれた際、各々の答えとしては、はっきり言えば、分からないのが正直な答えである。

 

宇宙という外へと出た事のない彼らからしたら、どうなるのか分からない。

 

「我々は、星を滅ぼす手段は幾つもある。

それも、お前達に気づかれずにな。

過去に攻撃を仕掛けないのは、我らが目的の妨げになるからだ」

 

「まるで、過去に飛べるような言い草だね」

 

「飛べるさ。

未来にも、勿論ね」

 

「アブソリューティアンの言葉は真実だ。

実際に、我々の前に過去に存在したはずの敵を蘇らせた事もある」

 

そのハヤタの言葉に、全員の緊張感が一気に高まる。

 

「だからこその提案だ。

麻中、君の持つディメンションナイザーはウルトラマンと繋がる事ができる。

つまりは、我らが手中に収めれば、それはウルトラマン達を一気に倒す事も可能となる」

 

それは、まさにアブソリューティアンにとっては、喉から手が出る程に欲しい代物であった。

 

だが、その答えは

 

「断る」

 

麻中は、たった一言で断る。

 

「一応聞くが、理由はなんだい?」

 

「俺は、ウルトラマンの皆さんに数多くの大切な事を教わった。

和平で手を結ぶならば、良い。

けど、あんたらは結局は侵略しか考えていない。

そんな今のお前達とは、手を結ばない」

 

「そうか、実に残念だ。

ならば、巫女よ」

 

「はい、お任せを」

 

その言葉と共に、巫女は、その手に持つ物を構える。

 

「君の持つディメンションナイザーを参考に、私達が開発したアブソリュートナイザー。

次元を越え、様々な存在を召喚する事ができる。

つまりは」

 

同時に、校舎を取り囲むように、巨大な足音が聞こえる。

 

取り囲むように現れた宇宙人や怪獣。

 

その数は、これまでの数と比べても明らかに多い。

 

「それでは、私達はここで失礼するよ」

 

その言葉を言うと共に、タルタロスと巫女は、その場から去って行く。

 

「おいおい、まさか、ここまでの怪獣の数とはな。

どうするんだ」

 

「問題ない。

こっちには、ウルトラマンがいる」

 

その言葉と共にディメンションナイザーを構える。

 

「オーブさん!光の力、お借りします!!」

 

『ディメンションロード!ウルトラマンオーブ!スペシウムゼペリオン!』

 

鳴り響く音声と共に、襲い掛かろうとした怪獣軍団の前に立ち塞がる1人の巨人。

 

だが、それを遮るように、光の柱が現れる。

 

その光の柱から出てきた1人の巨人。

 

赤と紫が入り交じった銀色の巨人であり、シンプルな姿。

 

その巨人の名は、ウルトラマンオーブ。

 

「あれが、ウルトラマン」

 

「それに、オーブ、あいつは一体」

 

そう、アザゼル達が見つめながら、オーブはそのまま構える。

 

同時に怪獣軍団が襲い掛かってくる。

 

先陣を切る羽毛が白く、先端が赤くなってい怪獣であるグエバッサーが、オーブに向けて、襲い掛かる。

 

それに対して、オーブは両手を広げ、片手に光の光輪を造り出すと共に投げる。

 

その光輪を、避ける事ができないグエバッサーは、そのまま正面から真っ二つに斬り裂かれ、同時に爆発する。

 

だが、その爆散された煙の中から現れたブラックキングとナックル星人は、そのまま襲い掛かろうとする。

 

ブラックキングの口から放たれる炎と、メトロン星人の目から放たれる光線は、そのままオーブに襲い掛かろうとした。

 

しかし、それよりも早く、オーブの身体が青い光に染まる。

 

『光を超えて、闇を斬る!』

 

同時に、オーブの手には何時の間にか持っていたのか、身の丈はあるだろう槍を使い、それらの攻撃を簡単に斬り裂く。

 

「あれは、コカビエルの戦いの時に見たウルトラマンと似た姿?」

 

「オーブは、他のウルトラマン達の力を借りる事で、様々な姿になる。

あれは、ウルトラマンゼロとウルトラマンジャック。

2人の特徴が合わさった姿、ハリケーンスラッシュだ」

 

それと同時に、その手に持った槍を持ったまま、オーブの姿は一瞬で消える。

 

それに困惑を隠せないブラックキングとナックル星人だったが、そのオーブが何を行っているのか、瞬時に理解した。

 

周囲にいる他の怪獣や宇宙人に対して、その手に持つ槍で目にも留まらぬ速さで相手を連続で切り裂いて八つ裂きにしていた。

 

それらは、アザゼル達の目では、追う事はできなかった。

 

そして、オーブはそのまま2体を同時に槍で貫くと共に、そのまま槍から流れるエネルギーで、一気に2人を爆発させ、倒す。

 

しかし、それが油断となった。

 

オーブの後ろにいつの間にかいたブラキウムが、その腹部にある口を大きく開く。

 

周囲にある物を全て、飲み込まんばかりの吸引力で、オーブごと、全てを飲み込もうとした。

 

「ぐっ、これって、まさかブラックホールかっ」

 

「ブラックホールだって」

 

その事に、周りは驚きを隠せなかった。

 

これまで規格外の大きさを誇っていた怪獣だが、まさかその最中、ブラックホールを操る存在がいるとは、彼らも予想外だった。

 

しかし、その状況の最中でも、オーブ達は冷静だった。

 

『電光雷轟、闇を撃つ!』

 

それは、先程とは違い、オーブの姿は瞬く間に変わる。

 

その全身がメカニクルなデザインをした姿へと変わり、自ら真っすぐとブラキウムへと突っ込む。

 

そのまま空中で両手両足を広げたX字のポーズで静止して、全身から電撃を放つ。

 

図り切れない程の電撃を、そのままブラキウムに飲み込ませる。

 

その膨大なエネルギーに対応する事ができなかったのか、ブラキウムはそのまま爆散する。

 

そこまでの戦闘に1分もかかっていない。

 

「これが、ウルトラマンの力」

 

だが、それらを考えている間にも、怪獣達の中で異様な存在が現れる。

 

全身が赤、青、金で彩られた龍人のような姿になる。

 

長い鎌首と経口捕食の為の顎が存在しない尖った口先、ムカデの胴体のような尻尾を備え、下半身が袴かスカートのような衣類を身に着けているように見えるなど、神々しさと禍々しさが同居する龍。

 

「あれは」

 

「ルーゴサイト。

本来は宇宙に害を及ぼす存在を排除する役割を担っていたが、いかなる理由か暴走状態に陥っており、生命反応を探知しては宇宙各地の星を手当たり次第に喰らい続ける生きた災厄」

 

「生きた災厄」

 

「確かに、その言葉に間違いはないようだ」

 

実際に、遠く離れているはずの、この場でアザゼル達は、その力がよく理解できる。

 

だけど。

 

「ガイさん。

まだまだいけますよね!!」

 

その言葉に対して、オーブもまた答えるように、頷く。

 

それと同時にオーブの姿は変わる。

 

それは、これまでで、一番シンプルであり、オーブ本来の姿であるオーブオリジン。

 

それと同時に、麻中の手から出てきたのは二つのアイテムだった。

 

『オーブリングNEO』『ジードライザー』

 

現れたアイテムを手に持ち、4枚のカードをスキャンする。

 

「ロッソさん!グリージョさん!」『ウルトラマンロッソ!ウルトラウーマングリージョ!O-50a』

 

麻中は、その内の二枚のカードをスキャンし、現れたカプセルを2個、ジードライザーにスキャンする。

 

それと共に現れたウルトラマンロッソとウルトラウーマングリージョの幻影が一つとなり、一つのカプセルへと変わる。

 

「ブルさん!フーマさん!」『ウルトラマンブル!ウルトラマンフーマ!O-50β』

 

同様の動作と共に、その手にはブルとフーマ、二人のウルトラマンの力が込められたカプセルが現れる。

 

同時に、オーブリングNEOを、ジードライザーと合体させる。

 

「「繋がる輪で導く未来!!」」

 

それは、まるで、麻中とオーブ。

 

二人が重ねるように、ジードライザーにカプセルをスキャンすると共に、変わる。

 

『ネオフュージョンライズ!ウルトラマンオーブオーバーフィフティー!』

 

その音声が鳴り響くと同時に、オーブを中心に変化する。

 

炎・水・風・土。

 

4つの光は、そのまままるで輪のようにオーブを囲みながら、そのまま姿が変わる。

 

それは、赤と青と黄の3色の鎧を身に纏い、その首元には風を思わせるマフラーが装着される。

 

その存在に、驚きを隠せない中で、ルーゴサイトはすぐに動き出した。

 

尻尾からはミサイルを、鼻先から放つ赤く細い光線を。

 

それら全ての武器を使い、真っすぐとオーブに襲い掛かる。

 

だが、それよりも早く、オーブは、その手にはルーブコウリンがあり、前に出す。

 

同時に、オーブの周りに現れたのは、オーブに力を貸している4人のウルトラマン達であり、彼らの幻影が、光の盾で、全ての攻撃を防ぐ。

 

一瞬で、防がれた事に、同様しているルーゴサイトに対して、既にオーブはその背後に立っていた。

 

同時に、その手には巨大な剣、オーブカリバーで軽々と薙ぎ払う。

 

それによって、ルーゴサイトの翼は切り裂かれていた。

 

「あれは、聖剣なのか」

 

「ガイさんは、ジャグラーの永遠のライバルのような存在だからな」

 

「なるほど、あの人が、エクスカリバーをいらないという訳だ。

あの剣と戦うんだったら、尚更か」

 

そう、納得した木場を他所に、オーブはそのまま構える。

 

身体から溢れ出る3色の光を一つに纏めるように、両手で構え、十字に構える。

 

「「オーヴァーフィフティバスター!!」」

 

放たれた光線に対して、すぐに抵抗する事ができないルーゴサイトは、その光線を真後ろに吹き飛ばされ、消え去った。

 

「ふぅふぅ」

 

そこまでの戦いを終えると共に、麻中は、その場で倒れそうになる。

 

それを、ハヤタは受け止める。

 

「よくやった」

 

その言葉を聞くと共に、安堵と共に、麻中は目を閉じる。

麻中と一体化しているウルトラマンは

  • ギンガ
  • ビクトリー
  • X
  • オーブ
  • ジード
  • ロッソ
  • ブル
  • タイガ
  • ゼット
  • トリガー
  • デッカー

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