駒王学園での三大勢力の会議が終わった後でも、麻中の日常は変わらなかった。
今の所、怪獣にも対抗する事ができ、さらには下手な事をすれば、三大勢力に大きな被害が出る可能性がある為、普段と変わらないようにしていた。
その最中で、グレモリー眷属の1人である塔城小猫は、麻中へと近づいていた。
「んっ、君は」
「塔城です。
麻中先輩に聞きたい事があって、来ました」
「俺に?」
その言葉に、首を傾げる。
「先輩は、姉様を知っていますか」
それは、小猫にとってはまさにその疑問が大きかった。
麻中から漂う匂い。
それは、彼女の姉の匂い。
それが、なぜ、麻中から匂うのか、疑問だった。
「姉さん?
いや、知らないよ」
その事に対して、麻中は即答した。
それには嘘がない事はすぐに分かった。
「そうですか。
ですけど」
「・・・とりあえず、話だけでも聞くよ」
その言葉と共に麻中はそのまま彼女から事情を聞く事にした。
近くの喫茶店。
そこで小猫の事情を聞いた。
ほとんど、無関係と言える2人。
だからこそ、小猫は、自身の悩みを話した。
元は「白音」という名で、姉の黒歌と共に姉妹で暮らしていた。
しかし黒歌が、生きるためにとある悪魔の眷属になった際、元からの資質が溢れ出し暴走。
強大な『はぐれ』となった姉を危険視した悪魔たちは、妹である彼女が暴走する可能性を考慮し、処分を検討し始める。
そこを魔王であったサーゼクスに拾われ、妹のリアスに眷属として預けられた。
絶望に心を閉ざしていた彼女だが、情愛の深いリアスに『塔城小猫』という名前を与えられ、少しずつ感情を取り戻していった。
そこまで、話す事ができたのに、小猫自身も驚きを隠せなかった。
「ここまで話せたのなんて、不思議ですね。
これもウルトラマンの力ですか」
「それは、どうなんだろうな」
そう言いながらも、麻中は、そこまでしか言わなかった。
同時に感じた違和感。
それと共に、目を向けた所にいたのは巨大な怪獣。
「キングオブモンス。
まさか、ここに出てくるとはな」
同時に懐から、ディメンションナイザーを取り出す。
「行くぞ、メビウスさん」
『ディメンションロード!ウルトラマンメビウス!』
召喚されたキングオブモンスに対して、メビウスはそのまま真っ直ぐと構えながら突っ込む。
その拳を、キングオブモンスに向けて放つ。
長年の鍛錬によって、放たれたその一撃は鮮やかであり、同時に次の攻撃へと繋げる為にも冷静な動きで殴っていく。
しかし、それらの攻撃を受け手も、キングオブモンスはまるでびくともしなかった。
それは、合体怪獣としての強さなのか。
かつて、ウルトラマン達を苦しめたタイラントやファイブキングと同じキングオブモンスのその力は、メビウス1人の力を簡単に跳ね返す。
対して、キングオブモンスの攻撃のほとんどはメビウスに当たっていた。
それは、メビウスが街への被害を最小限にする為に、自身の身体を盾にするような戦い方を行っている為である。
放たれるビームを、メビウスは両手を広げて形成する∞の形をしたバリアで、その攻撃を受け止める。
それでも、後ろに下がっている。
それと共にキングオブモンスは、翼を広げ、その腹部から巨大な牙でメビウスを拘束する。
身動きが取れないメビウスに対して、キングオブモンスは最後の一撃を放つように、口を大きく開く。
しかし
『ディメンションロード!ザムシャー!』
鳴り響く音声と共に、キングオブモンスの背中にある翼を斬り裂く一閃。
「まったく、情けないぞ、メビウス」
「ザムシャー!」
そこに来て、現れた協力な助っ人であるザムシャーだった。
その手にある刀で、キングオブモンスの翼を斬り裂いたのと同時に、メビウスはそのまま蹴り上げながら、同時に構える。
口から放たれたその光線に対して、ザムシャーは刀で。
メビウスは、メビウスブレスから出した光の刃で。
襲い掛かる光線を斬り裂いた。
同時に、ザムシャーはそのまま前に出て、刀を構える。
次々と放っていく光線に対して、ザムシャーは切り飛ばしながら、進んでいく中で突然跳び上がる。
それに一瞬、上に目を向けるキングオブモンス。
それが致命的だった。
メビウスブレスから発生した炎のエネルギーを胸のファイヤーシンボルに集中させて形成した、巨大な火球を、キングオブモンスに放つ。
放たれた一撃に対して、身動きが取れなくなった。
それに対して、ザムシャーは宙を飛びながら、一閃。
キングオブモンスは、そのまま真っ二つに斬り裂く。
それによって、キングオブモンスは完全に倒される。
「ふぅ、助かったよ、アカネ」
「いやぁ、私としても、ザムシャーの活躍を見たかったからね。
それで、そこにいる子は」
「彼女は、新条アカネさん?」
「そう、まぁねぇ」
そう言いながら、ダークディメンションナイザーを見せつける。
それは、ジャグラス・ジャグラーから預かっているダークディメンションナイザーだった。
元々、怪獣を造り出していたアカネだからこそ、状況に合わせた怪獣達を呼び出す事ができると考え、麻中は渡していた。
そんな3人の様子を、見つめていた存在がいた。
「ふむ、なるほど。
この世界にいる住人はかなり歪んでいる様子だねぇ。
私好みが、とても」
麻中と一体化しているウルトラマンは
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ギンガ
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ビクトリー
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X
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オーブ
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ジード
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ロッソ
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ブル
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タイガ
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ゼット
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トリガー
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デッカー