夏休みが、もうすぐ始まりそうになる。
その時期になってか、ゼノヴィアが家に来た際だった。
「実は、夏の間、私はしばらく部長の誘いもあって、冥界に行く事になった」
「なぜ、それを俺に言うんだ」
そう麻中は、ゼノヴィアからの報告に、思わず答えてしまう。
「ふむ、こういう場合は、こう言った方が良いと教えられたのだが、あまり反応がないな」
「だから、どういう意味なんだ」
「まぁ、良いではないか」
そう、曖昧に受け流されてしまう。
「そういう君はどうするだ?」
「どうすると言われても、これまで、あまり夏休みは特になかったからな」
麻中の夏休みの過ごし方はあえて言うとウルトラマン達に誘われて、色んな所を冒険に出ていた程度だ。
そんな朝のやり取りを思い出しながら、その日の帰り道。
アカネと一緒に帰り道。
麻中の目の前には、銀髪の青年がいた。
「やぁ、こうして初めて会うな」
「誰?」
思わず、麻中とアカネは言う。
「まぁ、こうして直に合うのは、初めてだからね。
まぁ、今回は挨拶程度だ。
それに、俺の知り合いも世話になったからな」
「そうなんですか」
疑問に思い、2人は首を傾げる。
そんな考えを過っている間だった。
麻中達を覆う空間。
それに、麻中達はすぐに構える。
「おいおい、まさかこの状況は」
その言葉と共に目を向けた。
そこに立っていたのはゼットンだ。
ただし、そのゼットンは以前、麻中と戦ったゼットンとは違う。
その身体の内部は、機械のパーツが幾つか見える。
「まさか、ペダニウムゼットンかよ」
それは、怪獣の中でも一際厄介な存在であるベリアル融合獣。
その中でも一際強力な、ペダニウムゼットンであった。
しかし、それでも、麻中は慌てず、ディメンションナイザーを構える。
「最速で、倒す!
マックスさん!」
『ディメンションロード!ウルトラマンマックス!』
鳴り響く音声と共に、ペダニウムゼットンの前に現れたウルトラマン。
そのウルトラマンの名はマックス。
最強最速のウルトラマンと言われているそのウルトラマンが、立ち上がると同時に、真っ直ぐとペダニウムゼットンに向かって走る。
同時にペダニウムゼットンは、ゼットンの特徴とも言える瞬間移動で、その姿を消す。
そのままマックスの背後に回ると共に、角から赤い電撃光線を放つ。
電撃は、そのままマックスの背中を貫き、地面に大きな亀裂が入る。
しかし、マックスには、傷1つついていない。
否、それは違った。
「ほぅ」
その事に気づいたヴァーリは笑みを浮かべる。
それは、先程まで走っていたマックスは残像であった。
その証拠に、既にペダニウムゼットンの背後にはマックスが立っており、そのまま飛び蹴りを放つ。
背中からの奇襲に、対応ができなかったペダニウムゼットンはそのまま地面へと叩きつけられる。
それと同時に、頭に格納されているマクシウムソードをマックスはそのままペダニウムゼットンに向けて放つ。
それに対して、ペダニウムゼットンは、すぐに周囲にバリアを張る。
それと共にペダニウムゼットンは、そのまま次に狙いを定めたのは、麻中だった。
両腕を構え、そのまま真っ直ぐと火球を放とうとした。
しかし。
「ペダニウムには、キングジョーだよね!」
『ディメンションロード!キングジョーストレイジカスタム!』
鳴り響く音声と共に、アカネが取り出したダークディメンションナイザーから出てきたのは、キングジョーストレイジカスタムだった。
それは、かつて、ウルトラマン達を幾度となく苦しめたキングジョー。
そのキングジョーを地球人が改造し、防衛チームの戦力として新たに生まれ変わったキングジョーの姿だった。
それは、本来のキングジョーが造り出したペダン星人の手から離れ、別の人物達によって、改造されたキングジョー同士の戦いだった。
キングジョーストレイジカスタムは、そのまま右腕と一体化しているペダニウム粒子砲を真っ直ぐとペダニウムゼットンに向けて、放つ。
それによって、ペダニウムゼットンはその火球を放つ事ができずに後ろに下がる。
「あれは一体?」
「キングジョーストレイジカスタムだよ!
地球防衛軍ストレイジが、キンジョーというロボットを改造して造ったロボットなの!
その強さは2人のウルトラマンを同時に相手にできる程の強さを持っているの!!」
「人間が?
ほぅ、それは、戦ってみたいな」
ヴァーリは、アカネの言葉に対して興味を示すように言いながら、キングジョーストレイジカスタムを見つめる。
同時にマックスが地上に降り立つと同時に、麻中に目を向ける。
「アカネ、少しの間だけ、時間を稼いでくれ」
「良いけど、ロボット系は怪獣達と違って、直接指示しないといけないから、そんなに稼げないよ!」
それと共にキングジョーストレイジカスタムが真っ直ぐとペダニウムゼットンに向かって行く。
ペダニウムゼットンは、すぐにキングジョーストレイジカスタムと向き合う形で、そのまま腕を振り上げる。
対して、キングジョーストレイジカスタムは、左腕の折り畳み式の腕を伸ばして叩き付ける。
その一撃は凄まじく、そのままペダニウムゼットンは、吹き飛ばされる。
だが、そのまま赤いレーザーを真っ直ぐとキングジョーストレイジカスタムに向けて放つ。
だが
『キングジョーストレイジカスタム!セパレートモード』
鳴り響く音声と共にキングジョーストレイジカスタムは分離し、そのまま追撃を行う。
分離しながら、そのまま四方から、攻撃を行っていくキングジョーストレイジカスタム。
だが、戦闘に不慣れなアカネの操作も相まってか、キングジョーストレイジカスタムが徐々に追い込まれていく。
「まだ!!」
「大丈夫だ、行くぜ、マックスさん!」
アカネに対して返答すると共に麻中はその手にゼットライザーを構える。
「グレートさん!パワードさん!リブットさん!剛柔、自在の力!お借りします!」
『グレート!パワード!リブット!ウルトラマンマックスユニバース!』
鳴り響くと同時に、マックスに変化が起きる。
それは、身体に様々な国旗が次々と映し出されるように全身が発光を常に行っている。
そして、その変化と共にマックスはそのまま、ペダニウムゼットンへと向かって行く。
ペダニウムゼットンは、すぐにマックスに向かって、火球を放つ。
だが、その攻撃に対して、マックスはその手で触れる。
同時にまるで流れるようにその火球の軌道を変え、そのままペダニウムゼットンに当てる。
それに動揺しているペダニウムゼットンに向かって、そのまま両手で一気に殴り、吹き飛ばす。
「先程のパワーとスピードに加えて、瞬時に切り替える格闘技とはな」
そうしている間にも、ペダニウムゼットンは、既に最後の一撃を放とうと、テレポートし、その場から離れる。
だが
『キングジョーストレイジカスタム!タンクモード!』
だが、そんなペダニウムゼットンを追うように、キングジョーストレイジカスタムがタンクモードに変わる。
そして、キングジョーストレイジカスタムの上にマックスは乗る。
それと共に、マックスの特徴と言えるマックススパークを上に向けると、キングジョーストレイジカスタムのエネルギーと、マックスに宿るウルトラマン達の力が集う。
それは、まさに七色の光であり、それを真っ直ぐとペダニウムゼットンに向けて放つ。
放たれた一撃に対して、ペダニウムゼットンはすぐに火球を放つ。
だが、それらは完全に光線の中に吸い込まれ、そのままペダニウムゼットンは光の中へと消える。
それと共に、役目を終えたようにマックスとキングジョーストレイジカスタムが消える。
「こうして、間近にウルトラマンの戦闘を見れて、良かったぜ」
そう言いながら、ヴァーリはその姿を消した。
「・・・まさか、悪魔とか、天使とかの関係者?」
「今の感じだと、そうだよね」
そう、2人は未だにヴァーリの正体に気づかないまま、首を傾げるだけだった。
ウルトラマンマックスユニバースに関してのイメージとしては、タロウのストリウム光線を放つ時の状態が常に維持されている感じです。
その光が、国旗のようになっていると、想像して頂きたいです。
麻中と一体化しているウルトラマンは
-
ギンガ
-
ビクトリー
-
X
-
オーブ
-
ジード
-
ロッソ
-
ブル
-
タイガ
-
ゼット
-
トリガー
-
デッカー