タイガと共に戦いを終えた麻中が目覚めたのは、どこかの宿屋だった。
麻中が、ここに泊まらせた人物については、分からなかった。
それでも、ここに泊まらせた際の料金は既に支払われていた。
同時に、その次の目的地に関しても書かれていた。
「グレモリー領地?」
その言葉に、どこか聞き覚えがあった麻中は首を傾げる。
そんな麻中とは正反対に、ラーモットと黒猫は呑気ににバッグの中にいた。
「まぁ、とりあえず、ここに向かえば良いのか」
そんな呟きと共に、麻中達はそのまま地図に従うように歩き始めた。
ゆっくりと歩きながら、向かっていく。
そんな麻中の旅の行く先を見ていたトレギアは。
「さて、彼女があれを取り返すには、そうだな。
麻中君には活躍して貰わないとね」
その言葉と共に、トレギアが取り出したのは、1つの指輪だった。
「その為には、愉快な君の出番だよ」
同時に指輪から闇を発しながら、麻中達が進む道の前で変わる。
瞬く間に巨大化したそれは、トレギアが召喚したのは、でっぷりとした腹に、アヒルのような口が目立つ、間抜けそうな顔つきが特徴的な怪獣、ゴロサンダーだった。
「こいつは、またトレギアの仕業か!」
その言葉と共に麻中は、ディメンションナイザーを取りだし、構える。
『ディメンションロード! ウルトラマンゼアス!』
ウルトラマンゼアスが、その姿が現れると同時にゴロサンダーは力士を思わせる挙動で四股を踏む。
そして……
ゴロサンダーの胸から発せられる光によって、ゴロサンダーの周囲にある瓦礫やアスファルトの破片が宙に浮き上がる。
そして、それらがゼアスに向けて放たれた。
ゼアスは迫り来るそれらに対して、素早く避ける。
雷の速さを持つゼアスにとってはスローモーションに見えるそれらの攻撃を余裕を持って避けながら、ゴロサンダーに接近していく。
だが、ゴロサンダーは両腕を広げて構えると…… ドォン! その腕を振るう。
すると、ゴロサンダーの胸から発せられた光がまるで光線のように放たれた。
それは空中を飛ぶゼアスに命中しようとした。
だが、道端に落ちていたゴロサンダーの雷によって破壊されたアスファルトの欠片に躓いて、そのまま勢い良く倒れる。
それによって、光線は当たる事なかった。
それには、ゴロサンダーも思わず、口を開いてしまう。
ゼアスはすぐに立ち上がると、倒れているゴロサンダーに飛び掛かる。
しかし、ゴロサンダーはその巨体からは想像出来ない程の動きで飛び掛かって来たゼアスを避けると、そのまま起き上がった。
そして、再び両者は対峙すると共に、ゼアスはそのまま空手チョップを繰り出す。
それをゴロサンダーは両手で受け止める。
両者の力がぶつかり合い、衝撃波が生じた。
その衝撃により、周囲の建物が崩れ落ちる。
ゼアスは続けて蹴りを繰り出した。
ゴロサンダーはそれをかわす。
ゴロサンダーは反撃として張り手を放つ。
それを避けつつ、ゼアスはその腕を掴み、背負い投げを行い、地面に叩きつける。
ゴロサンダーが起き上がろうとする前に、ゼアスは口を開き気合の掛け声と共にX字型に腕を傾けて両腕全体からの巨大なX字型光線、クロススペシュッシュラ光線を放った。
その攻撃を、ゴロサンダーはそのまま受けてしまう。
クロススペシュッシュラ光線を受けたゴロサンダーの体は爆発し、爆煙に包まれる。
「なんとかなったか、ありがとうございます」
それと共にゼアスは頷き、そのままディメンションナイザーへと戻っていく。
「そうだねぇ」
「っ!」
聞こえた声と共に、麻中はすぐに避ける。
だが、その衝撃に、麻中は吹き飛ばされる。
そこに立っていたのは、トレギアだった。
「トレギアっ」
「さぁ、ゆっくりと、じっくりと、楽しもうか」
すぐにでも、立ち上がろうとした麻中。
しかし。
「終わりだね」
そう、トレギアが言う直前だった。
トレギアに向かって、放たれたエネルギー弾。
それが、トレギアを止めた。
「へぇ、とうとう正体を露わにするんだ、黒猫ちゃん」
「黒猫」
同時に目を向けると、そこには黒い着物を身に纏った妖艶な美女がいた。
ただし、その表情は憤怒に満ちていた。
「あんただけは、絶対に許さない」
「おうおう、マジギレか。
だったら」
その言葉と共に、トレギアが取り出したのは、指輪だった。
その指輪を、そのまま宙へと投げ飛ばす。
同時に実体化したのは、ギャラクトロンMk-2であった。
「あんたがっ散々、追っていたこの力。
遠慮無く使ってやろうじゃないの!!」
同時に女性は取り出したのは、タブレット端末であった。
『ビートスターライザー』
その音声と共に、カードを3枚取り出す。
「やり方は、既に見ていたからね」
同時に、そのままカードを3枚スキャンする。
『セット! ウルトロイドゼロ!』
最初に一枚をスキャンした後、残りの2枚をスキャンする。
『フュージョンアームド! ギガデロス! テラフェイザー!』
同時に、女性の手から現れたのは、ウルトロイドゼロ。
それは、かつてウルトラマンZの世界において人々を守る為に開発された。
だが、最後は、世界の脅威となったロボット、ウルトロイドゼロ。
そんなウルトロイドゼロに装着したのは、ウルトロイドゼロと似た経緯を持つロボットであるギガデロスとテラファイザーだった。
そのままウルトロイドゼロの両腕にギガデロスの武装が装着し、ボディはテラフェイザーのショルダーアーマーが装着される。
それによって、ウルトロイドゼロのバイザーが外れる。
『ウルトロイドゼロ! C-ARMS』
「ほぅ」
それを確認すると共に、ギャラクトロンMk-2が襲い掛かる。
しかし、片腕で装着された盾で受け止め、そのまま斬り上げる。
ウルトロイドゼロは、元々、ウルトラマンのデータを元に作り出された事によって、人間に近い動きができた。
だからこそ、黒歌のビートスターライザーを通じて、動く。
それによって、ギャラクトロンMk-2の攻撃を通る事はできなかった。
しかし、ギャラクトロンMk-2が、ビームを放つ。
だが、その盾で、そのビームを受け止める。
同時に、ウルトロイドゼロのショルダーアーマーが変形する。
前方へ折り畳むように連結して砲身となり、さらに胸部に格納された砲口と接続される。
それは、ギャラクトロンMk-2が放った自身の攻撃をそのまま打ち返すように、真っ直ぐと、放たれた。
そう、瞬く間にギャラクトロンMk-2は倒される。
「ふむ、やはり面白いねぇ」
「それはっ」
「かつて、存在したビートスター天球を小型し、様々なロボット怪獣を召喚する事に特化。
さらには、それをウルトラフュージョンのようにアーマーを身に纏う事ができる。
さぁ、どうする、麻中君」
「っ」
同時に、女性は、麻中の方へと目を向く。
その目には、どこか恐怖があった。
「そこにいる彼女。
かなり凶悪な人物だよ。
正義の門番であるウルトラマンと交友がある君は、そんな彼女を許すのかい?」
「許す、許さない以前に、俺はこの人の事を何も知らない。
だったら、話を聞かないと分からない。
それに」
「それに?」
「トレギア、あんたがそういう顔をする時は、だいたいは胡散臭いからな」
「それは、ショックだねぇ。
まぁ良いだろう、ここは退かせて貰う」
同時にトレギアの後ろから闇の門が開く。
「それでは、また」
同時に、その言葉と共に消える。
「……ごめんにゃ、今まで」
「何を言っているの、今まで、助けてくれたのは、君なんだろ」
そう言い、体格が大きく異なりながらも、麻中は彼女に見つめる。
「とりあえず、話そうか」
「……分かったにゃ。
私が伝えられる限り」
麻中と一体化しているウルトラマンは
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ギンガ
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ビクトリー
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X
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オーブ
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ジード
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ロッソ
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ブル
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タイガ
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ゼット
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トリガー
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デッカー