麻中は、その後、黒猫に化けていた女性、黒歌から、話を聞いた。
あの時、麻中と出会ったのは本当に偶然であった。
アブソリューティアンの巫女が、何かを落とした。
それに興味を持った黒歌は、その何かを拾うと共に、巫女はそれを見て、すぐに襲った。
「そういう事で、私はあんたを利用して、こうして守られていた訳にゃ」
「それじゃ、聞くけど、もしかして子猫ちゃんが言っていた、姉というのは」
「まぁ、私だにゃ」
その言葉に、否定はしなかった。
一瞬、少しだけ悲しそうな顔をしたが、すぐに笑みを浮かべた。
「まぁ、あの子の言っていた通り、私は力が欲しくて、行動した」
「けど、その力を欲した理由は何なの」
「さぁねぇ、ただ力が欲しかった。
それじゃ、駄目かにゃ?」
麻中の言葉に対して、のらりくらりと受け流す黒歌。
対して、麻中は、ため息を吐く。
「駄目」
「えぇ」
「だって、お前が本当の事、言っていないからな。
まぁ、けど」
そう言うと、麻中は特に気にした様子はなかった。
「今は聞かないよ。
お前が話したくなった時で良いから」
「良いのかにゃ?
私は、かなり凶悪なはぐれ悪魔にゃ」
「そのはぐれというのは良く分からないけど、それだけでは分からないからな」
「にゃぁ」
そう言うと共に黒歌は麻中の発言にため息を吐く。
「本当に変わった奴にゃ」
その会話を行っている時だった。
何かが迫っていた。
見ると、そこに立っていたのは、複数のロボット。
「あれは」
「ダークロプスか。
しかも、量産型」
その言葉と共に、麻中はそのままディメンションナイザーを取り出す。
「あいつらに、負ける訳にはいかないよな、ゼットさん!!」
『ディメンションロード!ウルトラマンZ!オリジナル!』
同時に、そのままディメンションナイザーから飛び出たウルトラマンZ。
そのまま地上へと降り立つ。
『おい、麻中!
そんな体力がない状態で呼ぶと、危険だぞ!』
先程までの戦闘の疲労が未だに残っており、基本形態であるオリジナルでの召喚に、Zは戸惑う。
「それでも、やるしかない!」
『まったく、だったら、ウルトラ気合い入れるぜ!!』
その叫び声に合わせるように、ウルトラマンZはそのまま向かってくるダークロプスに向かって、構える。
ダークロプスは、そのまま両手の鋭い螺旋状の爪で、ウルトラマンZに襲い掛かる。
それに対して、ウルトラマンZは、襲い掛かるダークロプスの腕を掴み、そのまま蹴り上げる。
気合いの籠もった叫びと共に放った蹴りは一体のダークロプスを吹き飛ばした。
しかし、そんな攻撃の隙を狙うように、他のダークロプスが爪で切り裂く。
それによって、前へと倒れ込むウルトラマンZ。
それは、召喚した麻中にも影響した。
同時にウルトラマンZはそのままダークロプスの2体に無理矢理持ち上げられた。
「麻中っ、だったら」
その言葉と共に、黒歌はビートスターライザーを取り出す。
それと共にカードを取り出すが、その内、一枚が落ちる。
「あぁもぅ、急いでいるんだから、あっ」
『セブンガー!ウィンダム!ウルトラマンZ』
すぐに3枚のカードをスキャンしたが、その内の一枚は、麻中の持つウルトラマンZのカードだった。
一瞬、焦った顔をしたが、それは束の間だった。
光と共に、ビートスターライザーから飛び出たのはウルトラマンZが、地球で共に戦ったロボット。
セブンガーとウィンダムだった。
召喚されると同時に、2体のロボットの目に光が灯ると共に、そのままウルトラマンZを捕まえているダークロプスを吹き飛ばす。
「Z様!ハルキ!無事ですか!」
「えぇ、ここ、どこなの!」
『この声、もしかしてヨウコ先輩!それにユカ!』
それには、ウルトラマンZ本人も、同化しているハルキを含めて全員が驚きを隠せなかった。
どうやら、召喚したセブンガーとウィンダムのコックピットに入っている2人は、ウルトラマンZと共に戦ったストレイジのメンバーだった。
「あの野郎の気配を感じたと思ったら、まさかこんな事になっているとはな」
「その声は、隊長も!」
すると、セブンガーの方は、そのままウィンダムの方へと目を向ける。
どうやら、セブンガーの方に2人。
ウィンダムには、何時の間にかジャグラス・ジャグラーが入っていた。
「これって、どういう事?」
「ロボットに最も相性の良いパイロットを召喚したみたいな?」
まるで状況が飲み込めない麻中と黒歌は互いに見る。
「状況はあまり分からないが、とにかく。
目の前にいる3体のダークロプスを殲滅する。
良いな」
「「「了解!!」」」
そのままウィンダムのコックピットの中にいるジャグラス・ジャグラーはそのまま全員に言う。
「俺がミサイルで牽制、ヨウコ達は硬芯鉄拳弾で空中に。
ハルキ達は、光線で一気にとどめを刺せ!」
その言葉と共に、ウィンダムは、その全身からミサイルを放つ。
その数は凄まじく、ダークロプス達は、すぐにそのミサイルから逃れるように、攻撃を行う。
だが、ミサイルから逃れるように、一カ所に集められる。
そこに向かって、セブンガーから放たれる硬芯鉄拳弾。
つまりはロケットパンチは、そのままダークロプス達をそのまま空中へと飛ばす。
「今だ!」
ジャグラス・ジャグラーの言葉に合わせるように、
両腕を水平に構えてエネルギーを解放し、「Z」を描くように手刀を切って大きく腕を振る溜めポーズをとり、腕を十字に組んで放つ。
「「「ゼスティウム光線!!」」」
その叫び声に合わせるように、放った光線は、そのまま空中を飛ぶダークロプス達を纏めて爆発させた。
「よっしゃぁ!って、もう消えている!!」「一体全体、何が起きたのよぉ」
そう言いながら、セブンガーはそのまま光となって、消えていった。
「なるほど、これは面白いな。
仮想の身体で操縦する訳か。
まぁ、どちらにしても、あいつらの顔を見れたのは、良かったかもな」
同時にウィンダムもまた、その姿を消した。
『なんだか、久し振りにストレイジの皆と会えて、良かった。
今度、実家の母さんにも会いに行かないとな』
『あぁ、それじゃ、麻中。
またな』
「えぇ」
そして、ウルトラマンZもまた、姿が消えていった。
「それにしても、状況は分からなかったけど、これって、とんでもない代物のようにゃ」
「あぁ、まさか、ここまでとは」
以前、ウルトラマンメビウスとの戦いにて、ガンフェニックスを呼び出したが、その時はあくまでもガンフェニックスの存在のみ。
実際にパイロットを呼び出した訳ではなかった。
「とりあえず、黒歌。
これから、黒歌の言っていた場所へ行こうか」
「信頼するのかにゃ?」
「まぁね、信頼すれば、何かがある。
それは、ストレイジの皆さんを見たら分かったから」
地球人、宇宙人など関係なく力を合わせる事ができた。
だからこそ、麻中は、黒歌を信頼したい。
「まったく、甘ちゃんだにゃ」」
麻中と一体化しているウルトラマンは
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ギンガ
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ビクトリー
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X
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オーブ
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ジード
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ロッソ
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ブル
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タイガ
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ゼット
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トリガー
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デッカー