ハイスクールU✕D   作:ボルメテウスさん

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猫は去った

麻中が目を覚ますと、そこは知らない天井だった。

 

まるで、アニメの1シーンのように思いながら、目を覚ました。

 

「目が覚めたか、麻中」

 

「ゼノヴィア」

 

見ると、そこには、既に顔馴染みであるゼノヴィアが立っていた。

 

彼女と会うのも久しく思う麻中だったが、そんな彼とは正反対に、ゼノヴィアは呆れたようにため息を吐く。

 

「まったく、君の行動は私達でも予想外な事ばかりだ。

それで、一体どういう経緯で、こっちいたんだ」

 

「んっ、リアス先輩から聞いていないのか?」

 

「ある程度はな。

だが、私は、君の口から直接聞きたいんだ」

 

「俺の口からか?」

 

「あぁ、そうしないと分からない事もあるからな」

 

何やら、詰め寄ってくるゼノヴィアの様子に一瞬、首を傾げるが、特に断る理由もなかった。

 

「分かった。

だけど、別に面白い話じゃないぞ」

 

それと共に、ゆっくりと話し始めた。

 

今回の事件の始まりである黒猫である黒歌との出会い。

 

トレギアの襲撃。

 

彼女の正体を知った事。

 

それらを全て、思い出すように話している間も、ゼノヴィアは真っ直ぐと見つめたままだった。

 

「そうか、それでイッセーが言っていた炎の剣というのは」

 

「トライストリウムに関しては、今の俺では呼ぶ事はできない。

あれは、トライスクワッドの3人のウルトラマンの皆さんの力があって、初めてなる事ができる姿だ。

今の俺では、ウルトラマンの皆さんを3人を呼ぶ事はできない。

何よりも、最大の力を発揮した姿もできない以上はな」

 

「あの力以上にか」

 

その言葉にゼノヴィアは目を見開いていた。

 

「知っていたのか?」

 

「むしろ、あれだけの力を発揮したんだ。

結界の外にいる私達まで伝わる程の力だぞ」

 

「まぁ、確かにな。

確かにあの力は強力だ。

だが、多くのウルトラマンの皆さんはあれ以上の力がある」

 

タイガストリウムも、今のタイガ達はそれ以上の力を発揮する事ができる。

 

「そう言えば、黒歌は」

 

「分からない。

部長の話によれば、君が気絶したに一瞬だけ、抱き抱えた後にすぐに消えたらしい」

 

「そうなのか」

 

それに対して、どこか寂しさを覚えた麻中は、ため息を吐く。

 

「寂しいのか?」

 

「まぁ、ここ一ヶ月の間、ずっといたからな」

 

今は既にない鞄の重みに、寂しさと共に呟く。

 

「・・・ならば、少しでも埋めれると良いが」

 

「んっ?」

 

同時にゼノヴィアは、麻中の手を掴む。

 

「ゼノヴィア?」

 

「なに、神の不在だと知った時、私を支えてくれたのは君だ。

だからこそ、私も君を支えよう。

これは、私自身がやりたい事だからな」

 

「・・・そうか、ありがとう」

 

今でも寂しさはある。

 

だからこそ、麻中は。

 

この時ばかりは、ゼノヴィアに、その寂しさを埋めるように、手を握った。

麻中と一体化しているウルトラマンは

  • ギンガ
  • ビクトリー
  • X
  • オーブ
  • ジード
  • ロッソ
  • ブル
  • タイガ
  • ゼット
  • トリガー
  • デッカー

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