ハイスクールU✕D   作:ボルメテウスさん

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ラグナロクの前日談

 セレブロの暗躍から時が経った。

 

 兵藤と一時的に一体化していたメビウスこと、ミライはそのまま光の国へと帰る事になった。

 

 今回の一件で、捕らえたセレブロからアブソリューティアンの情報を得る為の帰還。

 

 それには、一同は残念に思っていたが、また何時でも力を貸す事を言ってくれた。

 

 それと共に彼らに目を向けた。

 

「皆、もしかしたら、この先、種族の違いで大きく悩む事かもしれない。

 

 これに気づくのはずっと先で、特に大きくぶつかるのは、兵藤君、君だ」

 

「俺が、それは一体」

 

「それは僕からは言えない。

 

 君は人間から悪魔へと生まれ変わった事で、必ずぶつかるはずだ」

 

 それの意味を麻中は僅かだが、理解していた。

 

 ヒビノミライは、数多くのウルトラマンの中でも、最も地球人との絆を大切にしているウルトラマンだ。

 

 それは同時に、寿命の差で訪れる別れを、彼は経験した。

 

 だからこそ、本来ならば衝突しないだろう寿命での別れが、兵藤に訪れる。

 

 それを、自分の経験と共に兵藤に伝える。

 

「だからこそ、今を精一杯、想い出を作るんだ。

 

 そこに確かな答えがあるから」

 

 それを知るのは、遠い先の未来になるだろう。

 

 だからこそ、麻中は、今は、それをあえて言わなかった。

 

 そうして、ミライが無事に地球から去った後だった。

 

 体育祭が行われ、盛り上がっている中で、麻中は何かを感じた。

 

「この感じはっ、まさか。

 

 悪いけど、ゼノヴィア、あとは頼む」

 

「むっ、麻中? 

 

 どこに」

 

 そう、後ろから聞こえるが、麻中はそのまま飛び出す。

 

 そのまま向かった先では、既に結界が張られていた。

 

 すぐに麻中は、その結界の中へと飛び込む。

 

 そこに立っていた存在。

 

 それは、見覚えがあった。

 

「まさか、ギャラクトロンかよ」

 

 その言葉の通り、ギャラクトロンが、街を暴れていた。

 

 狙っているのが、誰か分からない。

 

 よく見れば、建物の隙間を素早く動く影が見え、それをギャラクトロンが狙っている。

 

 ギャラクトロンは、それに対して、狙いをつけるように建物に攻撃する。

 

 建物の破片に直撃しそうになる。

 

「何が起きているんだ、まったく!」

 

 そう愚痴りながらも、麻中はすぐに飛び出す。

 

 ウルトラマンの召喚が間に合うかどうか分からない為、麻中はそのまま狙われている影を抱き抱える。

 

「えっ、だっ誰ですか?!」

 

 見れば、そこにいたのは銀髪の女性。

 

 何かの鎧を身に纏っているのか、おそらくはどこかの神話の勢力の1人だろう。

 

「無事ですか?」

 

「えっはっはい」

 

 そのまま抱き抱えたまま、そのまま襲い掛かるギャラクトロンからの攻撃をすぐに走りながら避ける。

 

「えっちょっ」

 

「悪いけど、舌噛むかもしれないから、我慢して!」

 

 なんとか落ち着ける所まで走ると同時に女性を降ろす。

 

 同時に懐からディメンションナイザーを取り出す。

 

「それはっ、まさか」

 

『ディメンションロード! ウルトラマンロッソ!』『ディメンションロード! ウルトラマンブル!』

 

 鳴り響く音声と共に、ギャラクトロンの放った胸部からの閃光光線を防ぐように、炎と水の柱が現れる。

 

 その二つの壁によって、塞がれた閃光光線は消えると共に柱から現れたのは2人のウルトラマン。

 

 炎を思わせるプロテクターが特徴的な兄のウルトラマンロッソ。

 

 水を思わせるプロテクターが特徴的な弟のウルトラマンブル。

 

 2人が、そのまま姿を現すと同時に、構える。

 

「カツ兄、あいつって、確か」

 

 その言葉と共に、ブルは眼前にいるギャラクトロンを見ながら、ロッソに問いかける。

 

 それに対してロッソも頷きながら。

 

「あぁ、ギャラクトロン。

 

 ガイさん達が言っていた、やばいロボットだ」

 

 それと共にロッソを構える。

 

「だったら、ここですぐに倒さないとな!」

 

 それと共にブルは真っ直ぐと走り出す。

 

 それと同時にロッソもまた走り出し、一気に距離を詰めていく。

 

 しかし、そんな2人に向かって、ギャラクトロンは左腕の回転式の大剣ギャラクトロンブレードを振り下ろす。

 

 それを左右に分かれる事で回避すると、ロッソはそのまま右拳を叩きつける。

 

 だが、まるで鉄でも殴ったかのような感覚を覚え、逆にロッソの方がダメージを負う。

 

「ぐっ、ここまで硬いのかよ!?」

 

 思わず驚きの声を上げるロッソ。

 

 一方、ブルはそのまま至近距離へと近づくと

 

「アクアストリューム!」

 

 そのまま真っ直ぐとギャラクトロンに光線を放った。

 

 しかし、ギャラクトロンは後頭部からポニーテールや辮髪のように伸びる巨大アームをブルに叩きつけようとする。

 

 それに気づいたブルはすぐに飛び退くと、入れ替わるようにロッソが前に出る。

 

 そして、振り下ろされた右腕を掴むとそのまま投げ飛ばす。

 

 だが、それでも大したダメージを受けていないのか、起き上がると同時に今度は回転しながら、左手のブレードで斬りかかる。

 

 それを後ろに下がりつつ避けるロッソ。

 

 同時に

 

「フレイムスフィアシュート!」

 

 強力な火球をギャラクトロンに向けて、投げる。

 

 その威力は高いが、それでもギャラクトロンにはまるでダメージを負わせられないようだ。

 

「くそっ! こいつ本当に硬ぇぞ!!」

 

「なら……これだ!! アクアストリーム!!」

 

 ロッソの言葉に応えるかのようにブルは両手を前に出すと、そこから水流を放つ。

 

 それはギャラクトロンに命中し、全身を濡らす。

 

「よしっ、これでどうだ!?」

 

 そう言って二人は再び構えるが、そこでギャラクトロンは、まるでダメージはなかった。

 

「どうすれば」

 

「もしかしたら、試してみる価値はあるかもしれない」

 

 そう、戦いを見ていた麻中はすぐにディメンションナイザーをスキャンする。

 

『ディメンションロード! ルーブジャイロ!』

 

 鳴り響いた音声と共に、麻中の手の中には、ウルトラマンロッソとウルトラマンブルの変身アイテムであるルーブジャイロが現れる。

 

 それと共に、二枚のカードを手にする。

 

 すると、二枚のカードは、そのままルーブクリスタルへと変わる。

 

「纏うは炎! 不屈の炎!」『ウルトラマンメビウス』

 

 そのまま、ルーブジャイロに装填したウルトラマンメビウスのルーブクリスタルを中心に、両側のレバーを引くとジャイロ部分が回転。3回回す事でクリスタルの力が発動する。

 

『ウルトラマンロッソ! バーニング!』

 

「んっ?」

 

 すると、ウルトラマンロッソの方に変化が起きる。

 

 それは、先程までと変わらない色。

 

 しかし、その装甲はより炎を思わせる装甲が増えていた。

 

「えっ、なに、カツ兄、その姿!?」

 

「分からない! 麻中が、もしかして」

 

「マジか! 麻中、俺も!」

 

「了解!」

 

 ブルの言葉に応えるように、また新たなルーブクリスタルを装填する。

 

「纏うは雷! 神速の雷!」『ウルトラマンX』『ウルトラマンブル! ライトニング!』

 

 鳴り響く音声と共に、ブルのプロテクターの色は、まるで雷を思わせる緑色に変わる。

 

「おぉ、これって、俺達が持っていたルーブクリスタルだよな! これって、変身にも使えたんだ!」

 

「あぁ、こっから反撃開始だ!」

 

 同時にロッソとブルは互いにハイタッチを行うと共に、真っ直ぐとギャラクトロンに向かって、走る。

 

 ギャラクトロンに向かって、ロッソは先程と同じく拳で殴る。

 

 その結果は、先程とは違い、ギャラクトロンの装甲を簡単に溶かす程の熱で溶けていた。

 

 それに驚きを隠せない様子の、ギャラクロンに対して、まるで雷を思わせる速さで接近したブルは、その勢いのまま拳を振り上げるが、それを間一髪回避したギャラクロンは、距離を取るように後方へと下がる。

 

 しかし、ギャラクトロンはダメージを受けていた。

 

「遅い! 遅い! とっくに攻撃は終わっているぞ!!」

 

 その言葉と共にブルは、追撃するように次々と電撃の攻撃をギャラクトロンに向けて放っていく。

 

「オラァッ!」

 

 ブルが放った電撃の攻撃によって、先ほどまで反撃を繰り返していたギャラクトロンの動きが鈍くなり始めた。

 

「カツ兄! 一気に行くぜ!」「あぁ、麻中、頼めるか!」「あぁ!」

 

 それと共に手に持ったディメンションカードを、そのままディメンションナイザーにスキャンする。

 

『ディメンションロード! ウルトラマンルーブ!』

 

 それと共に、ロッソとブルの2人は1人となった。

 

 その黄金のウルトラマンの名はルーブ。

 

 ウルトラマンルーブが、その姿を現す。

 

 それを見たギャラクトロンは再びルーブに向かって光線を放つ。

 

「ふんっ」

 

 しかし、それをかわして飛び上がる。

 

 そして、空中から蹴りを叩き込む。

 

 そのまま連続で回し蹴りを食らわせると、さらにかかと落としを決める。

 

「うおぉぉりゃあ!!」

 

 最後に、渾身の右ストレートを顔面に叩き込んだ。

 

 すると、ギャラクトロンは吹き飛ばされる。

 

 しかしすぐに起き上がると、今度は全身から光を放つ。

 

 そしてその光が収束し、エネルギー弾となって発射された。

 

 だが、ルーブはすぐに手を前に出す。

 

「「ルーブコウリン」」

 

 すると、カラータイマー部分に手をかざすと共に現れた武器、ルーブコウリンでその攻撃を防ぐ。

 

 同時に、そのままルーブコウリンを前に出す。

 

『高まれ! 究極の力!』「「ルーブボルテックバスター」」

 

 渦巻き状の必殺光線、ルーブボルテックバスターを真っ直ぐとギャラクトロンに放つ。

 

 その光線を受け、ギャラクトロンの身体は光の中へと消えていった。

 

 ギャラクトロンとの戦いが終えると共に、ウルトラマンルーブは、そのままディメンションナイザーの中へと帰って行った。

 

「えっと、大丈夫だったか?」

 

「えっ、はっはい」

 

 何やら、麻中の顔を見ると、顔が真っ赤な様子。

 

 それに対して、麻中は疑問に思うだけだった。

 

 その疑問の答えを出す人物は、この場には残念ながらいなかった。




今回、登場したウルトラマンロッソバーニングや、ウルトラマンブルライトニングのような感じのオリジナル形態もお待ちしています。
ウルトラマンルーブに関しては、ルーブクリスタルで本当に色々な選択肢がありますので。
同様に、ウルトラマンXのサイバー怪獣のアーマーも募集しています。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=292936&uid=45956

麻中と一体化しているウルトラマンは

  • ギンガ
  • ビクトリー
  • X
  • オーブ
  • ジード
  • ロッソ
  • ブル
  • タイガ
  • ゼット
  • トリガー
  • デッカー

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