ハイスクールU✕D   作:ボルメテウスさん

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可能性

「それにしても、修学旅行というのは、なかなかに大変だな」

 

「そうなんですよ。

 

 なかなか、観光だけ集中する訳にはいかないので」

 

「……なぁ、麻中」

 

「どうしたんだ、兵藤」

 

「狭くないか」

 

 そう、兵藤からの言葉に対して、麻中は特に気にしていなかった。

 

 現在、彼らが泊まっている部屋は、とても豪華なホテルとは思えない和室。

 

 そのただでさえ狭い和室の中、客人として来ていたガウマとガイの2人が一緒に入っている。

 

 そして、その男4人で現在、トランプで遊んでいた。

 

「それで、お前は少しは答えが見つかりそうなのか?」

 

「答え? 麻中、お前何か悩みでもあるのか?」

 

 ガイの言葉に対して、ガウマは疑問に思いながら、聞いてくる。

 

「悩みというか、なんというか。

 

 今回の戦いで、戦っている奴らは、デビルスプリンターという危険な代物を使ってまで、力を得ようとした。

 

 俺は、それを使って、奴らが何をしようか分からない。

 

 けど、そんな危険な力を使ってまで求めるのは一体何なのか、分からなくて」

 

「危険な思考を持っている奴がいたら、倒す。

 

 それで良いんじゃないのか? 

 

 俺も実際に、そう思って戦ったけどな」

 

「人、それぞれ事情があるのに、そんなので良いかと思いましてね」

 

「……そうだな。

 

 確かに相手の事を考える事も大切だ。

 

 相手が何故戦っているのか、それはウルトラマンだけじゃない。

 

 戦う人間全ての課題でもあるからな」

 

「ガイさん」

 

 そう、ガイの言葉を聞きながら、麻中はディメンションナイザーを見つめている。

 

 その時だった。

 

 感じた違和感。

 

 それが、何か、すぐに理解できた。

 

「この感じっ、あっちからかっ」

 

 そう言い、麻中はすぐに窓の外を見る。

 

「俺はここに残って、こいつらを護る。

 

 お前は」

 

「えぇ、お願いします! 

 

 行きましょう、Zさん!」

 

『ディメンションロード! ウルトラマンZ! ベータスマッシュ!』

 

 ディメンションナイザーから鳴り響く音声と共に現れたZの姿は、真っ赤に染まっていた。

 

 その身体からは力が溢れ出すように、筋肉が大きく膨れ上がっている。

 

 同時に、窓から飛び出た麻中を手の平に乗せると共に既に展開されている結界の元へと向かう。

 

 そこは裏京都。

 

 京都の裏側であり、見ると、九重を中心に避難誘導していた。

 

 そして、それらを襲っている敵の正体も見える。

 

 それは、前回のニセウルトラ兄弟と同じくゾフィーとエースの2体だった。

 

 眼前にいる2体のニセウルトラマンに対して、両腕を突き上げる。

 

 Zの存在を確認すると共に、偽ゾフィーと偽エースはそのままZに襲い掛かる。

 

 それに対して、Zもまた対抗するように走り出す。

 

 偽エースの拳を腕で受け流し、そのまま反撃に移るが、それは偽ゾフィーによって防がれてしまう。

 

 Zは蹴りを放つが、偽ゾフィーはその攻撃を防ぐと同時に、Zの腕を掴む。

 

 

 

 そしてそのまま、偽エースに向かって投げつける。

 

 しかし、それを予測していたかのように、Zも空中で体勢を整えて着地する。

 

 だが、偽ゾフィーの攻撃はまだ終わっていなかった。

 

 そのまま偽エースに投げつけられたZに対し、追い打ちをかけるように殴りかかる。

 

 だが、それこそがZの狙いだった。

 

 殴られた勢いを利用して、Zは逆に偽ゾフィーへと掴みかかり、そのまま背後へと回り込む。

 

 そして、後ろから羽交い締めにして動きを止めると、そのまま力任せに地面へと叩きつけた。

 

 さらに、偽エースが起き上がるよりも早く馬乗りになると、顔面に向けて何度もパンチを叩きこむ。

 

 だが、そんなZに対して、偽ゾフィーが立ち上がる。

 

 立ち上がった偽ゾフィーはZの顔を掴みあげると、そのまま地面に叩きつけようとする。

 

 それに対し、Zもまた偽ゾフィーの頭を両手で掴むと、思いっきり頭突きを放った。

 

 両者の額が激しくぶつかり合い、鈍い音が響き渡る。

 

 痛み分けとなった両者だったが、先に立ち上がったのは偽ゾフィーの方であった。

 

 偽ゾフィーはフラつきながらも立ち上がろうとするが、そこにZが再び飛び掛かり、今度は肩固めを決める。

 

 完全に極まったその技は、偽ゾフィーの動きを完全に封じていた。

 

 そのまま偽ゾフィーを持ち上げたZは、勢いよく地面へと思い切り叩きつける。

 

 そして、再び持ち上げると、また同じように叩きつけようとする。

 

「っ!」

 

「しまったっ!」

 

 聞こえた悲鳴。

 

 それと共に目を向けると、偽エースが九重に向けて、攻撃を放とうとした。

 

 それによって、Zに油断ができた。

 

 偽ゾフィーは、その隙を突いて、Zに向けて、拳を振るう。

 

 無防備となったZには、大きなダメージであった。

 

 すぐにZは立ち上がろうとするが、偽エースが、人質を取るように構えていた。

 

「ぐっ!」

 

 尊敬するエースの姿を摸した偽エースによって、危機的状況に陥るZ。

 

 そんなZに対して、偽ゾフィーは容赦なく攻撃を続ける。

 

 一方的に攻撃を受け続けるZ。

 

 このままではまずいと悟った。

 

 しかし、人質がいる状態では。

 

 そう、考えていた時だった。

 

「君にも既に分かっているはずだ」

 

 それと共に麻中のディメンションナイザーから聞こえた声。

 

「君も、戦う相手に様々な事情があるのを知った。

 

 それでも、君は護る為に戦う。

 

 その気持ちがあれば、俺達、ウルトラマンは力を貸す。

 

 それを今こそ、証明してくれ」

 

 ディメンションナイザーから聞こえた声。

 

 その言葉を聞くと、麻中の手は自然と力を込める。

 

 同時に、そのままディメンションナイザーを構える。

 

「今ならば、戦ってくれる!」

 

 それと同時に構える。

 

『ディメンションロード! ウルトラマンA!』

 

 鳴り響く音声。

 

 それと共にディメンションナイザーから光が溢れ出る。

 

 その光は、そのまま真っ直ぐと偽エースを吹き飛ばす。

 

 吹き飛ばされた偽エースは、偽ゾフィーを吹き飛ばした。

 

「まだ、諦める時じゃないぞ、Z」

 

 同時にZの隣に立つ存在。

 

 その存在に、その場にいた全員が確かに知っていた。

 

「A兄さん!」

 

 その戦士の名はウルトラマンA。

 

 偽エースの元となったウルトラマンだった。

 

「奴らは私とゾフィー兄さんの能力をコピーしている。

 

 だが、ウルトラマンの心まではコピーはできていない。

 

 ならば、負ける訳にはいかない!」

 

「はいっ!」

 

 Aの言葉に対して、Zは強く頷き、構える。

 

 それと共に偽ゾフィーと偽エースもまた立ち上がり、構えていた。

 

 そうして戦いが始まるのであった。

 

 まず、偽エースはAに向かって、襲い掛かる。

 

 全く同じ容姿をしている二人の格闘戦。

 

 それは互角であり、どちらにも決め手はない。

 

 偽エースは、そのまま後ろに下がり、後ろに体をひねり、振り向きざまに両腕をL字型に組んだ右腕からメタリウム光線を放とうとした。

 

「バーチカルギロチン!」

 

 だが、Aはそれよりも素早く放った切断光線である、バーチカルギロチンで、偽エースの右腕を斬り裂く。

 

 斬り裂かれた腕からは機械の部品やオイルが流れ出ていた。

 

 そして、その隙を狙っていたのか、偽ゾフィーが背後から襲いかかってきたのだ。

 

 偽ゾフィーの攻撃がAに当たりそうになった。

 

 だが、それをZが受け止める。

 

「お前の相手は、俺だ!」

 

 その叫びと共に、Zは腕を大きく振り上げて、殴り飛ばす。

 

 吹き飛ばされた偽ゾフィーだったが、すぐに立ち上がる。

 

 偽ゾフィーは、ロボットであるはずだが、怯んだ様子が見られる。

 

 そんな偽ゾフィーに対して、Zは蹴りを放つ。

 

 蹴りを食らった偽ゾフィーは大きく後退するが、反撃として、偽ゾフィーは光線を放った。

 

 Zはその攻撃を防御して、反撃にパンチを放つ。

 

 圧倒的なパワーでねじ伏せられ、偽ゾフィーは吹き飛んだ。

 

 偽ゾフィーは、すぐに立ち上がり、攻撃に転じる。

 

 偽ゾフィーの猛攻に対し、Zも応戦する。

 

 拳や足を使った攻撃の応酬が続く。

 

 しかし、偽ゾフィーは、押され、そして、Zはそのまま偽エースに向けて、投げる。

 

 二人の偽ウルトラマンが激突し、そのまま地面に叩きつけられる。

 

「決めるぞ、Z!」「えぇ、A兄さん!」

 

 それと共に構える。

 

 AとZは、両手を上に構える。

 

 それと共に、Zの頭にあるウルトラホールにエネルギーが集まる。

 

 そのまま、集まったエネルギーで片手に光球を生成してそのまま砲弾投げのように真っ直ぐと偽ゾフィーと偽エースに向けて投げる。

 

 その攻撃に対して、2体の偽ウルトラマンは反撃する事ができず、そのまま爆散する。

 

「はぁはぁ」

 

「ほぅ、あれが本物のウルトラマンAか。

 

 なるほど、ロボットでは敵わないという訳か」

 

 聞こえた声。

 

 それと共に見つめた先にいたのは、かつて麻中と相対した人物だった。

 

「お前、なんでこんな事を」

 

「人間が、異形の存在にどこまで挑戦できるか知りたい。

 

 そう言ったら」

 

「それだけか」

 

「あぁ」

 

「そうか。

 

 ならば、お前は、俺の敵だ」

 

 そう言い、麻中はディメンションナイザーを構える。

 

「お前が言う人間の可能性。

 

 それは反対に人間の可能性を狭くする。

 

 戦いだけが、人間の可能性じゃない」

 

「ほぅ、言うな。

 

 正直に言えば、君には仲間になって欲しい所だが、その様子では無理そうだな」

 

「あぁ、断らせて貰う」

 

「ならば、ここで少しだけ戦闘不能にさせて貰うよ。

 

 君は、厄介だからね」

 

 その言葉と共に、手に持った槍を構える。

 

「ならば、見せてやるよ。

 

 人間の可能性を、そのほんの一部をな」

 

 同時に麻中は構える。

 

 ディメンションナイザーを通じて、新たに召喚する事ができたウルトラ兄弟。

 

 彼らを通じて、得た新たな力を。

 

 同時にウルトラマンZとウルトラマンAはそのままディメンションナイザーに戻る。

 

 そして

 

『ディメンションウェア! ウルトラマン』

 

 その音声と共に、麻中を中心に光輝く。

 

 ディメンションナイザーは、そのまま麻中の胸元に来ると、それを中心に鎧が形成される。それは、どこか近代的であり、ロボットを思わせるアーマー。

 

 それには、麻中と対峙する曹操は笑みを浮かべる。

 

「君は、一体何者なんだ」

 

 その答えは、胸元にある青いランプを光らせながら。

 

「今は、ウルトラマンだ」

麻中と一体化しているウルトラマンは

  • ギンガ
  • ビクトリー
  • X
  • オーブ
  • ジード
  • ロッソ
  • ブル
  • タイガ
  • ゼット
  • トリガー
  • デッカー
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