17時頃、学生達が既に帰り道で賑わっている時。
居酒屋のカウンター席に二人の男がいる。
学生服を身に纏っている青年であり、その目の前には未成年だからか、ソーダが一杯、置かれている。
その隣にいる男性はスーツであり、青年よりも年上である事もあり、熱燗を飲んでいる。
「君は、こういう店は来るのは初めてかな、麻中君」
男性は、そのまま隣の席に座る青年、麻中に問いかけるように言う。
それに対して、麻中はソーダを一口だけ飲むと。
「普段からは来ないよ。それで、お前は何の目的で俺と話をしにきた、メフィラス星人」
そう、麻中は、人間に擬態している宇宙人、メフィラス星人に向けて、問いかける。
「言ったはずだ、これは私の純粋な興味だと……私は君の事を知りたいだけだ。何せ、地球を守るヒーローの一人だ。そんな存在からすれば、この世界の住人達はどのように映っているのか、それが気になったんだ」
そして、麻中の問いに対して、メフィラスは素直に答える。
しかし、それはただ単に好奇心だけで来た訳ではない。
それは、メフィラスと言う人物の性格的に分かるだろう。
それでも、麻中は警戒を続けた。
メフィラス星人は、過去に何度もウルトラマンと激戦を繰り広げた強敵。
彼自身が、別の宇宙から来たメフィラス星人だとしても、油断してはいけない相手である事は間違いない。
だからこそ、麻中は決して、視線を逸らさない。ただ単純に眼前の相手を観察するように見つめていた。
居酒屋という空間の中で、お互いの間に沈黙が訪れる。
ただし、それは険悪な雰囲気とは程遠いものであり、穏やかとも言えるものだ。
ただ単に話をするだけの時間が続く。その間にも店内では常連客の声や店員の接客などが聞こえてくる。
そんな中で、先に声を上げたのはメフィラスだった。
「……ふっ、まあ良いさ。私は暴力が嫌いだからね。それに酒が入っているからね」
そうメフィラスは口にすると、カウンターに置かれた徳利を手に取り、中身を空けてしまう。
「私にとっては、酒を呑むというのはの楽しみだからね」
「…………」
その言動からも分かる通り、メフィラスは地球人への理解が深い。
勿論、メフィラス自身にも考えがあっての事だが、少なくとも表面上は友好的に接していると言える。
それだけでも、やはりメフィラス星人に対する評価は高いものであった。
しかし、麻中にはまだ疑問が残る。それをここで改めて聞いてみたのだ。
「それで、お前の所の目的はなんだ?」
「アブソリューリアンの目的は、既にあなたも知っている通りです。
ですが、アブソリューティアンの巫女は、目的は違うようですが」
「それは知っている。
お前は、それを何か知っているのか?」
「……そうですね、彼女は人間に対しては敵意はありません。それこそ、あなたを気に入っているらしいです」
「だったら、なぜ」
「そこは君が直接聞くと良いでしょう。
さて、ここの料理もなかなかに満喫できました」
と、そんな事を考えている内にメフィラスは会計を済ませてしまったようである。
それにしても早いと感じつつも、自分も少し急いでしまった。
そのお陰か、まだ勘定は終わっていなかったようで安心する。
(……)
店の外に出ると同時に、メフィラスは自分の姿を変化させた。
その姿は先程までの人間形態ではなく、全身が黒く、手足や胴回りが細身なのが特徴な姿だった。
それはメフィラス星人の特徴を色濃く表した形状だ。
この姿こそ、メフィラス星人の本当の姿だろう。
「始めましょう、これも私の仕事ですので」
それが、既に戦いは避けられない事を理解できた。
「どうしてもか」
「えぇ、残念ながら。
ですから、見せてください、あなたとウルトラマンの力を」
そのメフィラスの言葉に対して、麻中もまたディメンションナイザーを構える。
「行きましょう、マックスさん」
『ディメンションロード! ウルトラマンマックス!』
鳴り響く音声と共にディメンションナイザーから飛び出たウルトラマンマックスは、そのまま眼前のメフィラス星人を見つめる。
夕焼けに染まる街をバックに、マックスとメフィラスの2体の巨人が向き合う。
それと同時に、戦いが始まる。
マックスの、その最速の動きが、メフィラスに迫る。
それをなんとか見る事ができたメフィラスは、すぐに対応する。
マックスよりも速く動く事ができないメフィラスだが、その無駄のない動きで、マックスの攻撃を受け流す。
そして、そのまま、カウンターを決めるのだ。
マックスは、そのカウンターの攻撃に対しても、真っすぐと受け止める。
同時に、すぐに大きく蹴り上げる。
メフィラスは、身体が上へと浮き上がり……そこからまたもや、下から振りかぶるようにして、マックスの右拳を振り払う。
それは、まるでスローモーションのようにゆっくりとした動きで……しかし、それだけに迫力があった。
そして、その瞬間だった。
何が起きたのか分からないほど、一瞬の間に、メフィラスの腕が、マックスの視界から外れていた。
マックスの目には見えなかったのだ……。
「っ!」
それは、一瞬だけ視界から逸らした事で、メフィラスがアッパーを行うように拳を突き上げている事に気付けなかった。
「知略に長けているというのは、本当に厄介だな」
純粋な戦闘力は高く、そして知略も長けている。
それでも。
「諦める訳にはいかない」
その麻中の言葉と共鳴するように、マックスの動きはさらに加速した。
まるで、麻中とマックスが一つになったように。
その動きは先程とは比べ物にならない程に、残像を残す程の速さで。
「これは、まさかウルトラマン自身の潜在能力を解放させている! ディメンションナイザー、実に興味深い!!」
そう言うや否や、メフィラスはそのまま拳を握って突き出した片腕から放つ必殺光線グリップビームを放つ。
同時に、マックスの右腕にはマックスギャラクシーを装着すると共に、そのマックスギャラクシーにエネルギーを貯める。
そのまま、互いに必殺光線を放つ。
互いの放たれた光線は、拮抗しており、
数秒にわたってぶつかり合ったが……やがては爆発し、双方のビームが相殺されると同時に消滅した。
それと共に、互いに無傷の状態だった。
「……既に戦いの決着はついた。
私の中にあるアブソリュート粒子も、既に消えているからね。
これで仕事は完了した」
「……お前はこれからどうするだ」
「私はここで失礼するよ、これ以上は危険だからね」
その言葉と共に、メフィラスはその場から姿を消す。
それが、確かな戦いの終わりを迎えた事が分かる。
『麻中、君も気づいているだろ』
「えぇ、マックスさん。
おそらく、学園祭で、戦うのは」
マックスからの言葉に対して、麻中は頷く。
これまでにない、激闘に対して、警戒しながら。
麻中と一体化しているウルトラマンは
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ギンガ
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ビクトリー
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X
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オーブ
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ジード
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ロッソ
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ブル
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タイガ
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ゼット
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トリガー
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デッカー