一誠は、その光景を見て、後悔した。
先日の戦いで、目の前でアーシアが攫われてしまった。
自分を殺した相手である堕天使を前に、手も足も出せなかった。
殺された恐怖が、止めていた。
それによって、友達を、助ける事ができなかった。
「なんで、なんで、こんな時にっ」
そう、一誠は、思わず叫んでしまう。
それと共に、一誠の横に立っていたのは、麻中だった。
「お前っ、今まで、どこにっ」
「色々あった。
それよりも、俺に何の用なんだ」
「何もあるかよっ、お前が、ウルトラマンが、早く来てくれなかったから」
「来てくれなかったら、なんだ?
それよりも、ウルトラマンって、何の話だ」
そう言いながら、麻中は変わらない様子で、一誠に言う。
「お前が来るのが遅かったせいで、アーシアが攫われた。
お前が早く助けに来てくれなかったら」
「お前は、何もしなかったのか」
「っ」
その言葉に、一誠は、何も言えなかった。
いや
「俺なんかに何ができるんだっ」
そう、一誠は、手を強く握り絞める。
「さぁな。
けど、始めから他人頼りにしている奴には、誰も助けてくれないさ」
「っ」
その言葉と共に、一誠は目を見開く。
「まぁ、俺は結局、そのウルトラマンというのが、なんだか分からないけどな」
同時に麻中はそのまま去って行く。
なぜ、彼がここにいたのか、一誠は分からない。
それでも。
「あぁ、そうだよな。
俺の友達はっ俺が、助けないと!!」
その言葉と共に、その決意が動かした。
一誠は、それと共にアーシアを助ける為に動き出す。
やがて、一誠の動きは、アーシアを助ける為に動き出した。
それを、麻中は見つめていた。
「・・・俺も、人の事は言えないのにな」
そう、自虐にも似た声を言いながら、見つめる。
それに対して、応える声は、本来ならばなかった。
だが。
『それでも、君は誰かの為に戦う。
その心が、僕達を確かに呼んでいる』
そう、ディメンションナイザーから聞こえた声が、麻中は。
「だったら、俺は。
その期待に応えるように。
そして、せめてあいつが自分の意思で貫けるのを見届ける」
それと共に感じた違和感。
同時に見つめた先には、一誠達が、アーシアを助けようと、乗り込んだ教会からだった。
その違和感の正体はすぐに分かった。
それは、巨大な石を思わせる何かであり、その姿を見せた存在が、空間を歪ませる。
「ブルトン、厄介な奴が出てきた」
その周囲は、これまでの結界以上に、異質な空間へと変わっていた。
それは、まるで、その周囲にいる者達を惑わせる事に特化するように、歪んでおり、その場にいる全員が、困惑を隠せない様子だった。
「悪いが、覚悟を決めた兵藤達の邪魔はさせない」
『だったら、行こう、麻中君』
そう、麻中は頷きながら、その手にはディメンションナイザーを手に持っていた。
同時に、麻中の腰になるカードケースから、まるで意思を持つように現れたカードを、その手に持つ。
「未来を築く、希望の光!!ウルトラマン…トリガーッ!!!」
『ディメンションロード!ウルトラマントリガー!』
その叫びに合わせるように、ディメンションナイザーから出てきたゲート。
そのゲートから飛び出てきたのは、ウルトラマントリガーは、そのまま現れると共に、目の前にいるブルトンへと目を向ける。
『悪いが、これ以上、お前の好きにはさせない!』
同時に、ウルトラマントリガーは真っ直ぐとブルトンへと接近する。
ブルトンは同時に、ウルトラマントリガーの存在に気づくと共にブルトンは体表の孔から四次元繊毛を出し、ウルトラマントリガーを無理矢理転移させる。
勢い良く、空を飛んでいた事もあってか、ウルトラマントリガーは、そのまま地面へと叩きつけられる。
『「ぐっ」』
ウルトラマントリガーが地面に叩きつけられると同時に、その同箇所を痛むように麻中の顔は歪む。
しかし、ウルトラマントリガーはすぐに反撃するように、その手には専用武器であるサークルアームズを手に、構える。
ブルトンは、さらに追撃するように、四次元繊毛を動かし、無数の光線をウルトラマントリガーに放っていく。
『麻中君!』
「あぁ!」
同時に麻中はディメンションナイザーに新たなカードをスキャンする。
『ディメンションロード!GUTSスパークレンス』
音声が鳴り響くと同時に、麻中の目の前には機械の銃が浮かび上がる。
それを手に取る。
それと共に麻中の手には、かつての戦いで仲間となったゴモラのカードがGUTSハイパーキーへと変わると共に、GUTSスパークレンスにセットする。
『BOOSTUP!ショックウェーブ!』
鳴り響く音声と共に、麻中は構える。
その狙いはブルトンの四次元繊毛。
それを察したブルトンは、麻中に向けて、攻撃を仕掛ける。
『させない!!』
同時にウルトラマントリガーは、その手にあるサークルアームスの刀身に光を纏わせると共に、襲い掛かる攻撃を切り払う。
そして、その四次元繊毛に向けて、真っ直ぐと銃口を合わせる。
それと共に、引き金を引く。
放たれた、超振動波は、ブルトンの四次元繊毛を破壊した。
それに、戸惑いを隠せないブルトンに対して、ウルトラマントリガーは、すぐに構える。
両腕を前に突き出し交差させてから大きく横に広げてエネルギーを溜める。
『「ゼペリオン光線!!」』
その際、光のラインが広がりながら、トリガーはL字に構えて放つ。
その一撃を食らい、ブルトンは消滅する。
「ふぅ、ありがとうございます!
ケンゴさん」
『また、助けが必要な時は、呼んでね』
その言葉と共に、ウルトラマントリガーはディメンションナイザーを通していなくなる。
「ふぅ、さて、今は」
そう言いながら、麻中は教会へと目を向けると。
「アーシアァ!!」
聞こえた絶叫。
それと共に見えたのは、裸鼠を思わせる怪獣、ノスフェルが現れた。
「本当に悪趣味だな」
麻中と一体化しているウルトラマンは
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ギンガ
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ビクトリー
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X
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オーブ
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ジード
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ロッソ
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ブル
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タイガ
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ゼット
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トリガー
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デッカー