一誠は教会で戦った。
麻中の言葉に感化された事もあった。
そして、何よりも、自分の友達であるアーシアを助ける為に戦った。
しかし、教会で辿り着いた瞬間には、あと僅かだった。
「ふふっ、あと少しで、この神器は、私の物になるわ」
「アーシアをっ離せっ!」
そう、一誠は、その身に宿る神器を、発動させ、向かって行く。
それに対して、堕天使レイナーレは、その手には黄金の召喚器があった。
「実験には丁度良いわ」
『モンスロード!ノスフェル!』
鳴り響く音声と共に一誠はすぐに警戒するように構える。
だが、次の瞬間、その場にいた全員が予想もしていない状況が起きた。
「えっ、何よこれっ」
そう、レイナーレが言っている間にも、召喚器から出てきた黄金のカードは、上に現れると共にレイナーレに降り注ぐ。
同時にその姿は徐々に変わっていく。
内側から書き換わるように、徐々に肉体が膨れ上がる。
「聞いていないわっ私はっ至高のっ」
その言葉を最後に、おそらく堕天使としてのレイナーレは完全に死んだ。
同時にレイナーレだった物は、そのまま膨れ上がり、まるで裸鼠を思わせる怪物ノスフェルへと変わる。
「なんだよっ、あれはっ!」
そう言っている間にも、ノスフェルの視線は周りを見渡す。
同時に、その舌先を真っ直ぐと伸びた。
「えっ、何できゃぁあ!!」「そっそんなっ!!」
そう疑問に思っている間にも、一誠以外に教会にいたはぐれ悪魔祓いや同族であったはずの堕天使を次々と喰らう。
ぐちゃりぐちゃりと気味の悪い音を響かせながら、その身体から出てきたのは、人間によく似た気味の悪い存在ビーストヒューマンだった。
「っ」
それは、とても人間ではない。
その恐怖に、一誠は身体が竦む。
しかし
「俺はっもぅ恐怖に屈しないと決めたんだ!!」
「その通りだね、一誠君」「・・・少しは見直しました」
その言葉と共に、一誠に襲い掛かろうとしたビーストヒューマンの攻撃を木場の魔剣が鉤爪を受け止め、小猫が吹き飛ばす。
「この状況。
さすがに放っておけないわね」
「部長!」
見ると、そこには一誠の主であるリアス・グレモリーだった。
「あそこにいる怪獣は、既に堕天使の勢力とは関係ない。
ならば、街を守る為に戦えるわ」
「はいっ」
その言葉と共に、一誠は真っ直ぐと走り出す。
見つめた先には、ノスフェルがまるで悪趣味に見せるように、アーシアを額に貼り付けにしている。
それは、まるでキリストの磔刑の十字架のように貼り付けられているアーシア。
そのアーシアを助ける為に、一誠は走り出す。
上を見上げる程に巨大なノスフェル。
そのノスフェルからアーシアを取り戻す為に真っ直ぐと走る。
人間の頃ならば、不可能だった。
だが、悪魔となった事で身体能力が上がった一誠。
そして、悪魔の駒の力によって、女王へと切り替えて、そのまま向かって行く。
ノスフェルは、すぐにビーストヒューマンが襲い掛かろうとする。
だが、それに対して、木場や小猫達が、邪魔をする。
それでも、真っ直ぐと、アーシアの元へと向かう。
ノスフェルは、それに対して、巨大な口を開き、一誠を喰らおうとした。
それに対して、一誠は想像する。
その手には彼が宿した神器、龍の手が現れる。
しかし、その形は、一誠の覚悟に応えるように変わる。
そして、その構えは、一誠にとっては初めて見たウルトラマン。
ウルトラマンメビウスが放った技を模倣するように構える。
「ふっとべぇ!!」
それと共に、龍の手、赤龍帝の籠手から鳴り響く音と共に、ノスフェルの口内は弾け飛ぶ。
同時に十字架に縛られたアーシアは、その衝撃から解放され、そのまま一誠が抱き上げる。
「アーシアっ」
僅かに息がある。
それは、彼女から神器を奪う為に、わざと生かしていただろう。
その事情を知らない一誠だが、安堵する。
しかし、その最中。
「イッセー!」
聞こえる声。
見ると、ノスフェルは瞬く間に再生、その鉤爪は、地面に落ちる一誠に向かって、振り下ろそうとした。
「こんな所でっ」
そう、考えた時だった。
『ディメンションロード!ウルトラマンZ』
聞こえた音声と共に、その鉤爪は届かなかった。
突然現れた光の刃によって、それらは斬り刻まれ、同時に地面に落ちる一誠を受け止める手があった。
「あれは」
「ウルトラマン」
そこに現れたのは光の巨人だった。
胸には特徴的なZのマークが刻み込まれているカラータイマーがあり、鎧を身に纏っている。
その名もウルトラマンZ。
ウルトラマンZは、一誠達を受け止めると共に、地面へとそっと降ろす。
同時に、ノスフェルへと向けて、構える。
ノスフェルは、その事が気に食わないのか、すぐにその鉤爪で攻撃を仕掛けてくる。
それに対して、ウルトラマンZは、瞬時に蹴り上げる。
軽やかな動き。
同時に頭部のトサカの横にあるスラッガー状の部位から三日月状の光刃を飛ばす。
その光刃を連結させ、まるでヌンチャクのように操り、迫るノスフェルを斬り刻む。
まさに神業と言うべき動き。
しかし
「あの怪獣。
異常な再生能力を持っています」
そうしながら、迫るヒューマンビーストを対応しながら、姫島は呟く。
「えぇ、先程の一誠が吹き飛ばした頭部も既に再生されている。
厄介な敵なのは、間違いないわ」
「けど、どうやって」
そう考えていた時だった。
ウルトラマンZの身体に光が宿る。
それは先程までの青一色から一変、複雑な模様が多く刻まれた姿へと変わる。
「姿が変わった」
「あれって、確か」
一誠自身も、以前、見た事のある。
ウルトラマンダイナが色を変えた。
それと同じだと思った。
しかし、次の瞬間、驚くべき光景が広がった。
ウルトラマンZが指パッチンを行うと同時にウルトラマンZの身体から現れたのは、3人のウルトラマン。
その中には、一誠自身も目撃したダイナの姿もあった。
「えっ、どっどういう事なんだっ」
驚きを隠せない一誠を余所に次々と動いていく。
ウルトラマンティガは瞬時に、スカイタイプへと変身すると同時にその手から放った冷気で瞬く間にノスフェルを凍らせる。
凍らせ、身動きが取れなくなったノスフェルに対して、ダイナもまたミラクルタイプへとタイプチェンジすると共に、そのままノスフェルを宙へと浮かせる。
それによって、完全に身動きが取れなくなったノスフェルに対して、ウルトラマンZとウルトラマンガイアは同時に構える。
「ゼスティウム光線!」
ウルトラマンZがゼスティウム光線を、ウルトラマンガイアが放ったフォトンエッジによって、ノスフェルは、その細胞を残さず倒される。
「まさか、ここまでなんて」
そう、言っている間にも、ウルトラマンZの姿は徐々に消えていく。
「ありがとうな」
そう言いながら、ゆっくりと一誠は、疲れと共に気絶する。
麻中と一体化しているウルトラマンは
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ギンガ
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ビクトリー
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X
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オーブ
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ジード
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ロッソ
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ブル
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タイガ
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ゼット
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トリガー
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デッカー