名前の由来は前作でも書きましたが、僕自身が大ファンだったニューヨーク・ヤンキースの「マリアノ・リベラ(Mariano Rivera)」投手です。
ストーリーとしては、ゲームのドラゴンクエストVIの本気ムドー討伐以降をベースにしていますが、作品にするにあたり、自分オリジナルのアイデアを色々取り入れました。
ゲームとはまた違った展開を楽しんでいただければ幸いです。
なお、前作でもそうでしたが、僕は作中でザオラル(ザオリク)などの蘇生手段や、ザキ(ザラキ)などの即死手段をNGにしており、死に関する記述を避けています。
魔王ムドーを倒すためにムドーの城にやってきたリベラ、ハッサン、ミレーユ、チャモロの4人は、途中で出会ったモンスター達に苦戦しながらも、どうにか奥深くまでやってきた。
(事前に念入りな準備をしてはきたけれど、このままではまずいな。この状態で本当にムドーに勝てるんだろうか…。)
リベラは勇気を振り絞って前進しながらも、何か嫌な予感を感じ取っていた。
そんな中、一行はある部屋に入っていき、ヘルビーストと戦闘をした。
この敵はタフな上にラリホーマまで使うため、戦闘が長引いてはまずいと考えたリベラはみんなで一斉攻撃を仕掛けて1ターンで倒し、元の像に戻した。
結果的にHPとMPを温存出来てほっとしていると、リベラはその先に宝箱が一つ置いてあるのを見つけた。
「何だろう?あれは。」
彼がその場所に行き、箱を開けると中には炎のツメが入っていた。
「うおおっ!こいつは役立ちそうだな。」
ハッサンはそれを見るなり大きな希望を見出し、その場ではがねの剣から炎のツメに持ち替えた。
結果的に攻撃力が大幅に上がったことを受けて、彼は直後のようじゅつしとの戦闘で、これまでを大きく上回るダメージを叩き出した。
さらに次の戦闘ではどれいへいしに対してメラミを発動させ、一撃でダウンさせた。
「これはすげえ武器だ!ムドー討伐の切り札になるぜ!」
彼は直前に身に付けたせいけん突きと合わせて、自身が誰よりも大活躍出来ることを予感していた。
ムドーがいる場所の直前まで来た時、リベラは作戦会議を開いた。
そして自身が持っている破邪の剣をミレーユに渡し、炎のツメを自分に持たせてほしいと申し出た。
「えっ?何でだよ!せっかく俺の攻撃力が飛躍的に上がったのによ!」
「私は呪文メインだったから、何だか恐れ多い気がするけれど。」
ハッサンとミレーユはリベラの決断に納得が出来ずにいた。
「実は僕、メラミ専門で攻撃をしたいんだ。頼む。」
彼はそうお願いをすると、自身が持っていたゲントの杖をハッサンに渡した。
「僕はアモールの水を持っているからこれで全員が回復役になれる。それにミレーユが破邪の剣を持っていればきっとダメージも増えるし、モーニングスターを持っているチャモロも含めて全員で総攻撃も出来る。とにかく、僕としてはありとあらゆる場面を想定したいんだ。だからお願いだ。受け入れてくれ。」
「…分かったよ。お前がそこまで言うのなら…。」
「確かに色々な場面は想定しておいた方がいいでしょうね。」
「そうですね。いつも4人全員で行動出来るとは限りませんから。」
ハッサン、ミレーユ、チャモロはリベラに対して納得出来ない一面はあったが、最終的には受け入れてくれた。
そしてHPを全回復させた後、トルッカで手に入れた祈りの指輪が壊れるまで使い続けてMPを回復させ、奥へと向かっていった。
「いつまでも夢を見てればよいものを!バカな奴め!」
最深部で一行を待ち構えていたムドーは、不気味な笑みを浮かべながらそう言うと、切り裂きピエロを呼び出した。
(ついに始まったか。正直、怖い。出来ることなら逃げ出したい。でも逃げるわけにはいかない。この時のために今まで旅をしてきたんだ。だから絶対に倒す!)
リベラは自分を奮い立たせると、炎のツメを道具使用して切り裂きピエロを攻撃した。
その切り裂きピエロは反撃とばかりにリベラを攻撃してヒットさせてきたが、チャモロの通常攻撃を浴びてダウンした。
一方、ハッサンはせいけん突きで、ミレーユは通常攻撃でムドーを攻撃した。
その後、リベラとハッサンはメラミとせいけん突きを繰り返し、ミレーユとチャモロは通常攻撃をしながらも、段々回復役に徹するようになった。
そして激闘を繰り広げた末にどうにかムドーと切り裂きピエロを打ち破った。
(どうかこれで終わりにしてくれ。)
既にリベラは体のあちこちに痛みが走る状態だっただけに、何とか戦闘が終わってくれることを心から願った。
しかし次の瞬間、彼の希望ははかなくも打ち砕かれ、「ぬおおおーっ!かーっ!」という怒号とともに、ムドーは本気を出してきた。
(そんな…。こっちはもうボロボロなのに。まだ戦わなければならないのか…。)
リベラは一瞬放心状態になってしまった。
それは他のパーティーメンバーも同じで、今にも心が折れそうになった。
とはいえ、ここで弱気になってはなす術なくやられてしまう。
やるしかない。たとえこれで戦えない体になったとしても!
4人は必死に気持ちを立て直した。
戦闘になると、ミレーユとチャモロはベホイミでそれぞれ減っていたリベラとハッサンのHPを回復させた。
リベラはメラミを放ち、ムドーにかなりのダメージを与えた一方、ハッサンのせいけん突きは外れてしまった。
(これじゃ俺ははがねの剣で通常攻撃をするしかねえじゃねえか!くっ!もし俺が炎のツメを装備していれば、もっとダメージを与えられたのに、お前のせいで!)
彼はリベラの作戦のせいで自分の活躍の場が奪われた気持ちになり、頭に血がのぼってしまった。
すると、ここでムドーは恐るべき行為に打って出た。
「くらえ!氷の息!そして稲妻!」
その2度攻撃は相当なもので、4人は一気に全滅寸前になるほどのダメージを受けてしまった。
「まずい!ここは全員で回復だ!」
リベラはみんなに指示を出すと、自身はアモールの水で自身のHPを回復させた。
そしてミレーユとチャモロはベホイミで、ハッサンはゲントの杖で自身のHPを回復させた。
その間にもムドーは容赦のない攻撃を繰り出してきて、体勢を立て直す邪魔をしてきた。
幸いメラミはまともに通るため、リベラはアモールの水を使う時以外はひたすらメラミ攻めをすることにした。
そしてハッサンは攻撃と回復を兼任、ミレーユはベホイミを唱えながら隙を見て攻撃、チャモロはMPが続く限りベホイミを唱える役割を買って出た。
ムドーはその後も高い攻撃力に物を言わせた通常攻撃に加えて、あやしい瞳で眠り攻撃をしたり、まぶしい光でこちらの攻撃の命中率を下げてきた。
そのため、誰かが一時的に行動不能の状態になったり、メラミ以外の攻撃が当たりにくくなったりと、なかなかこちらの思い通りの展開にはならなかった。
しかもあるターンで再び目を覆いたくなるような2度攻撃をしてきたため、またも全員で回復を迫られてしまった。
(もうこちらは限界だ。あと1、2ターンで決着をつけなければ確実にやられてしまう。早くHPを削り切らなければ。でも僕には攻撃手段がメラミしかない。かくなる上は!)
リベラはこのターンで倒せなければ、ハッサンに捨て身で攻撃することをお願いした。
「お前なあ!俺のことを何だと思っているんだ!」
ハッサンは炎のツメを使わせてもらえなかったことも重なって、とうとう不満が爆発し、戦闘中にもかかわらずリベラに詰め寄ってきた。
「ちょっとこんなところでやめなさい!」
「相手に隙を見せることになりますよ!」
ミレーユとチャモロは大声で止めに入った。
「ごめん、2人とも。でも、もう早期決着でしか勝てる見込みは無い。ハッサン、頼む!」
「そうか!そこまで言うのならやってやるよ!だがよ、その時はお前の炎のツメを貸せ!そうすれば捨て身だろうが何だろうがやってやるよ!」
彼は頭に血がのぼりながらも、何とか協力をしてくれた。
そしてこのターンはみんなで総攻撃をすることにした。
しかしその矢先にミレーユとチャモロが攻撃も出来ないまま眠らされてしまった。
しかも彼らはHPがあまり残っていなかったため、次のターンでやられるのは目に見えていた。
(こうなったら腹をくくるしかねえな。やってやるぜ!)
ハッサンは覚悟を決め、リベラから炎のツメを奪い取ると、捨て身の攻撃に打って出た。
(これで全体攻撃が来れば俺もやられてしまう!絶対に決めてやるぜ!うおおおおおっ!)
彼は鬼のような形相をしながら渾身の一撃と追加攻撃を叩き込んだ。
「ぐおおおおっ!こ、こんなはずでは…。む、無念だ…。まさかこのワシが人間ごときにやられてしまうとは…。」
それまで不気味な笑みを浮かべていたムドーの表情は明らかに変化し、傷口を抑えながら苦しみだした。
(これで終わった…。これでもう戦わなくて済む…。世界が救われる…。)
リベラは体の痛みでもはや炎のツメさえも使えない状態だったこともあって、心の底からほっとした。
しかしムドーは自分が大魔王の手下の一人にすぎないことや、やがてもっと手強いモンスターが現れてこの世界を支配するであろうことを打ち明けた。
「ククク…。お前達の…望み通りに…ならずに…残念だったな…。所詮…、人間どもは…、我々の前に…屈する…運命なのだ…。」
ムドーは再び不気味な笑みを浮かべると、やがて体が光に包まれていった。
そして全身を包んだその光はやがて四方八方に飛び散っていき、最後には跡形もなく姿が見えなくなった。
「俺達、本当に勝ったんだよな。」
「まさか第3形態とかは無いわよね。」
「多分無いと思いますが…。」
ハッサン、ミレーユ、チャモロはまだ半信半疑の状態だった。
そしてもしもの時に備えて、リベラ達はホイミとアモールの水を使って自身と仲間のHPを回復させた。
しかし、それから時間が経ってもムドーの姿は現れることはなかった。
それによって、4人はようやく本当に戦いに勝ったことを実感した。
「くっ…。」
リベラは一瞬安どの表情を見せたものの、体中の痛みのために顔をゆがませた。
それでも彼は患部を抑えるようなことはせず、みんなに気づかれないようにしていた。
ムドー以外にも魔王はいる…。
自分達の望む平和はまだ訪れない…。
これからも戦闘は続いていく…。
僕達はもっと強くならなければ…。
リベラ達は重い現実を突きつけられながら城を後にしていった。
「あっ、みんな、お帰りっ!無事で良かったわ!本当に無事で…、良かった…。」
命からがら戻ってきた4人を、バーバラは涙ぐみそうになりながら迎えてくれた。
「ただいま。何とか無事に帰ってきたよ…。」
「はっきり言って死ぬほど怖かったけれどな。」
「もう2度とあそこには行きたくはないわ。」
リベラ、ハッサン、ミレーユは精神面まで打ちのめされながらも、彼女の姿を見て癒されていた。
「それじゃ、あなたが使っていたモーニングスターと身かわしの服を返却します。」
「ありがとう、チャモロ。役に立ったなら幸いだわ。」
「ま、まあ…。何とか…。」
彼は回復役に徹することが多かったため、実際にはあまり使っていなかったが、バーバラへの感謝の気持ちは忘れなかった。
そして、バーバラから毒蛾のナイフを返してもらった。
その日の夜。宿屋に泊まると、バーバラはムドーの城でのエピソードについて聞いてみた。
ハッサン、ミレーユ、チャモロが固く口を閉ざす中、リベラだけは隠すことなく打ち明けてきた。
そしてもし自分が参加していたらあっという間にやられてしまい、足を引っ張るだけの結果になっていたことを察知した。
さらに彼の口からは本当の魔王は別に存在し、ムドーはその手下にすぎないことを告げられた。
(そう…。戦いはこれからも続くのね。それは確かにつらいけれど、せめて挽回のチャンスがやってきたと考えることにするわ。)
バーバラはこれまでHPや攻撃力が低い上に呪文も決定打と言えるものが無かったため、何度も足手まといになってしまい、その度に悔しい思いをしてきた。
(何とかして実力をつけなければ…。そしてみんなの役に立たなければ…。)
リベラとの会話が終わった後、彼女はこれまでの状況を打破しようと、自分を奮い立たせていた。
地球の星です。この作品を読んでいただき、誠にありがとうございます。
僕は2022年11月に前回のドラゴンクエストVI二次創作を書き終えた後、ネット上で主人公&バーバラのイラスト、マンガ、小説をたくさん拝見させていただきました。
(ハッサン&ミレーユの作品もいくつか拝見しました。)
2人が一緒になれるもの、引き離されるもの、エンディングとは無関係のものなど、色々あり、彼らを応援してくれる人がこんなにたくさんいるということを知り、本当にうれしかったです。
そして、自分も再び主人公&バーバラの作品を作ってみたくなり、執筆に踏み切りました。
様々な作品を作ってくださった皆様、本当にありがとうございます。
主人公の名前はレックが多かったため、執筆の際、一旦はそれにしようか悩みました。
しかし作品の中には作者オリジナルの名前を採用している人もいましたし、僕も作品によってその名前にあわせて読んでいました。
そう言った経緯から、きっとこの名前を受け入れてくれると思ったため、「リベラ」にしました。