ミレーユとホイミンを連れてダーマ神殿にやってきたバーバラは真っ先に祭壇へと向かっていった。
そして迷うことなく魔法使いに転職した。
(よし。あたしは今熟練度4だから、早く5になってイオラを覚えてみせるわ!そして自分で稼いだお金ではがねのムチを買って、サラさんのように通常攻撃とイオラで戦力になってみせる!)
そこには一時パーティー離脱まで考えていたバーバラの姿は無く、彼女は新たな目標に向かって進んでいく決意を固めていた。
続いてミレーユは盗賊に転職した。
一方、ホイミンはどの職に就けばいいのかを考えていた。
彼はこの時点ですでにホイミを覚えていたため、ミレーユは僧侶をパスして魔法使いになり、まずメラミとラリホーを覚えてはどうかと提案した。
「どうかしら?これは相手に最大80ダメージを与えられるから、ぜひ覚えてほしいんだけれど。」
「そこまで威力があるのなら、僕もぜひ覚えたいです。」
「分かったわ。じゃあ、今から神父さんにそのことを伝えてきてね。」
「はいっ!」
ホイミンは威勢よく返事をすると祭壇に向かっていき、魔法使いになった。
そして外に出て辺りをうろついていると、テールイーター2匹とバブルスライム1匹、ガンコどり1匹に出会った。
この相手ならミレーユのイオで一掃することも出来たが、彼女は突如流し目をしながら色っぽい声で「ベサメムーチョ」と言い出した。
それを聞いてモンスター達は一斉にドキドキし、何を妄想したのか顔を真っ赤にした。
そして我先にミレーユに近づこうとして同士討ちを始めてしまい、勝手に自滅してしまった。(←何じゃそりゃー!byうp主)
(※参考までに言いますと、Bésame Mucho.は「私にたくさんキスをして。」という意味のスペイン語です。)
結果、ホイミンは熟練度を獲得したため、彼はメラミとラリホーを覚えた。
ミレーユ「これであなたにも強力な攻撃手段が出来たわね。」
「そのようですね。」
バーバラ「それじゃ、またダーマ神殿に行くわよ。」
「分かりました。」
ホイミンはミレーユとバーバラに連れられて、再び神殿に入っていった。
「うーん、僕はどの職業が向いているんだろう。たとえ戦士や武闘家になっても今の僕じゃ力不足だし、魔法使いではすぐにダウンしてしまうし…。」
彼はこれといった長所が無いだけに、なかなか決められなかった。
ミレーユ「それなら、盗賊なんてどう?」
「盗賊ですか?でもHPが多少減ってしまいますし、MPと守備力が…。」
「そこはこちらでカバーするわ。それに私達は今アイテム集めをしているの。あなたも加わってくれるとうれしいわ。」
「アイテム集めって?」
ホイミンの質問を受けて、ミレーユはチャモロとアモスがリベラの依頼を受けて、バーバラのHPを伸ばすために命の木の実や、新しい武器や防具を手に入れるために換金用のアイテムを集めていることを伝えた。
「分かりました。バーバラさんは僕に手を差しのべてくれた人ですし、僕も協力します。」
彼はそう言って納得すると、盗賊に転職した。
神殿の外に出ると、バーバラはルーラを唱えてマーズの館に降り立ち、チャモロとアモスの居場所を占ってもらえるようにグランマーズにお願いした。
すると2人は地底魔城におり、アモスは陽気に歌を歌っていた。
『盗賊に転職してから 地底魔城に来たよ
狙うのは木の実だ
フレイムマン フレイムマン カモン!
熟練度も上げておきたいし 経験値も欲しいけど
狙うのは木の実だ
フレイムマン フレイムマン カモン!』
『何ですか?その歌は。』
『あっ、ちょっと「思い◯は◯○万」の替え歌作ってみました。』
『私はその歌を知らないですね。まあ、オンチな声じゃなかったので、良かったです。』
『私って、そんなにオンチなんですか?自分としてはミ◯ちゃんと競い合えると思っているのですが。』
『……。』
「というわけじゃ。お前さん達も早速行ってみるかの?」
ミレーユ「はい、行きます。そして彼らと合流します。」
「分かった。では、わしからのプレゼントとしてブーメランを渡すことにする。新しいアイテムを手に入れるまでの間、ホイミンが使うと良かろう。」
「ありがとうございます!」
ホイミンは頭を下げてお礼を言うとそれを受け取り、早速装備した。
ミレーユ「おばあちゃん、防具はないの?」
「現地で手に入るからそれは心配無用じゃ。」
「どんな防具なの?」
「それは行ってみてのお楽しみじゃ。」
「分かったわ。行って確かめてみるわね。」
「じゃあ、あたしが地底魔城まで送ってあげるわね。」
ミレーユ「それは助かるわ。」
ホイミン「お願いします。」
「OK!」
バーバラは一緒に館の外に出るとルーラを唱えて飛び立っていき、現地でミレーユとホイミンと離れてアークボルトに戻っていった。
一人と一匹は内部に入っていくと、少し進んだところでチャモロとアモスに合流した。
ミレーユ「2人とも、こんにちは。」
チャモロ「こんにちは。」
「そのホイミスライムさんは?」
アモスの質問を受けて、ミレーユはバーバラが彼にホイミンという名前を付けて仲間に加えてくれたことを話した。
「バーバラさん、優しいですね。」
「私もモンスターに変身する能力を持っている身ですし、仲良くしましょう。」
アモスはそう言うと早速変身した。
「わーーっ!」
ホイミンはその大きな姿を見て、思わず叫び声を上げた。
「ほーら、こーんなことも出来るんですよ。だから、仲良くやっていきましょう。」
アモスが得意げに話す姿を見て、ホイミンは自分だけが仲間外れではないことを実感し、このパーティーのために頑張ろうという気持ちになった。
チャモロ「あっ、そうだ。私達、ここに来る前にくものきょじんから身かわしの服をもらったんですよ。」
「それで、チャモロさんはすでにこれを身に付けているし、ミレーユさんもバーバラさんも持っているから、売ろうかなと思っていたんですけれど。」
「それならちょうどいいわ。ホイミンに渡してあげようかしらね。」
「僕に?」
「そうよ。装備してみる?」
「はいっ!お願いします!」
ホイミンは喜んでそれを受け取り、装備した。
そして彼らは全員盗賊の状態で30分間城内を探索した。
この日、手に入れたアイテムはキメラの翼と薬草が2つずつ、鉄の杖と絹のローブ1つずつ、そして500ゴールドだった。
(※命の木の実は手に入れられませんでした。)
彼らはリレミトで外に出てくると、キメラの翼でゲントの村へ行き、お金に換えた。
そして、そこの宿屋に泊まることにした。
彼らは翌日も地底魔城に行き、探索を続けた。
そして諸事情(下記参照)により現地を後にすると、キメラの翼を使ってアークボルトにやってきた。
パーティーのうち、ホイミンは城内に入らず、ミレーユ、チャモロ、アモスは病室にやってきてリベラに会い、命の木の実を2個差し出した。
「ありがとう!これでバーバラのHP不足も少しは解消されるよ。」
彼は喜びながら実を受け取った。
チャモロ「たった2個で恐縮ですが、ありがとうございます。そう言えば、バーバラさんは今どうしているんですか?」
「彼女はブラストさんから仕事の依頼を受けて、ガルシアさんとサラさんと一緒に外出中なんだ。」
ミレーユ「外出中?」
「そう。トレーニングと並行してはがねのムチと魔法の盾を手に入れるためのお金を貯めているからね。」
彼はバーバラがイオラを覚えたら転職し、今度はそのムチの攻撃力を活かすべく、武闘家になろうと考えていることを打ち明けた。
アモス「そうですか。賢者一筋の考え方だった彼女にも変化が現れたんですね。」
「うん。賢者へのあこがれは決して無くなったわけじゃないけれど、今は戦力として活躍することが大事だからね。」
リベラがうれしそうに話す半面、チャモロ達の表情はいまいちさえなかった。
「どうしたの?地底魔城で何かあったの?」
「実は今日、フレイムマンから『実が欲しいのならあげますから、どうかむやみに来ないでほしい。』と言われて、地底魔城を出入り禁止にされてしまったんです。本当にごめんなさい。」
「僕は大丈夫。2個でも十分だよ。」
「ど、どういたしまして。そう言っていただけて良かったです。」
リベラの笑顔を見て、アモスは少し癒された気分になった。
ミレーユ「ただ、一ついい知らせがあるの。」
「何?いい知らせって?」
「実はそのフレイムマンが仲間に加わってくれたの。」
「えっ?仲間に?」
「そうよ。実は彼はホイミンと話をするうちに意気投合したの。そして命の木が生えている場所に行くために一緒に行動してくれることになったのよ。」
アモス「そうなんです。それで私達は彼に『フレミン』という名前を付けてあげたんです。」
チャモロ「そしてホイミンは今、フレミンと一緒に城の外で色々会話をしているんです。」
「ホイミンがここにいないと思ったら、そういうことだったんだね。」
ミレーユ「そのとおりよ。受け入れてもらえるかしら?」
「もちろん、大歓迎だよ。」
「良かったわ。」
ミレーユは胸に手を当てて、ほっとしながら一息ついた。
「それから、他にもう一つ僕なりに考えたことがあるんだけど、いいかな?」
チャモロ「何ですか?」
「ここで一旦、各自で自由に行動してみてはどうかな?」
一同「えっ?」
彼からの意外な提案を聞いて、みんなは驚いて聞き返した。
「実は、これまで色々なことがあり過ぎて、みんな体にも心にもかなり負担がかかっていることを実感したんだ。だからしばらくの間好きなことに専念して、元気になって再び集まれたらと思っているんだ。どうかな?」
リベラはすでにバーバラがそのアイデアを受け入れたことを打ち明けた。
「そうですか。確かに私もムドーの城の時から走り続けてきましたから、一旦ゲントの村に戻って英気を養うことにします。」
チャモロがそう言いだすと、ミレーユも一旦マーズの館に戻り、ハッサンの治療をすることにした。
さらにグランマーズが言うには、魔法使いになった状態で彼女の修業を受ければ少しずつではあるが熟練度が上がるため、ミレーユは一旦ダーマ神殿に行くことにした。
一方でアモスはしばらくの間ホイミンとフレミンと一緒に旅に出ることを打ち明けた。
リベラ「本当に大丈夫?」
「心配しないでください。私はハッサンから炎のツメを譲ってもらったので、攻撃力は心配いりませんし、さらに変身すればモンスター達に怪しまれずに行動出来ますよ。」
アモスはムキムキの腕を見せながら元気な姿をアピールした。
「分かった。じゃあ、出かける前に集まったお金で魔法の盾を買っておいてくれる?」
「あの5000ゴールドもする魔法の盾ですか?」
「うん。バーバラが言うにはギラを軽減する効果があるし、それならメラやイオも軽減してくれると思うんだ。だから、多少高くてもきっと役に立つと思うよ。」
「分かりました。ではこの後買いに行くことにします。」
アモスはそう言ってお辞儀をした。
ミレーユ「それでもまだある程度お金が残っているわね。あと何を買おうかしら。」
「そうだなあ…。これだけあるんだったら、ホイミンのブーメランを売った上で、トルッカで売っている1500ゴールドのやいばのブーメランを買って、残り(約2000ゴールド)をはがねのムチを買うための足しにしてみようかな。」
リベラは自分なりのアイデアを打ち明けた。
「分かったわ。じゃあこれからトルッカに行くわね。現地に着いたら、エリザに会って、あなたの手術が成功したことも伝えてあげるわ。」
「ありがとう。僕がすごく感謝をしていることを伝えてもらってもいい?」
「もちろんよ。」
チャモロ「じゃあ、ここに2000ゴールドを置いていきます。これからしばらく会えなくなりますが、お体を大切にしてくださいね。」
「うん、チャモロもね。」
「分かりました。」
一通り会話が終わると、3人は病室を後にしていき、城の外にいるホイミンとフレミンに合流した。
そしてチャモロはゲントの杖をアモスに渡した後、キメラの翼でゲントの村に戻っていった。
それに続き、ミレーユやアモス一行もそれぞれの目的地に向かっていった。
この時点における各キャラクターの熟練度
リベラ … 武闘家:2、僧侶:2、マネージャー(遊び人):1、魔法使い:1
ハッサン … 戦士:5、僧侶:1
ミレーユ … 僧侶:4、盗賊:2、魔法使い:1
バーバラ … 魔法使い:4、武闘家:1、僧侶:1
チャモロ … 盗賊:6、武闘家:2、魔法使い:1
アモス … 盗賊:5、魔法使い:1
ホイミン … 盗賊:2 、魔法使い:1
(※フレミンは転職しない予定です。)
フレミンの名前の由来は「フレミング左手の法則」で有名な「ジョン・フレミング(John Fleming)」です。
この時点で命の木の実を落とすモンスターはフレイムマンしかいないため、個人的な事情により、このモンスターには大変ご迷惑をおかけしました。
本当にごめんなさい。
そのお詫びの気持ちも込めて、作中で(一時的に)仲間に加えることにしましたし、詞も書きました。
本編ではダイジェストでしたが、ここでフルバージョンを掲載します。
タイトル:フレイムマン カモン!
盗賊に転職してから 地底魔城に来たよ
狙うのは 木の実だ
フレイムマン フレイムマン カモン!
熟練度も上げておきたいし 経験値も欲しいけど
狙うのは 木の実だ
フレイムマン フレイムマン カモン!
でも 来たのはいいけれども 彼らは
僕らから 逃げるように 毎日生きてる
盗賊に転職してから 地底魔城に来たよ
狙うのは 木の実だ
フレイムマン フレイムマン カモン!
今 彼らは どこにいるの?
逃げ出していったの?
隠れて過ごしているの?
フレイムマン フレイムマン カモン!
今 熟練度や経験値は
二の次でいいから 木の実をちょうだい
命の木の実 恵んで
フレイムマン フレイムマン
バーバラのHP伸ばすため 頼むよ
命の木の実 恵んで
フレイムマン フレイムマン
せめて木の場所だけでも教えて