You Are There   作:地球の星

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Quest.17 一発芸

 いどまじんとの戦闘を終えた後、リベラ、ハッサン、ミレーユ、バーバラの4人は再び各自で行動することになった。

 アークボルトの病室に戻ったリベラはターニアから受け取った本を読み終えると、今度はアークボルトに置いてある本を読み、様々な知識を吸収していた。

(これでどこまで経験値と熟練度が得られるのかは分からない。でも、今自分に出来るのはこれしかない。日常生活が送れるようになり、パーティーに帯同出来るようになったら、采配面で絶対に貢献してみせる。)

 彼は左手で本のページをめくりながら、内容を色々と理解していた。

 

 マーズの館に戻ってきたミレーユは、グランマーズから教えてもらった方法でハッサンにハリ治療をしていた。

「うおおおおっ!チョウゼツイタイイッ!」

「あっ、ごめんなさい。でも、おばあちゃんが言うには、これが少しでも早く治す方法だから、何とか我慢して。」

「んなこと言われたってよお…。」

「これを乗り越えれば、きっと通常攻撃、メラミ、道具使用のローテーションという形でパーティーに復帰出来るようになるわ。」

「そうか。だったら乗り越えてやるよ。そしてお前と一緒にまた冒険の旅に出ようぜ。」

「ええ。私もそう考えていたから。」

 ミレーユは笑顔を見せながらも、慎重に治療をしていた。

 

 バーバラは兵士達の打ち合いの稽古で、審判を担当することになり、少しずつではあるが熟練度を稼いでいた。

(魔法使いの熟練度は4から5になるまでが長いけれど、何とか早く5にたどり着きたいわね。イオラを覚えれば強力な全体攻撃手段になるし、はがねのムチのグループ攻撃、メラミの単体攻撃と組み合わせればきっとかなりの火力になるはず。武闘家になればMPは半減してしまうけれど、マホトラで補充すればある程度解決出来るし、絶対に今までの分を取り返してみせるわ。)

 彼女は仕事をしながら、合間に今後のことを考えていた。

 その日の夜。ライフコッドに戻った彼女はターニアの作った夕飯を食べた後、部屋にこもって歌の練習をしていた。

 

 チャモロはゲントの村でしばらくの間ゆっくりと過ごした後、活動再開に向けて準備を整えていた(←短っ!)。

 

 旅に出ているアモス、ホイミン、そしてフレイムマンのフレミンは、モンスターのアジトをまわりながら種や実などのアイテムやお金を手に入れたり、役立ちそうな情報をもらえないか聞き込みをしていた。

(※その際、アモスは基本的にモンストラーの姿をしています。)

ホイミン「これまでに実や種なら不思議な木の実と素早さの種が2つ、命の木の実、力の種、守りの種が各1つずつ手に入りましたね。」

アモス「そうですね。後はこれらをどう分けていくかですね。まあ、命の木の実はバーバラさんで決まりですけど。」

フレミン「僕にも何かを分けてくださいね。」

ホイミン「もちろんです。」

 彼らはこれらをどうするか話し合った結果、アモスが不思議な木の実と力の種を、ホイミンが不思議な木の実と素早さの種を1つずつ、フレミンが残りを食べることにした。

 その後、彼らはフレミンの案内で命の木の生えている場所へと向かっていった。

 

 ある日。アークボルトではお楽しみ会と称して、みんなで一発芸などの出し物をすることになり、リベラやバーバラ、サラやブラストをはじめとする人達が集まった。

 最初の出番はリベラで、彼はステージに上がると「フレイムマン カモン!」を歌った。

(※歌詞はQuest.15にありますが、「バーバラ」の部分は「仲間」に置き換えて歌っています。)

 見物客の人達はコーラスの部分を歌ったりしながら一緒に盛り上がっていた。

 

フレミン「ヘーックション!」

アモス「どうしたんですか?いきなり。」

ホイミン「誰かが君のうわさをしているみたいですね。」

「一体誰でしょうか?」

アモス「さあ…。」

 

 2番手はブラストで、彼は妻や息子のブルース君、そして現実世界のランド(特別出演)と一緒にステージに登場し、演劇をすることになった。

 彼らが演じる役は次の通りだった。

 ブラスト:警官の男性

 ブルース君:アイテムを持った少年

 妻:ナレーター

 ランド:盗賊の男

 

 少年が父親からプレゼントされたアイテムを持ちながらウキウキ気分で歩いていると、盗賊の男が背後から彼に近づいてきた。

 そして素早い動きでアイテムを奪い取ると、そのまま走り去ろうとした。

妻「盗賊と称して人の持ち物を盗む行為は、犯罪です。法律により、10年以下の懲役が科される可能性があります。」

 ここで少年が警察を呼ぶと、すぐに警官の男性がやってきて、盗賊の男の前に立ちはだかった。

 盗賊は自分の持ち物であることをアピールするジェスチャーをしたが、少年は首を横に振り、自分の持ち物だと主張した。

「不審な行為にあったり、見かけた場合、警察に通報してください。直ちに現場に急行します。」

 警官に腕をつかまれた盗賊は、観念してがっくりと頭を下げ、そのまま連行されていった。

「ノーモア、アイテム泥棒。」

 演技とナレーションが終わると、4人は並んでお辞儀をして、ステージを後にしていった。

 

 3番手はスコットとホリディで、彼らは漫才を披露した。

・その1

スコット「おはようございます。夕べはお楽しみでしたね。」

ホリディ「誤解しないでください!部屋でカラオケをしていただけですよ!」

「分かっています。でも他に宿泊者もいるんですから、ほどほどにお願いします。」

「あっ、はい…。」

 

・その2

スコット「あ~あ、こんなに雨にふられてしまいましたよ。」

ホリディ「雨ならいいじゃないですか!僕なんて女性にですよ!」

 

・その3

ホリディ「あっ、こんなところに下り階段が!」

スコット「ここに階段があることをなぜホリディが知っているのかに関しては、聞かないことにします。」

「はい。思いっきりメタいことなので、聞かないでください。」

 

 次の出番はバーバラだった。

 彼女は歌を2曲歌うことになり、マイク(のようなもの)を持つ手の小指を立てながら、最初に「ボンバー○○グのテーマ」を披露した。

 お客さん達はその声に酔いしれながら手拍子を送ったり、一緒に歌ったりしながら盛り上がった。

「みんなーっ!聞いてくれてありがとーっ!今度はあたしが作詞した曲を歌うわね。タイトルは『You're my hero』聞いてくださーい!」

 彼女は前奏に続いて満面の笑みで歌い出した。

(※歌詞は後書き参照)

 

(へえ、この2曲ってメロディーが似ているんだな。それにしても、バーバラはこの歌を僕に向かって歌っているのかな?もしそうなら、彼女は本当に僕のことを思ってくれているんだね。バーバラ、約束するよ。これから先、どんな壁があっても2人で一緒に乗り越えていこうね。)

 リベラは歌を聞きながら顔を赤らめていた。

 歌い終わると、観客からは

「それって、誰に向けて歌っているの?」

「もしかして、カレシ?」

「ヒューッ!熱いねえっ!」

 という声が飛んできた。

「ひっみつーっ!教えなーい!」

 バーバラはアッカンベーをしながらステージを後にしていった。

 

 次の出番はサラで、彼女は頭にオオカミミバンドをつけ、さらにはかつて母親が着ていたチアリーダーの服を着て登場した。

 彼女はまず、ちまたで話題のオオカミダンスを披露した。

 すると、それを知っている人達はつられるように一緒に踊り出した。

 踊りが終わると彼女はオオカミミバンドを外し、今度は軽く助走をしてからバク転と宙返りを披露し、見事に着地をした。

「ブラボーッ!」

「チョウゼツカワイイ!」

 お客さんからは拍手とともに歓声が沸き起こった。

「どうもありがとう!」

 彼女はさらにハッスルダンスとラインダンスを踊った後、流し目をしながらスカートをヒラヒラさせ、さらに投げキッスをしてステージを後にしていった。

 するとそれがメダパニダンスの効果を発揮したらしく、会場はしばらくの間大騒ぎになってしまった。

 

 出し物は次々と進んでいき、最後に出てきたのはガルシアだった。

 彼はプレゼン形式でメタル系モンスターの効率的な倒し方について話した。

 「うわさでは女の子がメタルスライムに出会った時、おままごとをしたらなぜか相手から経験値がもらえてしまい、一気にレベルアップしたらしいです。」

 これは一見すると原理のよく分からないやり方のため、お客さんからは「本当に?」と疑問の声が上がった。

 次に彼はテリーがメタル系モンスターと戦ったシーンを見たことを打ち明けた。

 彼が魔人のごとく攻撃するとそれが見事にヒットし、相手は一撃で降参してしまった。

 この場にいる人達はまだ誰もまじんぎりを使えないだけに、彼らはその技をどうやったらマスター出来るのか、興味津々だった。

 最後に、聖水で倒すための研究をしている人がいることを打ち明けた。

「そんなんで倒せるわけないだろ。」

 お客さんからはそんな声が飛んだ。

 その後、その研究をしている人が『そう言われたことは、数えきれない。でも、それが無理だと思ったことは、一度もない。』と言っていたことを打ち明けた。

 その研究が後の世で現実になることを、彼らはまだ知る由も無かった。

 

 お楽しみ会が終了した後、メタル狩りをしたいと思っていた人達はこぞってガルシアのところにやってきた。

 彼はテリーが戦士を極める前は全く使った形跡が無く、魔法使いに転職した後に使い始めたことを話した。

「つまり、戦士をマスターすると習得出来るというわけか。」

 彼らはそれに気付くと、自分も転職をしたいという意見が出始めた。

 するとバーバラがそこにやってきて、自分がルーラでダーマ神殿に行けることを打ち明けた。

「それならぜひ連れていってください。」

 兵士達から依頼を受けたバーバラは一緒に現地に行った。

 

 彼らがアークボルトに戻ってくると、今度は稽古と戦闘のどちらで熟練度を上げるかということになった。

 前者は危険こそ少ないものの熟練度稼ぎのスピードが遅く、後者はその逆であるため、どちらにするかで意見が分かれ、最終的に2つのグループに分かれることになった。

 リベラは少しでも遅れを取り戻すために、そしてバーバラは少しでも早く熟練度を5にするために後者に入ることになった。

リベラ「とはいえ、戦闘をするには相手が必要だし、何かいい方法は無いかな?」

バーバラ「あっ、それならサラさんを連れていったら?彼女は口笛で相手を呼び出せるから、効率よく熟練度を稼げるわよ。」

「本当に?でも、ついてきてくれるかな?」

「ガルシアさんと一緒ならきっとOKを出してくれると思うわ。あたしが聞きに行ってもいい?」

「それなら一緒に行こう。」

「うんっ!行きましょう。」

 2人は早速彼らのところに向かっていった。

 交渉の結果、サラはガルシアと一緒に行動した上で、自分が口笛とハッスルダンス役に徹することを条件にOKを出してくれた。

 そしてリベラは作戦係、バーバラは戦闘の合間のホイミタンク役として同行することになった。

 彼らが熟練度を稼いでいる間、リベラはサラから口笛の吹き方を教えてもらい、最終的には自分も相手を呼び出せるようになった。

 




このQuest.17でバーバラが歌った曲の歌詞は次の通りです。

タイトル:You're my hero

今 飛びだしていこう 見せてよ Your Power
さあ 武器で 呪文で 勝利をつかもう

目の前に強敵がいても
立ち向かおう
恐れることなく
勝てない敵などないから
さあ 行こう Here we go
ふたりなら出来る

君がくれた言葉を いつも覚えているよ
どんな壁もふたりで 乗り越えていけるよ
You're my hero

今 飛びだしていこう 新たな未来へ
さあ その特技で 扉を開けよう

目の前に暗闇が来ても
立ち向かおう
恐れることなく
明けない夜などないから
さあ 行こう Here we go
ふたりなら出来る

君のその背中を いつも見つめているよ
どんな壁があっても 乗り越えていこうよ
You're my hero
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