You Are There   作:地球の星

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Quest.19 アモスvs.テリー

 翌日。バーバラがアークボルトに戻ってくると、そこにはリベラ、ガルシア、サラ、さらにはまじんぎりを習得しようと意気込んでいる兵士達がいた。

 彼らは準備運動をした後、みんなで打ち合いの稽古をしていた。

 その中でリベラは破邪の剣でゆっくりと素振りをしていた。

「あっ、リベラ。右手をそこまで動かせるようになったのね。」

「うん。これならもう少しすれば通常攻撃の稽古も出来るし、それに今日の熟練度稼ぎが終わったら退院してターニアに会いにいく予定なんだ。」

「本当?良かった。これでターニアと一緒に過ごせるわね。」

「まあそうなんだけれど、まだ通院が必要だから度々ここに来ることになるけれどね。それに武器の素振りは許されたけれど、まだ通常攻撃そのものやまわし蹴りといった接近戦は禁止だから、呪文か道具使用でしか戦えないんだ。」

「それだけでも良かったじゃない。」

「まあね。」

 2人が会話をしていると、そこにアモスとホイミンが空からやってきて、近くに降り立った。

「あっ、リベラさん、バーバラさん。おはようございます。」

「しばらく会えませんでしたが、お元気ですか?」

 アモスとホイミンはうれしそうに声をかけてきた。

 リベラは「おはようございます。元気ですよ。」と言ってあいさつをした後、ついに退院が決まったことを話した。

「それは良かったです。」

「おめでとうございます。」

 アモスとホイミンは満面の笑みを見せてくれた後、たくさんの命の木の実やアイテム、そしてお金を見せてくれた。

「すごーい!8個もあるじゃない!」

「こんなにたくさんの実を取ってきてくれたの?」

 バーバラとサラは思わずビックリした。

ガルシア「それじゃ、早速実をサラさんとバーバラさんで分けましょう。」

2人「はーーい!」

 彼女達は実を取り出すと、いくつ食べるかを話し合った。

 結果、何としてもHPを3ケタに乗せたいというサラの希望もあり、彼女が6個食べることになった。

 残った2個はバーバラがその場で食べ、HPをアップさせた。

 さらに不思議な木の実も2個あり、それはサラが食べることになった。

 一方、リベラはアモスとホイミンが持ってきてくれたアイテムとお金をどのように活用するかを話し合った。

アモス「これだけお金がたまれば、魔法の盾を2つ買えますね。」

ホイミン「じゃあ、早速この後、お店に向かいましょう。」

「あっ、ちょっと待って。僕とハッサンの持っている盾を売れば、さらにもう一つ買えるから、マーズの館にも行ってみようかな。」

アモス「それはいいアイデアですね。」

ホイミン「でも、キメラの翼を切らしてしまいましたけれど。」

「それなら、バーバラに頼んでみるよ。」

 リベラはそう提案すると即座に彼女に依頼をし、OKをもらった。

 

 バーバラの姿が見えなくなった後、リベラはフレイムマンのフレミンがいないことが気になったため、ホイミンに問いかけた。

 彼の話によると、フレミンが同行するのは命の木の場所までという約束だったため、それを果たした後は再び地底魔城に戻ることになっていた。

「じゃあ、今、彼はその場所で静かに過ごしているんだね。」

ホイミン「まあ結果的にはそうなんですが、その前にちょっとトラブルがありまして…。」

「何かあったの?」

「実はフレミンとホイミンが木に登って実を落とし、私が拾い上げている時に、アークボルトで出会った青い服の少年が通りかかりまして…。」

 アモスはその時のエピソードを打ち明けた。

 

『なるほど。ここに命の木があるのか。だったらこの実は俺がもらうぞ。そしてお前らを倒す!』

 テリーはホイミンとフレミン、そしてモンスターに変身した状態のアモスを見て、敵意をむき出しにしてきた。

『えっ?ちょ、ちょっと!私は人間ですよ。』

『フンッ!変な嘘をつくな!俺はだまされないぞ。お前を倒す。』

『待ってください!私は戦いたくはありません!』

『知ったことか!』

 アモスは不本意な形で戦闘に巻き込まれてしまったため、とっさに人間に戻ろうとした。

 しかし動揺しているせいか、なかなか戻れずにいた。

(ど、どうしましょう。このままではやられてしまう!)

 一方、テリーは隙ありと言わんばかりにはやぶさぎりを仕掛けてきたため、アモスは連続でダメージを受けた。

『お願いですからやめてください!』

『フンッ!』

 テリーは次にまじんぎりをしてきたが、アモスは運よくかわした。

(これが当たっていたら、私はただでは済まないところでしたね。こうなったらしんくうはか何かで戦うしかないんでしょうか。しかしそうなったら本格的な戦闘になってしまう。果たして勝てるんでしょうか。それにホイミンとフレミンを守り抜けるんでしょうか…。)

 アモスはどうすればいいのか分からず、オロオロするばかりだった。

 その時、ホイミンとフレミンが木から降りてきて、ホイミンはベホイミを唱え、フレミンは薬草を使ってアモスのHPを回復させた。

 しかし次の瞬間、テリーはイオラを唱えてきた。

 幸いアモスは魔法の盾を装備しているおかげでダメージは軽減され、ホイミンは強耐性、フレミンは完全耐性を持っているおかげでダウンを免れることが出来た。

(今のターンでは運よく助かりましたが、このままでは確実にやられてしまう。こうなったらこれに賭けるしかないですね!)

 アモスは祈るような気持ちで体当たりをした。

 彼は自身のHPを減らしながらもテリーにダメージを与え、さらに少しばかり隙を作った。

『僕はこれでいきます!』

 続けざまにホイミンがラリホーを唱えると、テリーはうとうとした状態になった。

『しめた!チャンスは今しかない!』

 アモスは大急ぎで袋を拾い上げると、地面に落ちている命の木の実を拾うことも出来ないまま、ホイミンとフレミンとともに逃げていった。

 そしてキメラの翼を取り出すとすぐにそれを使い、テリーがはっきりと目を覚ましたのを見届けながら間一髪でその場を離れていった。

 

 彼らが降り立った場所は夢の世界のトルッカだった。

 冷静さを取り戻したアモスはようやく人間の姿に戻ると、ホイミンとともにホイミを唱えて全員のHPを回復させた。

 そして彼は町に入っていくとそこでキメラの翼を買い直し、それを使って全員で地底魔城に向かった。

 現地にたどり着くとアモスとホイミンはお礼を言ってフレミンと別れていき、再度キメラの翼でアークボルトに向かっていった。

 

「そう言うわけなんです。本来だったらもっとたくさん持ってこられたはずなんですが、これだけになってしまいました。」

 アモスは頭を下げて謝った。

「僕は大丈夫。実よりも命の方がずっと大事だから、無事で良かったよ。」

「確かに。もし逃げる前に命の木の実を気にしてしまい、あと少しキメラの翼の使用が遅かったらと思うと、今でもぞっとします。」

 ホイミンは命拾いをしたような表情で言った。

「じゃあ、しばらくゆっくり休んで、リフレッシュしてください。」

「分かりました。では、私達はこれからモンストルの町に行くことにします。」

「そしてしばらくの間休ませていただきます。」

 アモスとホイミンはリベラの提案を快く受け入れた。

 そして彼らは役立ちそうな装備品をリベラに渡すと、キメラの翼で飛び立っていった。

 

 バーバラがマーズの館に入っていくと、そこではハッサン、ミレーユ、チャモロがおり、彼らは楽しそうに会話をしていた。

「こんにちは…って、あら、チャモロもいたのね。こんにちは。」

「お久しぶりです。」

「休養は十分にとれたの?」

「はい。もうやる気満々です。」

「それは良かったわ。」

ミレーユ「それで、あなたはどのような用件でここに来たの?」

「実はね。」

 バーバラはリベラからの伝言で、彼とハッサンの持っている盾を売って、4つ目の魔法の盾を手に入れたいことを話した。

「分かったぜ。じゃあ早速アークボルトに行こう。」

「ハッサンが行くなら私も行こうかしらね。」

チャモロ「ということは、私も魔法の盾を使わせてもらえそうですね。」

「多分そうなると思うわ。一緒に行く?」

「もちろんです。」

「分かったわ。」

 バーバラはチャモロの依頼を承諾すると、ハッサンとミレーユを連れて館の外に出た。

 そしてルーラを唱えて4人で飛び立っていった。

 

 アークボルトにやってくると、ちょうどブラストがこれからカルカドに行く商人を護衛する仕事を依頼しているところだった。

 ガルシアはすぐにそれを引き受けてくれたが、リベラは医師から遠出をしないように忠告されており、サラはちょっと怖いという理由で断ってしまった。

ブラスト「おおっ!君達、ちょうどいいところに来てくれた。どうだ?この仕事を引き受けてくれるか?」

「分かりました。行かせてください。休養はバッチリですから。」

「俺も行くぜ。これまで休んだ分を取り返したいからよ。」

 チャモロとハッサンはやる気満々だった。

 とはいえ、ハッサンはまだ腰に不安を抱えているため、鎧の代わりにサポーターとしてかわの腰巻きを装備している状態だった。

バーバラ「それで、出発はいつなの?」

リベラ「実は今すぐなんだ。だからダーマ神殿に行っている時間や盾を売りに行く時間が無いんだ。急でごめんね。」

ハッサン「でもよ、魔法の盾はすでに3個あるんだろ?」

「うん。」

チャモロ「じゃあ、私とハッサンとバーバラさんで装備しましょう。」

バーバラ「えっ?あたしも行くの?」

 現在僧侶の彼女はHPが3ケタに届かない状態なので、戸惑ってしまった。

リベラ「大丈夫。君はイオラが使えるから、それ主体で戦えばいいよ。」

「でも、あたし…。」

「大丈夫。君なら出来るよ。」

「うん…。」

 バーバラはまだ戸惑いを隠せずにいたが、リベラに励まされたことを受けて、僧侶のまま出かけることになった。

 一方、ミレーユは魔法使いのため、一旦は断ろうとした。

 しかしガルシアとハッサンがついていることを受けて考え方を改め、ついてきてくれることになった。

 

 ハッサン、ミレーユ、バーバラ、チャモロは現在持っているアイテムを集めて、出来るだけ最強装備の状態でアークボルトを後にしていった。

 




 彼らが持っている物は次の通りです。

 ガルシア … 破邪の剣、はがねの鎧、魔法の盾(サラから借りた)、鉄仮面、金のブレスレット(リベラから借りた)

 ハッサン … バトルアックス、ゲントの杖、かわの腰巻き、魔法の盾、鉄仮面(アモスから借りた)、金のブレスレット

 ミレーユ … 破邪の剣、炎のツメ、身かわしの服、銀の髪飾り、金のブレスレット

 バーバラ … はがねのムチ、身かわしの服、魔法の盾、銀の髪飾り、星降る腕輪

 チャモロ … モーニングスター、いかずちの杖、身かわしの服、魔法の盾、かいがら帽子、はやてのリング
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