You Are There   作:地球の星

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Quest.24 小さなメダル

 ジャミラスを倒し、カルカドに戻ってきたチャモロ、アモス、ホイミン、ピエールは町の人達から祝福してもらえることになり、この日は現地で宿泊をすることになった。

 一方、リベラとバーバラはターニアの家に泊まることになり、ハッサンとミレーユはマーズの館に泊まるため、キメラの翼で現地を離れていった。

 

 翌日。6人と2匹はガルシアのお見舞いのためにアークボルトにやってきた。

 彼は意識を取り戻したものの、顔や体におびただしいほどの包帯を巻いているため、まるでミイラのような姿になっていた。

 それでもサラは彼が助かったことを心の底から喜んでいた。

「すまない…。こんな…姿に…なってしまって…。」

「私は大丈夫よ。生き延びてくれてありがとう。」

「だが…、こんな…体では…剣が…振れない…。戦力に…なれない…。」

「治療すればきっとなれるから、心配しないで。いざとなればジャミラスから手に入れた炎のツメのメラミで戦えるわ。」

「そうか…。そんな…手も…あったな…。」

 落ち込んでいたガルシアはサラの顔を見ているうちに少しずつ笑顔を取り戻していった。

 すると彼女はリベラ達がやってきたことに気が付いたため、中に入るように促した。

 リベラ達は順番にガルシアにねぎらいの言葉をかけた。

 彼はみんなにお礼を言った後、自分の武器と防具を使って装備を整えてほしいと申し出た。

リベラ「えっ?そんなの恐れ多くて出来ないですよ。」

バーバラ「むしろあたし達、ガルシアさんの治療費を持ってきたのよ。」

「お願いです。少ないかもしれませんが、受け取ってください。」

 ミレーユはお金の入った袋を差し出した。

「そんな…。こんな大金、受け取れないですよ。」

 サラは両手を前に突き出しながら断った。

「お金なら心配しないでください。私はこれから盗賊に転職しますので、手に入れたアイテムを売ってお金を集める自信はあります。」

 チャモロはきっぱりと言い切った。

「分かった…。」

 ガルシアはとまどいながらもお金をもらうことにした。

「みなさん、ありがとうございます。この恩は忘れません。」

 サラは彼の代わりに袋を受け取ると、深々とお辞儀をした。

「じゃあな。金策が出来たらまた会いにくるぜ。」

 ハッサンがそう言った後、一行はお辞儀をして病室を後にしていった。

 

 ガルシアのお見舞いを済ませた後、一行はダーマ神殿に向かっていった。

 最初に転職したのはピエールで、彼はメラミ目当てで魔法使いになった。

 続いてリベラはマネージャー、ハッサンは戦士、ミレーユとホイミンは商人、バーバラは武闘家、チャモロは盗賊に転職した。

 ギリギリまで考え続けていたアモスは、悩み抜いた末に魔法使いになることにした。

ハッサン「アモっさん、それほどの腕っぷしがあるのにいいのかよ。」

「いいんです。私もリレミトとルーラを覚えたいと思いましたから。」

 彼は続けざまにガルシアが致命的なダメージを受けた時のことを話した。

「もしあの時、この2つの呪文を唱えられるサラさんがいなかったら、ガルシアさんは間違いなく帰らぬ人になっていたでしょう。」

ホイミン「はい。それにこれらの呪文があればジャミラスを倒した後、すぐにみんなを連れて城を脱出し、カルカドに戻れたはずでしたからね。」

チャモロ「さらにハッサンが地底魔城で腰を痛めた時も、これらの呪文が使えればあんなに悪化することも無かったでしょう。」

「ま、まあ、そうだな。歩いているうちにどんどん痛みが増してきたからな。」

「だからこそ、どうしても覚えたくなったんです。」

 アモスは転職でHPが低下しても配置次第で戦闘に耐えられることや、炎のツメのメラミで戦えることを打ち明けた。

「というわけで、みなさん、お願いします。魔法使いに転職させてください。」

「分かりました。」

 リベラの了解を得たことで、アモスは正式に魔法使いになった。

 ピエールはその場でホイミンと打ち合いの稽古をしてメラミとラリホーを覚え、次に僧侶に転職した。

 

 ダーマ神殿を後にした彼らは、まずピエールの装備を整えた。

 その際、防具を重視したため、武器は暫定的にいかずちの杖になった。

 次に彼らはこれからどこに行けばいいのかを聞くために、マーズの館に向かった。

「おおっ、今日は6人と2匹で来たのか。大勢でようこそじゃのう。」

 グランマーズは笑顔でリベラ達を迎えてくれた。

 そして全てお見通しの彼女は、メダル王の城に行くことを勧めてきた。

リベラ「それは聞いたことがないですね。どこにあるんですか?」

「上の世界にあるぞい。以前、リベラが下の世界に落ちてきた場所は覚えておるかの?」

「あっ、はい。大きな穴があいていた場所ですよね。」

「そうじゃ。そこにメダル王の城が復活したんじゃ。ぜひ行ってみるがよい。」

ハッサン「そこに行ったら何が待っているんだ?」

「お前さん達が今まで集めた小さなメダルの累計枚数に応じて、アイテムがもらえるぞい。」

「どんなアイテムなんだ?」

「15枚でてんばつの杖、25枚で力のルビー、30枚でプラチナソード、40枚できせきの剣がもらえる。多分お前さん達はすでに15枚集めておると思うが、ちょっと確認してみてはどうじゃ?」

「そうねえ…。」

 ミレーユは早速袋を開けてメダルを取り出した。

 そして枚数を数えたところ、確かにちょうど15枚だった。

「ということは、おばあちゃん。今その場所に向かえば、てんばつの杖が手に入るってことなのね?」

「そういうことじゃ。攻撃力は少々弱いが、ミレーユが装備すれば破邪の剣をピエールに渡せるから、お金の節約にもなる。さらに次にもらえる力のルビーはおすすめの装飾品じゃ。」

バーバラ「力のルビーって、何だか力がつきそうな感じね。」

「そうじゃ。攻撃力が20アップするぞい。」

「ええっ?それじゃ、あたしが装備したらはがねのムチの攻撃力がさらに20上がるってこと?」

「その通りじゃ。攻撃力85でグループ攻撃じゃから、ある意味ぶっ壊れ武器と化すぞい。」

「すごーーい!ぜひ身に付けたいわ!」

「それならよ、俺も強力な武器を手に入れた上で装備したいぜ。」

 バーバラとハッサンは思わず目を輝かせた。

「しかしもらえるのは一つだけじゃから、取り合いになるのは間違いないじゃろう。じゃから仲良く使い回すがよい。」

「分かったわ。じゃあ、ローテーションで装備しましょう。」

「ああ、そうだな。仲良く使い分けようぜ。」

「うんっ!」

 グランマーズは続いてプラチナソードは攻撃力が60、きせきの剣は攻撃力が何と100にもなることに加え、攻撃時に与えたダメージの4分の1だけ自分のHPが回復することを話してくれた。

チャモロ「攻撃力60でもすごいですが、まさか100に達する武器が存在するなんて、本当ですか?」

「本当じゃよ。もし力のルビーと一緒に装備すれば、その人は間違いなく最強アタッカーになれるぞい。」

「攻撃力が120も上がれば、誰でもそうなりそうですね。」

 リベラはハッサンとバーバラ同様、その攻撃力に魅了される一方、他の5人(3人と2匹)はあまりのぶっ壊れぶりに不安さえ感じていた。

 次にグランマーズはホイミンとピエールに対して、いずれスライム格闘場に行ける時が来ることを話した。

ホイミン「それはどんなところなんでしょうか?」

「お前さん達が相手との勝ち抜き戦を繰り広げるところじゃ。ランクはAからHまでの8つあるぞい。」

「そこで勝ち抜くと、何かあるんでしょうか?」

「それぞれのランクで賞品がもらえるぞい。」

 グランマーズはAランクの商品が風の帽子で、最高のHランクの賞品がドラゴンのさとりであることを伝えた。

ピエール「Hランクと聞くと、何だか遠い目標にしか思えませんけれど…。」

「まあ、確かにそこまで行こうと思えば長い期間の努力が必要になるから、まずは風の帽子を手に入れることが目標になるじゃろう。これは防御力もある上に、ルーラがMP消費無しで使えるようになるぞい。」

ピエール「ルーラが使えれば、移動はかなり助かりますね。」

「その通りじゃ。お前さん達はこれから仲間モンスターとして熟練度を稼ぎながら、その時に向けて鍛えておくがよい。」

ホイミン「分かりました。頑張ります。」

 彼らはいずれ来るであろう、その時に向けて気合を入れた。

 一方、上級職を何にしようか悩んでいたチャモロはドラゴンのさとりに目をつけ、ドラゴン職に転職することにした。

 そしてそれまでの間はせいけん突き、メダパニダンス、口笛などを覚えながら盗賊メインで活動することにした。

 するとグランマーズからいずれ踊り封じが必要な時が来ることを告げられたため、それまで踊り子として活動をすることにし、再度ダーマ神殿に向かっていった。

 

 チャモロが踊り子になった後、一行はメダル王の城に行き、てんばつの杖を手に入れた。

「それじゃ、これは私が装備するから、ピエール君。はい、これ。」

「ありがとうございます。ありがたく使わせていただきます。」

 ピエールはミレーユから差し出された破邪の剣をありがたく受け取った。

 そして彼はこれから僧侶と武闘家を極めてパラディンを目指すことにした。

 城を後にした一行はパーティーの人数がかなり多くなったことを受けて、これから分かれて行動することになった。

 そしてリベラ、ハッサン、ミレーユ、バーバラの4人は(口には出さないが)2組のカップルといった感じだったため、彼らはこの組み合わせで行動したいと主張した。

「リベラさん達がそういうのであれば、そうしましょう。」

「まあ、特に反対する理由も無いですからね。」

 アモスとチャモロはすんなりと同意してくれた。

 そして彼らは早速ルーラで飛び立っていった。

 次にホイミンとピエールは地底魔城に行くことにした。

 

 リベラ達はまずライフコッドに向かっていき、ターニアに会った。

「そうなの。お兄ちゃん達はその4人メインで行動するのね。」

「うん。僕達は心から一緒にいたいと思っているからね。」

「その気持ちは私にも分かるわ。だってすごくお似合いだから。これから色々なことがあると思うけれど、みんなで助け合ってね。」

「もちろん、そのつもりだよ。」

「じゃあお兄ちゃん達。しばらくの間、ここでゆっくりしていって。私がこれからおいしい料理を作ってあげるわ。」

「本当?ありがとう。ちょうどお腹すいてきていたんだ。頼んだよ。」

「うん!」

 ターニアは弾む足取りで台所に向かっていった。

 そして4人は彼女の手料理に舌鼓を打った。

 

 翌日。熟練度上げに適した場所を聞くためにマーズの館にやってきた彼らは、グランマーズからムドーの城を指定された。

 ここは以前「2度と行きたくない場所」と言っていただけに、リベラ達は怖気づいてしまったが、アークボルトやカルカド周辺からモンスターが撤退してしまい、残された場所がここしか無いため、渋々ながら向かっていくことになった。

 しかし彼らは以前よりもかなり強くなったため、苦戦することも無く勝てた。

 まもなくハッサンは戦士の熟練度が8になったため、ミレーユにリレミトとルーラを唱えてもらってダーマ神殿に行き、武闘家に転職した。

 しばらくするとミレーユは商人の熟練度が5になったため、今度は一人でダーマ神殿に行き、魔法使いになった。

 その後、彼女はおたけびを多用するようになったため、戦闘は一層有利になった。

 そしてこの日の最後の戦闘でリベラがマネージャーを卒業することになったため、バーバラにリレミトを唱えてもらった後、みんなでダーマ神殿に向かっていった。

 彼は自分がホイミしか使えなかったため、ガルシアを直接助けられなかったことを悔やんでおり、せめてベホイミを覚えたいという思いから僧侶に転職した。

 しかし、翌日にはモンスターが恐れをなして逃げ出したのか、もぬけの殻になっていたため、彼らは以降、ここに来ることはなかった。

 

 この時点での熟練度

 リベラ … マネージャー(遊び人):8、武闘家:2、僧侶:2、魔法使い:1

 ハッサン … 戦士:8、武闘家:2(まもなく3)、僧侶:1、魔法使い:1

 ミレーユ … 僧侶:5、商人:5、魔法使い:3(まもなく4)、盗賊:2

 バーバラ … 魔法使い:5、僧侶:4、武闘家:3

 

 アークボルトにやってきたアモスとチャモロは、サラの両親に会った。

 それぞれ魔法使いと踊り子に転職した彼らは、熟練度を何とかして上げていきたいことを伝えた。

 すると、サラの父親はアモス、母親はチャモロのコーチをしてくれることになった。

 彼らは喜んで弟子入りし、修業を通じて熟練度を上げていった。

 

 この時点での熟練度

 チャモロ … 盗賊:7、踊り子:3(まもなく4)、武闘家:2、魔法使い:1

 アモス … 盗賊:6、魔法使い:3、僧侶:3

 

 ホイミンとピエールは地底魔城にやってくるとフレイムマンのフレミンに会い、事情を話した上で中に入れてもらえないか交渉をした。

 スライム格闘場を勝ち抜くために強くなりたいという意気込みを感じたフレミンは、彼らに限り立ち入りを許可してくれた。

 そしてフレミンを含めて現地のモンスター達も強くなりたいという思いを持っていたため、修業の相手をしてくれることになった。

 それからホイミンとピエールは住み込みで修業に励んだ。

 ホイミンはやがて商人の熟練度が5になったため、キメラの翼でダーマ神殿に行き、魔法使いに転職した。

「あれ?魔法使いを選んだんですか?」

 意外な選択に、ピエールは思わずビックリした。

「はい。まず熟練度3でルーラを覚えたいと思っていましたから。」

 彼はそこまで熟練度を上げたら今度は戦士に転職し、最終的に魔法戦士を目指すことにした。

 

 この時点での熟練度

 ホイミン … 盗賊:5、商人:5、魔法使い:1(まもなく2)

 ピエール … 僧侶:3、魔法使い:1

 




 当初、この作品はこの辺りで完結を考えていました。
 しかし、主人公が通常攻撃するシーンが無いことや、テリーとドランゴを仲間に加えたいと思ったため、連載を続けることにしました。
 なお、彼らが出てくるところまで話を進める都合上、これからいくつかの場面をスキップする上に、展開が駆け足になりますが、その点をご了承していただければと思います。

 今回、作品を書くにあたってアモス、チャモロ、ホイミンが目指す上級職を何にするか、かなり悩みました。
 ノーマルな考え方だとアモスはバトルマスターかパラディン、チャモロは賢者か魔法戦士になりそうな気がします。
 作中のホイミンは盗賊と商人をある程度経験しているため、レンジャーも考えていましたが、どうしても回復役としてのMPが欲しいため、悩み抜いた末に魔法戦士か賢者に絞りました。

 物語という視点で考えた場合、アモスがバトルマスターだとハッサンと丸かぶりになるため、同じような記述になりますし、パラディンだと同じ職業が3人(正確には2人と一匹)になるため、結局却下しました。
 次に、賢者は大事な職業ですが賢者だらけになっても困りますし、命の木の実などのアイテムも集めたいので、チャモロには盗賊メインになっていただくことにしました。
 本当にごめんなさい。
 せめてドラゴン職で許してください。
 そしてアモスは魔法戦士、ホイミンは賢者で一旦は決定をしましたが、もっとインパクトがほしいと思ったため、思い切って設定を逆にしました。
 これだとアモスの腕力があまりいかせなくなりますが、上記のように炎の爪でメラミを使いまくる他、まじんの鎧を身に着けてターンの最後にベホイミやベホマ、ゲントの杖を使えば回復役を任せられるようになるので、このようにしてみました。

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