You Are There   作:地球の星

27 / 41
Quest.27 クビを宣告されたモンスター達

 後日。すっかり元気になったアモス、チャモロ、ホイミンはピエールを加えて魔術師の塔に乗り込むことになった。

 その際、シルバーメイルを購入した上で、リベラ達からまどろみの剣などを借りていき、結果的に彼らの装備は次のようになった。

 

 アモス … まどろみの剣、ゲントの杖、シルバーメイル、魔法の盾、鉄仮面(職業:僧侶)

 チャモロ … モーニングスター、炎のツメ、まどうしのローブ、魔法の盾、貝がら帽子、はやてのリング(職業:盗賊)

 ホイミン … 氷のやいば、身かわしの服、鉄仮面、力のルビー(職業:戦士)

 ピエール … きせきの剣、シルバーメイル、鉄の盾、鉄仮面、星降る腕輪(職業:武闘家)

 

 彼らが塔の中に入っていくと、ホラーウォーカーとかくとうパンサーが立ちはだかってきた。

 この2匹は以前、旅人の洞くつで戦って敗れており、その雪辱に燃えているのか、ただならぬ雰囲気を漂わせていた。

 かくとうパンサーはチャモロが放った炎のツメのメラミに続いてピエールの半端ない攻撃を受けたため、何も出来ないままダウンしてしまった。

 ホラーウォーカーはいなずまで全員にダメージを与えた。

 ホイミンとアモスは通常攻撃をホラーウォーカーに浴びせ、氷の追加攻撃を与えた上で眠らせた。

 そして次のターンでピエールの通常攻撃でKOになったため、戦闘が終了した。

 負けた2匹は言葉を失い、まるで人生が終わったかのように呆然としていた。

 アモス達はそれを見ながら先に進んでいった。

 

 その後、彼らはここに住んでいる敵にはメラミが有効なことや、おたけび、メダパニ、ラリホーのどれかで動きを止められることを学んでいった。

 しかしミラルゴのところに行く前にかなりMPが減ってしまい、さすがにこのまま戦うのはきついと判断したため、無念そうな表情をしながら撤退をしていった。

 

 翌日。バーバラが頭に緩衝材とサポーターを身に付けることを条件に復帰したため、今度はリベラ、ハッサン、ミレーユ、バーバラの4人でミラルゴのもとに向かうことになった。

 その際、彼らの装備は次のようになった。

 

 リベラ … まどろみの剣、ゲントの杖、シルバーメイル、魔法の盾、鉄仮面、はやてのリング(職業:解除)

 ハッサン … きせきの剣、シルバーメイル、魔法の盾、鉄仮面、金のブレスレット(職業:武闘家)

 ミレーユ … プラチナソード、炎のツメ、まどうしのローブ、銀の髪飾り、星降る腕輪(職業:解除)

 バーバラ … はがねのムチ、氷のやいば、まどうしのローブ、魔法の盾、銀の髪飾り、力のルビー(職業:武闘家)

 

 彼らはチャモロ達が教えてくれた道筋を参考にしながら、なるべく最短距離で最上階を目指していった。

 戦闘ではミレーユがおたけびなどで相手の攻撃頻度を減らすことが主な役目だった。

 リベラはメダパニダンスやまどろみの剣の通常攻撃、まわし蹴りで戦った。

 そして回復が必要な場合はゲントの杖を使い、戦闘中でのMP消費を防いだ。

 バーバラは対象が単体の時には氷のやいばでの通常攻撃、グループの時にははがねのムチや氷のやいばのヒャダルコで戦い、複数の種類を攻撃する時にはイオラを唱えた。

 ハッサンは大抵順番が最後になってしまったが、せいけん突きやはやぶさぎりといった高火力の攻撃を惜しみなく繰り出し、誰よりも多くのダメージを叩き出した。

 戦闘の合間にはリベラとハッサンがホイミタンクになってHPを回復させた。

 しかし途中で彼らのMPが底をついてしまったため、そこからは逃げまくるようになった。

 

 ミラルゴのいる最上階までやってきた時、4人はどのように戦うかを話し合った。

「僕としてはハッサンが力のルビーを装備した方がいいと思うんだけれど、どうかな?」

「ええっ?あたしもアタッカーとして活躍したいのに。」

 リベラの提案に対し、バーバラは思わず顔をしかめた。

「頼む。ミラルゴは相当タフな相手だそうだから、一気にダメージを与えたいんだ。」

「でも…。」

 彼女はなかなか同意をしてくれなかったが、戦闘をあまり長引かせたくないという彼の説得を受けて、最終的に同意をしてくれた。

「すまねえ…。でも、お前の気持ちはしっかりと受け取ったぜ。」

 ハッサンは悔しがりながら金のブレスレットを装備するバーバラの表情を脳裏に焼き付けながら、力のルビーを装備した。

 

 ミラルゴとの戦闘が始まると、星降る腕輪を身に付けたミレーユは誰よりも素早く行動して炎のツメのメラミをぶつけ、続いてリベラが通常攻撃をヒットさせたが、眠り効果は発動しなかった。

 ミラルゴはここでマホターンを唱えてきたが、行動が一回だったため、このターンでのノーダメージが確定した。

 バーバラは氷のやいばで会心の一撃を出し、さらに追加効果も加えた。

 そしてハッサンはせいけん突きをヒットさせ、この4人が1ターンで与えたダメージの新記録を達成した。

 次のターンではミレーユがスクルトを唱えた後、ミラルゴがベギラゴンを唱えたため、全員がダメージを受けた。

 リベラはとっさにゲントの杖を使い、バーバラはベホイミでお互いのHPを回復させた。

 ハッサンははやぶさぎりを使い、攻撃と同時に自分のHPを回復させた。

 次のターンではミレーユが自分にベホイミを唱えた後、ミラルゴがバーバラ目掛けてメラミを唱えてきた。

「危ない!」

 リベラはとっさに自分の攻撃を放棄し、彼女の身代わりになった。

「あたし、呪文なら軽減されるのに。」

「それでも君を守りたかったんだ。君をケガさせてしまったこと、ずっと悔やんでいたから。」

 リベラはダメージを受けながらも、表情はどこか明るかった。

 ハッサンはせいけん突きをし、続いてバーバラは氷のやいばで通常攻撃と追加攻撃をヒットさせた。

 次のターンでミレーユはリベラにベホイミを唱えた。

 リベラとミラルゴはお互い通常攻撃をしてきて、お互いにダメージを与えた後、バーバラはぶっつけ本番でせいけん突きを繰り出した。

 幸いヒットはしたものの、一度も練習すらしたことが無かったため、通常攻撃と追加攻撃のダメージ程度にしかならず、結果的に強化攻撃にはならなかった。

 それを見ながらハッサンは大きく息を吸い込んだ。

 次のターンでミラルゴはミレーユのスクルトとリベラの通常攻撃に続いて、ランプのまじんを呼び出してきた。

(こいつは見るからに厄介な相手ね。)

(先にやっつけておくことにしよう。)

 バーバラとハッサンはとっさにターゲットを変え、ランプのまじんにそれぞれ通常攻撃とせいけん突きをヒットさせて何もさせずに追い返した。

(くっ…。4倍ダメージは少々こたえるぜ…。)

 ハッサンは一瞬顔をしかめたが、他の3人はそれに気づいていなかった。

 ミレーユは再度スクルト唱え、その直後にミラルゴが彼女に通常攻撃をヒットさせたが、ダメージは少なくて済んだ。

 続いてバーバラとリベラの通常攻撃がかわされた後、ハッサンは再度大きく息を吸い込んだ。

 次のターンでミレーユはバーバラの攻撃時の氷の追加効果がマホターン状態でも通ることを思い出し、試しに炎のツメでメラミを発動させた。

 彼女は一瞬はね返されたらどうしようかと思って身構えたが、幸いその心配は無用だった。

 その後、ミラルゴのベギラゴンに続いてリベラは通常攻撃をヒットさせたが、ハッサンはせいけん突きを当てた直後に突如痛みを訴え、その場に倒れ込んでしまった。

「どうしたの?」

「体に故障が発生したようだぜ…。これ以上は攻撃が出来ねえ…。」

 彼は倒れたまま、なかなか立ち上がれなかった。

「じゃあ、あたしにその剣とルビーを使わせて!」

「分かったぜ…。頼む…。」

 バーバラはきせきの剣と力のルビーを装備した。

 ミレーユとリベラはミラルゴのHPがあと少しと読んだため、回復よりも攻撃を優先することにし、それぞれ炎のツメのメラミと通常攻撃でダメージを与えた。

 ミラルゴはリベラに通常攻撃を仕掛けたがかわされてしまい、直後にバーバラが渾身のせいけん突きを繰り出し、今度は2倍ダメージが入ったこともあってついにミラルゴをKOさせた。

「すごい!バーバラ!」

「あなたでもここまでの攻撃が出来るのね。」

 リベラとミレーユはバーバラをたたえようとしたが、彼女の顔を見て表情が一変した。

ハッサン「おい!どうしたんだよ!その目!」

「目?そう言えば、何かチカチカするわね…。」

 不思議に思ったバーバラは持っていたきせきの剣で自分の顔を映し出した。

「えっ!?うそ…。何、この右目…。真っ赤じゃない…。」

 受け入れがたい事実を突きつけられた彼女はその場に剣を落とした。

 そして「イヤーーーッ!」と叫んだ後、、両手で顔を押えてその場にへたり込んでしまった。

リベラ「バーバラ、お医者さんのところに行こうよ。」

「イヤイヤイヤ…。こんな顔、他の人に見せたくない…。」

 彼女はショックのあまり、とうとう泣き出してしまった。

 その後、ミレーユはリレミトを唱えて外に出ると、ルーラでアークボルトに向かっていき、バーバラは自分のマントで顔を隠しながらハッサンと一緒に診察を受けた。

 その結果、ハッサンは肉離れが判明し、バーバラは目の内出血だった。

 バーバラの方はおおごとではないものの、今後格闘系の技を控えるように指示されたため、かまいたちを除く武闘家の特技が使えなくなってしまった。

 さらについでに診察を受けたリベラは右肩に疲労がたまっており、しばらく通常攻撃を控えることになった。

 

 リベラ達のパーティーは活動休止を余儀なくされたため、アモス、チャモロ、ホイミン、ピエールはミラルゴ討伐後の事後処理も兼ねて魔術師の塔に出向いた。

 内部に入ると、チャモロは口笛を吹いてみた。

 しかし、すでにボスが退治されたことに加え、こちらの半端ない攻撃力がすでに広まっていることもあってか、姿を見せたスライムつむりは戦おうとしなかった。

 どうしたんだろうと疑問に思ったホイミンは、彼女と話し合いをすることにした。

(※マリンスライムのマリリンが女性ということを受けて、スライムつむりもメスと解釈しています。)

 その中で、彼女はここにいるモンスター達がクビの宣告を受けていたことを打ち明けた。

「クビって、どういうこと?」

 ホイミンの問いかけに対し、彼女はホラーウォーカーとかくとうパンサーが旅人の洞くつで負けて、モンスターの本拠地に戻ってきた時のことを話した。

 彼らはリベラ達の強さについて大ボスに報告すると、彼から『ご苦労だった。お前達はもう必要ない!』と言われて戦力外通告を受け、奴隷のようにこき使わされそうな状況になってしまった。

 幸いその場を逃げ出しはしたものの、彼らは住む場所や戻る場所を失い、追っ手におびえながら失意の底にいた。

 その時にミラルゴが手を差し伸べてくれて住む場所を提供してくれた。

 そして再び体を鍛え直し、何とかもう一度日の目を見ようとしていた時にチャモロ達がやってきたため、背水の陣で戦いを挑んだということだった。

 しかし再度負けてしまい、その情報が偵察モンスターに伝わってしまったため、今度こそ戦力外間違いなしの状況になってしまった。

 さらにスライムつむり達も彼らをかくまったことで同じような境遇に置かれてしまった。

ホイミン「何だかかわいそうですね。」

「そうなの。ここに隠れていても捕まるのは時間の問題のような気がするし、かといって、下手に外を出歩けばいつ偵察部隊に遭遇するか分からないから、ここから出られないし、私…どうすれば…。」

 スライムつむりは今にも泣きだしそうな表情になった。

ホイミン「だったら、僕達と一緒に強くなろう。」

「えっ?」

「僕だって最初は弱かったんだ。でも人間に助けてもらって仲間になり、転職を通じてここまで強くなったんだよ。そしてその偵察部隊を追い返してやろうよ。」

「私もスライム格闘場をはじめとする競技会に向けた稽古をしているため、さらに強くなりたいと思っています。どうか、一緒に強くなりませんか?」

 ホイミンとピエールの提案を受けて、スライムつむりはそのことをホラーウォーカーとかくとうパンサーに相談しに行った。

 彼らはホイミンとピエールの前にやってきて、修業の相手をしてくれることになった。

「それじゃホイミン君、一緒に強くなりましょう!私はエスカ。よろしくね。」

 エスカと名乗ったスライムつむりは頼もしい仲間に出会えて大喜びだった。

 そして彼女はホイミンとピエールに住む場所を提供することを約束してくれた。

「それなら私もここに住まわせてください。」

 アモスはそう言うと、モンスターに変身した。

「ほーら、私はこーんなことも出来るんです。きっと役に立ちますよ!」

「キャーーッ!」

 エスカは思わず大声を上げながら驚いたが、ホラーウォーカーとかくとうパンサーは至って冷静だった。

 そしてアモス達をはじめとする人間も熟練度上げのためにここで修業が出来るようになった。

 




 今回登場したスライムつむりのエスカの名前の由来はカタツムリを意味するフランス語「escargot」から命名しました。
(※ちなみに英語はsnailです。)
 彼女の呪文耐性はスライムつむりに基づいていますが、HPなどのステータスや装備出来るアイテムはマリリンに準拠することにします。

 バーバラの右目が内出血で真っ赤になるシーンは、僕自身が過去に悩まされてきたことです。
 以前は一年に一度は起きてしまい、その度に人に会うのが怖くなりましたし、もしこの出血が脳の中で起きたらどうしようと思ったこともあります。
 ここ数年は起きていませんが、それでも僕は元々疲れ目やドライアイになりやすい体質の様で、なろうの時も含めて活動休止を何度か経験しています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。