You Are There   作:地球の星

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Quest.30 グラコス戦

 アイテム集めをしながら色々な場所を飛び回ったリベラとバーバラは、下の世界のライフコッドにやってきた。

 そこで彼らを待っていたのは村がモンスターに襲われている光景や、もう一人の自分だった。

 色々紆余曲折はあったものの、リベラは自身の実体と融合してライデインを習得し、魔王のつかいとの戦闘に挑んでいった。

「この敵は守備力が高いな。だったら、ライデインだ!」

「メラミがだめなら、次はかまいたちよ!」

 リベラとバーバラの攻撃の結果、前者は有効だったが、後者ではダメージを与えられなかった。

(こうなったら、悔しいけれど、あたしは回復に専念するしかないわね。)

 これ以降、リベラはひたすらライデイン、バーバラはベホマを繰り返した。

 そして5回目のライデインを唱えると相手の体は光に包まれていき、彼らは2人で戦闘に勝利した。

「この呪文、本当に使えそうだな。」

「そうね。イオラよりもずっと強力だから、リベラの切り札になりそうね。」

「うん。こんな攻撃手段を待っていたんだ。ぜひ使っていくことにしよう。」

 リベラはこれまで長い間火力不足に悩まされてきたため、これを身に付けたことで気持ちに弾みがついた。

 そして彼はレイドック城でセバスのかぶとを手に入れたため、守備力が上がっただけでなく、相手の呪文にかかりにくくなった。

 その際、城の井戸に潜んでいるモンスターを退治してほしいという依頼を受けたため、彼らはハッサンとミレーユに合流し、現地に向かっていった。

 

 2日間にわたって何度も戦闘を繰り返した結果、彼らの熟練度も飛躍的に上昇した。

 そしてバーバラはパラディンの条件を満たしたため転職し、続いてミレーユは待望のバイキルトを覚えた。

 それを知ったモンスター達はさすがにたまらんと判断したのか、お金や氷のやいば、カメのこうらなどのアイテムを置いて一斉に撤退をしていった。

 彼らはたまったお金で水の羽衣を購入した。

「バーバラ。これ、私が装備してもいいかしら?」

「うん。守備力ならあたしの方が高いし、気にしないで。」

「ありがとう。」

 ミレーユはバーバラに感謝をしながらそのアイテムを装備した。

 

 翌日。彼らは次の目的地として海底神殿に向かうことにした。

 現地では小さなメダルやマジカルスカート、ピンクパール、そして重要アイテムである砂のうつわを手に入れた。

 しかし仕掛けを一つ一つ解いていくのに時間がかかってしまい、その間に強力なモンスターと何度も戦う羽目になった。

 その中でミレーユはまずハッサンとリベラにバイキルトを唱えて攻撃力を上げ、さらにはおたけびやラリホーマを駆使して強力な補助役になった。

 炎の剣とスライムピアスを身に付けたリベラは、複数の敵を攻撃する時にはライデインを有効活用し、ミレーユにバイキルトをかけてもらった後は通常攻撃の威力をいかんなく見せつけた。

 きせきの剣と力のルビー、そしてまじんの鎧を身に付けたハッサンは順番が確定で最後になってしまったものの、バイキルトの効果もあってリベラ以上に半端ない攻撃力で相手をなぎ倒した。

リベラ「ミレーユ、どうもありがとう。」

ハッサン「おかげで安心して戦えるぜ。」

 2人が攻撃面で大活躍をする一方、バーバラは武器がはがねのムチと氷のやいばで、攻撃呪文もイオラだったため、力不足が目立つようになった。

(あたしのバイキルトの優先順位が低いのは仕方ないけど、3ターン目にかけてくれたっていいのに。)

 彼女は口にこそ出さないが、ミレーユに対して多少なりとも不満を抱えていた。

 しかし、途中でしんくうはを使えるようになり、MPを気にせずに全体攻撃を繰り出せるようになったため、その分のMPを使って彼女は回復役としての活路を見出した。

 

 彼らはボスであるグラコスの手前までたどり着いたが、その時点でMPがかなり消耗してしまったため、撤退を余儀なくされた。

 その後、マジカルスカートなどのアイテムを売った結果、水の羽衣がもう一着買えることになった。

「わーい!あたしもいい防具が装備出来たわ!」

リベラ「良かったね。」

「うんっ!早くあたしも着てみたかったから。」

 バーバラは大喜びしながらこれを装備し、彼女がそれまで装備していた神秘の鎧はリベラの手に渡った。

 

 翌日。再度神殿に乗り込んだ彼らは出来るだけ無駄な戦いを避け、ほとんど一直線にグラコスのもとに向かっていった。

「お、おでは、グラコスって、言うんだな。」

「き、君達は、おでを倒しに、来たのかな?」

「おで、カ、カルベローナ、封印、しているんだな。」

 グラコスはどこかマヌケな一面が目立ってしまい、ボスというような威厳が感じられなかった。

ハッサン「何だ、こいつは。」

バーバラ「ボスらしくないわね。」

 それを見て4人はどこかしらけてしまった。

 しかし、このモンスターのせいで困っている人達が大勢いる上に、彼が「おでと、しょ、勝負なんだな。」と言って襲い掛かってきたため、それを受けて戦うことになった。

 

 戦闘になると、ミレーユは早速リベラにバイキルトを唱えた。

 バーバラがスクルトを唱えた直後、グラコスはマヒャドを唱えて全員に強烈なダメージを与えた。

 リベラとハッサンはそれぞれ通常攻撃とはやぶさぎりでダメージを与え、神秘の鎧ときせきの剣の効果でHPを回復させた。

 次のターンでミレーユはハッサンにバイキルトを唱えて攻撃力を大幅に上げ、バーバラは自分にベホイミを唱えた。

 グラコスは振り回しを使い、リベラに通常攻撃を上回るダメージを与えてきた。

 それを受けてリベラは初めて実戦でハッスルダンスを踊ったが、回復量はわずかだった。

(まだマスター出来ていないのか。悔しいけれど、こうなったら僕は攻撃に専念しよう。)

 リベラは心の中でバーバラとミレーユに(ごめんね。)と謝った。

 ハッサンははやぶさぎりを叩き込み、攻撃と回復を同時並行で行った。

 次のターンでミレーユは自分にベホイミを、バーバラはリベラにベホマをかけてHPを回復させた。

 リベラは再度通常攻撃をヒットさせたが、その直後にグラコスがマヒャドを唱えてきたため、4人全員がダメージを受けた。

(くっ。ダメージの大きいせいけん突きをしたかったが、回復のことを考えて作戦変更だ。)

 ハッサンは急遽はやぶさぎりに切り替え、攻撃と回復を並行して行った。

 ミレーユとバーバラはそれぞれ自分にベホイミを唱えたが、その直後にグラコスが振り回しを使い、バーバラにヒットさせた。

(出来れば彼女を回復させたいけれど、ごめん。どうか持ちこたえてくれ!)

 リベラはハッスルダンスがほとんど効果を発揮しなかったこともあって、攻撃に専念することにした。

(確か以前、気合ためとせいけん突きでダメージが4倍になったな。そうなると、もしバイキルト状態で同じことをやってみたらどうなるんだろうか。故障明けで体がもってくれるか分からんが、やってみる価値はありそうだ。)

 ハッサンはそう考えると、大きく息を吸い込んだ。

 次のターンでミレーユとバーバラはそれぞれ自分にマホカンタとベホマを唱えた。

 リベラは通常攻撃を仕掛けたが、ここは運悪くかわされてしまった。

 グラコスはマヒャドを唱えてきたが、ミレーユは呪文をはね返したため、彼女だけはノーダメージだった。

 そして気合ためをしたハッサンは「うおおおおっ!!!」と叫びながらせいけん突きを叩き込み、4ケタに迫る超大ダメージを与えた。

「ぐあああっ!」

 攻撃自体は成功したものの、彼は左手で右手を押さえながらその場にうずくまってしまった。

「ハッサン、大丈夫なの?」

「まさか、故障したのか?」

 ミレーユとリベラは思わず彼のところに駆け寄ろうとした。

「手がしびれただけだ…。俺に…かまうな…。」

 ハッサンは彼らに戦い続けるように促した。

「じゃあ、あたしにその剣を使わせて!」

「分かったぜ。」

「うんっ!」

 バーバラは自身が持っていた氷のやいばをハッサンに渡し、きせきの剣を装備した。

「ミレーユ!あたしにバイキルトお願い。」

「えっ?でも…。」

「いいからお願い!リベラとハッサンばかりひいきしないでよ!」

 バーバラはこれまでバイキルトをかけてもらえなかった不満がたまっていたこともあって、きつい口調でミレーユに詰め寄った。

(ごめんね、バーバラ。今まで黙っていたけれど、実はお医者さんからあなたにバイキルトをかけないように通達されているの。私だってかけてあげたかったけれど、あなたのことを思っていたからこそ、こうしていたのよ。言えなくてごめんね。)

 ミレーユは心の中で何度も謝り続けた。

「もういいわ!あたしが自分で決着をつけてやるから!」

 とうとうキレたバーバラは医師から止められているはずのばくれつけんのモーションに入った。

 その時、リベラは通常攻撃をしようとしたが、グラコスは彼が至近距離までやってきたことを利用して、マヒャドを集中的に浴びせようとした。

「あっ、危ない!」

 バーバラはとっさにばくれつけんを取りやめ、リベラの前に立ちはだかった。

 そして彼女は身代わりになって呪文を浴びてしまい、ダメージを受けるとともに体が凍り付いてしまった。

「バーバラ!!」

 リベラは大声で叫んだが、彼女からの返事は無かった。

「どうして…。僕の身代わりなんかに…。」

 彼は受け入れがたい光景を見せつけられ、すっかり気が動転してしまった。

「リベラ!まだ戦闘中だぞ!」

「だって、バーバラが…。」

「いいから戦え!」

「でも…。」

「だったら、俺が代わりにやってやるぜ!」

 ハッサンは手が使えないのならと言わんばかりにまわし蹴りをくらわせたが、もろばぎりのような形になったのかその場に倒れ込んでしまった。

「いけない!このままでは彼が…!」

 ミレーユはとっさにベホマを唱え、そのおかげでハッサンは戦えないものの、かろうじて動ける状態になった。

 リベラはバーバラのことでまだ気が動転しており、行動が出来なかった。

 グラコスはミレーユに振り回しをしてきて、運悪くのど辺りにダメージを受けた彼女は、苦しみながらその場にうずくまってしまった。

 自分一人が取り残される形になったリベラは、どうすることも出来ずにいた。

 そんな中、ハッサンは装備していた力のルビーをリベラに渡してくれた。

「頼んだぜ…。お前なら出来るはずだ…。」

「分かった。僕がやってやる!」

 リベラは動揺から立ち直ると、スライムピアスの代わりに力のルビーを装備した。

 グラコスはリベラに通常攻撃を仕掛けてきたが、彼はうまくかわした。

(みんな、僕に力を貸してくれ!) 

 彼が炎の剣で力いっぱい攻撃をヒットさせると、グラコスはその場に倒れ込んだ。

(これで勝ったのか?)

 攻撃と同時にバイキルトの効果が切れたリベラが祈るように見つめると、やがてグラコスの体は光に包まれていき、ムドーを倒した時のように光が四方八方に散らばりながら、やがて姿が見えなくなっていった。

 

 戦いが終わったことを自覚すると、リベラはハッサンとミレーユにベホイミをかけ、さらにバーバラめがけてメラミを唱え、彼女を覆っていた氷を溶かした。

「ハア…、ハア…。苦しかった…。死ぬかと思ったわ…。」

 自由の身になった彼女は最初こそ肩で息をしていたが、後遺症も無くすぐに元気になってくれた。

「バーバラ!」

 リベラは彼女に駆け寄ると、思わずハグをした。

「きゃっ!いきなりどうしたのよ!他に人もいるのに、こんなの恥ずかしいよおっ!」

 まだ状況を理解出来ていないバーバラは思わずビックリしながら顔を真っ赤にした。

「良かった…。無事で…。」

 リベラは気持ちを押さえられず、顔をくしゃくしゃにしながら腕に力を込めた。

 

 一方、ミレーユは自分にベホマを唱えようとしたが声が出ず、呪文も発動しないことに気が付いた。

(そんな…。声が…。呪文が…。賢者である私がこんなことになるなんて…。)

 動揺しているのはハッサンも同じで、腫れあがった右手をじっと見つめていた。

(骨折か?いや、そんなことにはなりたくないぜ。とにかく、治療が必要だろうな。)

 受け入れがたい事実を突きつけられ、2人はもはやリベラとバーバラをイジるどころの状態ではなくなっていた。

 

 バーバラは気持ちが落ち着き、ハッサンとミレーユの状況を理解した後、彼らにベホマを繰り返し唱えた後、リレミトを唱えた。

 4人は地上に出ると、封印されていた大地であるカルベローナが上空に向かっていく光景を見ながら、治療に向かっていった。

 




 冒頭で登場した下の世界のライフコッドがダイジェストになっていますが、これは下の世界のターニアを出せなかったためです。
 僕はどうしてターニアを融合させなかったのだろう。そうすればあんなエンディングにならずに済んだのにという疑問をずっと持っていました。
(なお、前作のQuest.11と12でその疑問に答を出しています。)
 そして仮にターニアを出すとどうしても彼女を連れて上の世界のライフコッドに行くという発想になってしまうため、結果としてこのような形になりました。

 グラコスとの戦闘では当初、バーバラがマホトーンでマヒャドを封じて戦い、氷の息で彼女が動けなくなる内容でした。
 しかしその内容で書き上げた頃に突然彼女が僕の部屋にやってきて、
「ちょっと、うp主さん!あたしにグラコスのばーつーなんか浴びせないでよ!きったないわね!」
 と言い出したため、内容を変えることにしました。
(※まさか彼女が来るとは思っていなかったので、僕は超ビックリでしたけれどね。)
 彼女は着ていた服や水の羽衣、風の帽子などの洗濯を僕にお願いした後、お風呂に入っていきました。

 とりあえずバーバラはしばらくの間僕の服を着ることになり、部屋で色々会話をしました。
 その後、服が乾いたこともあって、彼女はこちらの世界を見て回りたいと言い出しましたが、彼女が免疫を持っていないことが気になったため、「濃厚接触者」という言葉を用いてこの世界の事情を話しました。
 すると彼女が突然「何よそれ!うp主さん、あたしに何するつもりだったのよ!このドえっちいっ!」と言ってビンタをした後、自分の世界に帰っていってしまいました。
 イ〇キのビンタより(多分)痛かったけれど、僕は幸せでした(笑)。
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