You Are There   作:地球の星

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Quest.33 ヘルクラウド城

 水晶玉越しにテリーがモンスターと手を組んでいる光景を見たミレーユは、ショックのあまりに声が全く出なくなってしまった。

(みんな、ごめんね…。ごめんね…。私のせいで迷惑をかけて…。)

 ミレーユは口パクで謝り続けた。

「まあ、こうなってしまったのは仕方ないぞい。とにかくこれからの戦闘でバイキルトは絶対に必要じゃろうから、他の者に覚えてもらうと良いぞ。」

 グランマーズは懸命に冷静さを保ちながらみんなにアドバイスをした。

「分かりました。じゃあバーバラ、アモスさん。頼んだよ。」

「うんっ!絶対に覚えてみせるからね。」

「私も頑張らせていただきます。」

 リベラの提案を2人は快く承諾してくれた。

(※実際にはリベラ自身もラミアスの剣の道具使用でバイキルトを使えますが、自分にしか効果が無いため、彼らに協力してもらうことにしました。)

 そして6人は魔術師の塔に行き、スライム格闘場のHランク突破に向けて努力をしているホイミンやピエール、そしてエスカやホラーウォーカーやかくとうパンサー、さらに別の場所からやってきたモンスター達の協力を得ながら、熟練度上げに励んだ。

(ミレーユは一刻も早く聖なるほこらに行きたがっているようだけれど、ここは何とか我慢してもらおう。ハッサンも右手の状態がまだ気になる状態だし、お金も貯めて炎の剣をもう一本買っておきたいし…。)

 リベラは修行をしながら策を色々練っていた。

 

 やがてアモスが賢者の熟練度が3になり、待望のバイキルトを覚えると、彼は武闘家に転職した。

 その頃にはハッサンも通常攻撃が問題なく出来るようになり、回数制限付きながら2倍までの強化攻撃が許可された。

 そのため、ここぞという場面ではバイキルト状態で通常攻撃、または通常の攻撃力でせいけん突き、ばくれつけん、はやぶさぎりが出来るようになった。

 ミレーユは未だに声が出ず、呪文も唱えられない状態だったが、バイキルト状態で通常攻撃をする形で戦力としての目途が立った。

 そして金策や余った道具の売却などを合わせた結果、炎の剣がもう一本手に入った。

 そのタイミングでバーバラも賢者の熟練度が3になったため、一行はいよいよ目的地に乗り込んでいくことになった。

 

 6人がこの時点で就いている職業と装備品

 リベラ(勇者:4)… ラミアスの剣、オルゴーの鎧、スフィーダの盾、セバスのかぶと、はやてのリング

 ハッサン(バトルマスター:7)… 炎の剣、神秘の鎧、力の盾、メタルキングヘルム、スライムピアス

 ミレーユ(盗賊:7)… 誘惑の剣、炎のツメ、ゲントの杖、水の羽衣、メタルキングの盾、風の帽子、力のルビー

 バーバラ(賢者:3)… カルベロビュート、水の羽衣、魔法の盾、風の帽子、星降る腕輪

 チャモロ(武闘家:7)… 炎の剣、スライムアーマー、魔法の盾、スライムメット、スライムピアス

 アモス(武闘家:4)… きせきの剣、まじんの鎧、プラチナシールド、プラチナヘッド

 

 聖なるほこらにたどり着いた彼らはそこに仕掛けられた謎を解き、ヘルクラウド城への道を開いた。

 すると、まるでそれを見計らったかのように大勢のモンスター達が現れた。

 

 リベラ達はまずベホマスライム、キングスライム、ぶちベホマラー、スライムベホマズン一匹ずつと戦闘になった。

(※ハッサンとミレーユは控え。)

 最初に行動をしたバーバラはしんくうはを使った。

 幸い誰も耐性を持っていなかったため、まともにダメージが入った。

 相手の中で最も素早さの高いベホマスライムはすかさずベホマを唱え、自分のHPを全回復させた。

 続けざまにリベラはライデインを唱え、さらにダメージを与えた。

 本来ならここでぶちベホマラーがダウンするはずだったが、キングスライムすんでのところでベホイミを唱えたため、どうにか踏みとどまった。

 そのぶちベホマラーはベホマラーを唱え、全員のHPをかなり回復させた。

 チャモロはキングスライムにせいけん突きを浴びせたが、直後にスライムベホマズンがベホマズンを唱えたため、全員のダメージを完全にリセットされてしまった。

 そしてアモスはバイキルトを唱えてチャモロの攻撃力を上げ、ここでミレーユと交代した。

 次のターンでバーバラはリベラにバイキルトを唱えた。

 そして攻撃力の上がったリベラは一撃でスライムベホマズンを倒した。

 キングスライムはチャモロのせいけん突きでKOになり、ミレーユはベホマスライムに通常攻撃を浴びせたが、ダウン寸前でベホマを唱えられたため、結果的に無駄行動になってしまった。

 ぶちベホマラーは通常攻撃をリベラに当てたが、高い守備力が響いてそれ程のダメージにはならなかった。

 次のターンではみんなで総攻撃を浴びせていき、これで勝負ありとなった。

 

 次の戦闘はラストテンツク4匹だった。

 バーバラとリベラは先程と同じくしんくうはとライデインを使い、残り一匹まで追い詰めたが、6人はまねまねによるしんくうはで大ダメージを受けてしまった。

 しかしミレーユが通常攻撃を浴びせるとそこで攻撃が終了したため、この敵は足止めをしてから戦う方がいいことを学んだ。

 次はボストロール一匹との戦闘だったが、バーバラの通常攻撃とリベラのムーンサルトで決着をつけた。

 時を同じくして他の4人はトロル3匹と戦闘になった。

 幸い素早さは低いため、アモス以外は全員先に行動出来た。

 それをいかしてチャモロはおたけび、ミレーユは通常攻撃と混乱の追加効果、ハッサンはラリホーで足止めをした。

 ターン最後に行動したアモスはベギラゴンを唱え、3桁に迫るダメージを与えた。

 その後はチャモロがせいけん突き、ミレーユが通常攻撃と混乱、ハッサンがまわし蹴りを浴びせて頭数を減らしていき、アモスのベギラゴンと合わせて決着をつけた。

 すると間髪入れずにブースカ3匹との戦闘になった。

「ムドーかこいつら?」

「確かに似ていますね。」

 ハッサン、チャモロはムドーのトラウマを持っているだけに、早く片づけたい気持ちでいっぱいだった。

 バーバラはリベラにバイキルトを唱え、その直後に彼はブースカAに大ダメージを与えた。

 続いてチャモロはせいけん突きをAにヒットさせてダウンさせた。

 しかしそこからBがイオナズンを唱え、Cが先程相手をしたベホマスライムを呼び出してきた。

 ミレーユは通常攻撃をベホマスライムにヒットさせ、ハッサンの通常攻撃と合わせて何もさせずに追い返した。

 アモスはバイキルトを唱え、チャモロの攻撃力を上げた。

「それじゃ、バーバラは下がっていてくれ。」

「えっ?何で?あたし、ミレーユにバイキルトを唱えたいのに。」

「君は今、賢者だからHPが少ないし、君が倒されるシーンを見るのは耐えられないから。」

「…分かったわ。」

 リベラの提案を受けて、彼女は後ろに下がっていった。

 次のターンでリベラはハッスルダンスを踊り、全員のHPを回復させたが、Cがイオナズンを唱えてきたため、それ以上のダメージを受けてしまった。

 ミレーユは通常攻撃をBに当て、続けざまにチャモロがせいけん突きを決めたため、残りはあと一匹になった。

 ハッサンはここぞとばかりにばくれつけんを浴びせ、アモスの会心の一撃と合わせてどうにか勝負をつけた。

(ふう…。もしバーバラが参加していたら危ないところだったな。)

 リベラは自身もHPをかなり減らしながらも、心からほっとしていた。

 そしてチャモロとアモスがベホマを唱え、全員のダメージをリセットした。

 

 その後も戦闘は続いたが、バーバラ、リベラ、アモスがバイキルトを使えることもあり、2ターン目からは攻撃力が半端ない状態になった。

 それを見たモンスター達はとてもかなわないと思ったのか、次第に戦意を喪失し、旅の扉を使ってヘルクラウド城へと逃げていった。

「おっと!逃がすものか!」

 リベラ達は扉が閉まる前に次々と入っていき、目的の城にたどり着いた。

 

 中に入っていくと、奥の方から図太い声が聞こえてきた。

「お前達、なぜ私の命令を無視した?」

 その声は聞いただけでひるんでしまいそうなほどの迫力があり、リベラ達は思わずビクッとした。

「し、しかし、何故自分達を足止めさせたんですか?」

「あんな人間達など、自分達で片づけられるのに。」

 部下のモンスター達はじっとしていられなかったため、命令を無視して行動した理由を打ち明けた。

「そう言って、そのざまは何だ!やられているではないか!」

「ひいっ!申し訳ございません!」

「とにかく私の命令に背くことは許さん!お前達はクビだ!おろかものよ、立ち去れい!」

 ボスと思われるモンスターが怒りに満ちた声で叫んだ後、地響きのような音が響き渡り、部下達は「ぐああああっ!」と叫んだ後、その声が聞こえなくなった。

「何だか、すごい迫力でしたね。」

「恐らく、相当強い相手なのは間違いないな。」

「果たして勝てるのかしらね。」

 チャモロ、ハッサン、バーバラは不安を感じずにはいられなかった。

「こうなったら、装備を少し入れ替えよう。」

 リベラの提案を受けて、ミレーユの装備しているメタルキングの盾と力のルビーとアモスが装備しているきせきの剣はハッサンが装備し、アモスは炎の剣と力の盾を装備した。

 

 城内ではそれなりの数のモンスター達がいたが、戦闘になることは無かった。

 その甲斐もあって6人はアイテムを手に入れながら奥へと向かっていき、やがて図太い声の主である大ボスのところにやってきた。

「リベラよ、よくぞここまで来た。私の名前はデュラン。私は待っていたぞ。そなたのような伝説の武具をそろえた勇者が現れることを。」

 デュランと名乗った大男は、威厳のある声で語りかけてきた。

 リベラ達は思わず身構えたが、デュランは仁王立ちしたまま戦う素振りを見せなかった。

「もし、その伝説の武具を私に渡してくれるのであれば、世界の半分をそなたにやろう。」

「えっ?世界の半分って?」

「上の世界と下の世界のどちらか半分というわけだ。どうだ?その武具を渡すか?」

「いえ。渡しません。」

 リベラはデュランの誘いには乗らず、きっぱりと断った。

「そうか。分かった。それでこそ、私の見込んだ勇者にふさわしい。では正々堂々と勝負だ。だが、その前に私の優秀な部下と勝負をしてもらおう。」

 デュランはそう言うと、全員のHPとMPを全回復させてくれた上で、キラーマジンガとランドアーマーを呼び出してきた。

「今からお前達の実力を見せてもらう。私はじっくりと拝見させてもらうぞ。お前達、全力で戦え!」

 ボスの命令を受けてキラーマジンガは気合を入れ、ランドアーマーはコクリとうなずいた。

 戦闘になると、キラーマジンガは圧倒的な攻撃力に物を言わせてチャモロを一気にKOさせてしまった。

 リベラ達は仲間が1ターンで倒されたことにショックを受けたが、素早く気持ちを切り替えることにした。

 バーバラはバイキルトを唱えてミレーユの攻撃力を上げ、続けざまにリベラがムーンサルトを使った。

 しかしランドアーマーがキラーマジンガをかばったため、事実上はバイキルト状態で前者を攻撃した形になった。

 それを見てミレーユとハッサンは通常攻撃でランドアーマーを攻撃した。

 アモスは魔力をため込もうとしているバーバラをかばった。

 それを見てキラーマジンガは再び強烈な攻撃をしてきて、アモスをKOさせてしまった。

(お願い。どうかうまくいって!)

 バーバラはその場にうずくまるアモスを見ながら全ての魔力を解き放った。

「くらえーーっ!マダンテーーーッ!!」

 次の瞬間、彼女の体はまぶしいまでの光に包まれていき、強烈な一撃が相手を包み込んだ。

 光がおさまった後、ランドアーマーは完全にKOだったものの、キラーマジンガはかろうじて踏みとどまっていた。

 しかしリベラが通常攻撃で倒したため、見事に戦闘に勝利をした。

 

「うむ、見事だった。お前達の実力はかなりのものだな。では次の戦闘の前に傷ついた者のHPを回復させることにしよう。」

 デュランはそう言うと、チャモロとアモスをどうにか立ち上がれる状態にしてくれた。

「では、次の戦いだ。テリー、こちらに来い。」

「はっ。」

 物陰から姿を現したテリーは氷のように冷酷な視線を浴びせながらリベラ達の前に姿を現した。

「こいつは力を求めて私のもとにやってきた人間だ。その熱意を感じて私は彼に色々なことを教えた。そしてモンスターも人間も関係なく、目的を果たすために強い相手と戦うことを生きがいにしている。だから今回、お前達と戦ってもらう。テリー、今までの成果を見せてみろ。」

「はっ。デュラン様の仰せのままに。」

 テリーはらいめいの剣を抜くと、戦闘態勢に入った。

(この人は命の木のところで出会った少年ですね。彼はあの時でもかなりの実力を見せていましたが、果たして今度はどうなんでしょうか?)

 アモスは彼との戦闘で間一髪逃げ出した経験があるだけに、警戒心をあらわにした。

 すると時を同じくして、ミレーユはわなわなと震え出し、彼の名を叫ぼうとした。

 しかし声が出ない彼女は何も言えず、止めに入ることは出来なかった。

 この時点でチャモロとアモスは動けるものの戦闘に参加出来ず、バーバラはマダンテの反動もあって不参加。ミレーユはとても戦える精神状態ではないため、リベラとハッサンだけで相手をすることになった。

 素早さの高いテリーは先制でらいめいの剣を使ってきた。

 するとリベラはムーンサルトをヒットさせた。

 ハッサンはせいけん突きをしかけたが、かわされてしまった。

 次のターンでテリーはルカナンを唱えて2人の守備力を下げた。

 彼らは自力で守備力を上げる手段が無かったが、ターン終了時にHPがある程度回復するため、構わずに攻撃を続けることにした。

 一方でテリーはすでに僧侶をマスターしていることもあってベホマを唱え、受けたダメージをリセットしてしまった。

(せっかくダメージを与えても回復されるのは厄介だな。)

(それでも下手に大技が使えない以上、地道に攻撃するしかないな。)

 覚悟を決めたリベラとハッサンはそれぞれムーンサルトと通常攻撃を仕掛けたが、両方ともかわされてしまった。

 一方、テリーはらいめいの剣のライデインでダメージを与えた。

 リベラはラミアスの剣を道具使用して攻撃力を上げ、ハッサンはぶっつけ本番でかまいたちをヒットさせた。

 しかしテリーはダメージが蓄積するとベホマで回復をしてしまうため、勝負はこう着状態になってきた。

「フンッ!2人がかりでも俺を倒せないのか!情けねえな。」

「何だと!だったらやってやろうじゃねえか!」

 テリーの発言を受けてハッサンは頭に血がのぼり、1対1での勝負を受けて立った。

 するとミレーユはその戦闘を止めようと、懸命にテリーの名前を叫んだ。

 それでも声は出ないままだったが、心の底から彼の名前を叫び続けた。

 すると…。

「………テ、テリーーーーーッ!!!」

 




 主人公達がステータスアップのアイテムを見つけた時、基本的にこのように使用しています。

・命の木の実:バーバラ(時々ミレーユ)
・不思議な木の実:リベラ、チャモロ、アモスでローテーション
・力の種:リベラ、バーバラ、ピエールでローテーション
・守りの種:ハッサン、アモス、ピエールでローテーション
・素早さの種:ミレーユ、ハッサン、チャモロでローテーション
・賢さの種:売却orポイ
・うつくしそう:ミレーユ
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