ずっと探していた姉と再会し、仲間に加わったテリーだったが、彼の心は未だにすさんだままだった。
そのため、なかなかパーティーの中になじめず、彼はことあるごとにいざこざを起こしていた。
「言い方ひとつでいちいちキレられたらこっちが持たねえぜ。」
「テリーさんの態度のせいで雰囲気が悪くなるんですけれど。」
「それでも彼はミレーユさんの弟です。それに実力は確かなものを持っていますから、きっと役に立ってくれるはずです。それまで多少のことは我慢しましょう。」
アモスは不満をためているハッサンとチャモロを懸命に説得した。
一方、ミレーユはいつもテリーのそばにいて、彼の心のケアをしていた。
「俺、やっぱり居場所がねえぜ。他の奴らに迷惑かけてばっかりだし、やっぱり一人で旅をした方がいいと思うんだがな。」
「それなら私もついていくわ。テリー。」
「いいよ。姉さんにまで迷惑かけちまうからよ。」
「それでもあなたは私の弟なの。お願いだからどこにも行かないで。たとえ世界中の人達から見放されたとしても、私はそばにいるわ。」
「フンッ!そこまで言うのなら、勝手にしろ。俺は別に一人でも構わん。嫌になったらいつでも俺のところから出ていっていいからな。」
「……。」
ミレーユはとうとう何を言えなくなってしまい、黙り込んでしまった。
しかし、自分でこの荒れすさんだ心を開かせたいという決意は固かった。
そのため、彼女はどんなに不穏な雰囲気が漂う状況になっても、テリーのそばに居続けた。
その頃、ゼニス王と会って話をしたリベラとバーバラは、井戸を使って下の世界にやってきた後、魔術師の塔にやってきた。
現地ではホイミンとピエールがエスカをはじめとする仲間モンスターの治療を受けていた。
「こんにちは。お見舞いに来ました。」
「2匹とも、元気になった?」
リベラとバーバラの問いかけに対応したエスカは、彼らが順調に回復に向かっていることを伝えた。
「それなら良かった。僕達、本当に心配していたから。」
「でも、復帰までには長い道のりになりそうね。」
「うん。ピエール君はもしかしたらこのまま引退するかもしれないし、ホイミン君も良くてホイミタンク程度になりそうなのよ。」
「じゃあ、かなりの重傷だったんだね。」
エスカの衝撃発言を聞いて、リベラは動揺を隠せなかった。
さらに彼女は治療のために塔から離れられず、パーティーメンバー復帰はとても考えられない状況だった。
(このままでは人数が減る一方だな。何とか新たな仲間を加えなければ…。)
彼が頭を悩ませていると、その雰囲気を察したエスカは紹介したいモンスターがいることを申し出た。
「どう?連れてきてもいいかしら?」
「いいわよ。今あたし達は仲間達が必要だから。」
「分かったわ。じゃあちょっと待ってて。」
バーバラが同意してくれたことを受けて、エスカは一旦その場を離れていった。
しばらくすると、彼女は一匹のバトルレックスを連れて戻ってきた。
「君達…、以前…、私と…戦った…ギルルルン…。」
そのモンスターはドランゴで、彼女はバーバラを見るなり「あの…時は…、本当に…ごめんなさい…、ギルルルン…。」と言って謝ってきた。
「まだ気にしていたの?あたしはもう気にしてないわよ。」
「でも…私…、君の…行動を…制限…させてしまったから…。」
「大丈夫。今はもうバイキルトをかけても平気になったから。」
バーバラは未だに自責の念を引きずっている彼女に対し、笑顔で接した。
それを受けて、ドランゴの表情も徐々に明るくなっていき、正式に仲間に加わることになってくれた。
「分かりました。では、一緒に頑張りましょう。」
リベラは笑顔でドランゴを迎え入れてくれた。
新たな仲間が加わったことを受けて、リベラは彼女を連れて塔から飛び立っていき、仲間達にドランゴの紹介をすることにした。
一方、バーバラは塔に残り、エスカとともにホイミンとピエールの世話をしながら現地でパラディンの熟練度を上げることにした。
「おおっ!ドランゴはそこまでの能力を持っているのか!」
「これは即戦力級ですね!ぜひよろしくお願いします!」
「私もドラゴン職に就いた身ですし、色々教えてください。」
ハッサン、アモス、チャモロは大きな期待を寄せながら、喜んで仲間に迎えてくれた。
次に彼らはミレーユとテリーのところに行き、ドランゴを紹介した。
「私達と一緒に頑張りましょう。」
「フンッ!加わりたいなら勝手にしろ!」
ミレーユが笑顔で応対するのに対し、テリーは相変わらず不愛想だった。
「ギルルルン…。でも…、テリー…。お前も…きっと…役に立つ…。ギルルルン…。」
ドランゴは彼の実力を知っているだけに、素直に期待を寄せていた。
その後、リベラ達7人と一匹はある程度熟練度を積み上げた後、天馬の塔へと乗り込んでいくことにした。
テリーは相変わらずひねくれた性格をしているため、雰囲気自体は決していいとは言えなかったが、それでもリベラとドランゴの強い希望により、彼も加わることになった。
塔の内部では、強力なモンスター達がうようよいて、少し進むだけで戦闘になった。
しかも彼らはデュランによって行動を制限されていたため、彼がいなくなった今、羽目を外したかのように暴れまわっていた。
一方、リベラ達はパーティーを2つに分け、戦闘の度に交代をすることになった。
パーティー1
リベラ(勇者:6)、ハッサン(僧侶:2)、バーバラ(パラディン:4)、アモス(賢者:5)
パーティー2
ミレーユ(賢者:6)、チャモロ(ドラゴン:2)、テリー(バトルマスター:2)、ドランゴ(ドラゴン:5)
(※ハッサンはバトルマスターを極めたため、僧侶に転職しました。)
(※テリーは魔法戦士でバイキルトを覚えた後、バトルマスターに転職しました。)
(※ドランゴは以前ホイミン達と旅をしたため、ドラゴンの熟練度が上がっています。)
最初の戦闘はキラーマシン2が2匹とキラーモス3匹で、リベラ達が戦うことになった。
星降る腕輪のおかげで最初に行動したバーバラは通常攻撃でキラーマシン2を攻撃した。
キラーモスAとCはハッサンに通常攻撃をしてヒットさせた。
次にBはまぶしい光でリベラとアモスの目をくらませた。
しかしリベラのギガスラッシュで3匹は一気にKOになった。
キラーマシン2Aは一回行動だったがリベラに斬りつけをしてきて、Bは2回行動でアモスを集中攻撃し、いずれもヒットさせた。
ハッサンは岩石おとしでAをKOさせ、最後に行動したアモスは賢者の石を使ってHPを回復させた。
次のターンでバーバラは再度通常攻撃を当て、勝負を決めた。
リベラ「ふう…。手強かったけれど、どうにか勝てたね。」
テリー「フンッ!そんな苦戦をするようじゃ、まだまだだな。」
ハッサン「何だと!もう一度言ってみろ!」
「何度でも言ってやるよ。まだまだだな。」
「てめえっ!」
「2人ともやめなさい。」
ミレーユはとっさに彼らの間に入った。
それを見て、彼らはそれ以上はやり合おうとはしなかった。
次の戦闘はヘルジャッカル3匹とレジェンドホーン2匹だった。
先手を取ったミレーユはバイキルトを唱えた。
攻撃力の上がったテリーはレジェンドホーンAにせいけん突きを浴びせ、一発で倒した。
一方のBはお返しとばかりにかまいたちを使い、テリーにダメージを与えた。
ヘルジャッカルAとCは通常攻撃と噛みつきでミレーユとドランゴにダメージを与えた。
続いてBは氷の息を吐こうとしたが、チャモロのおたけびでひるんだため、行動を防ぐことが出来た。
そしてドランゴは激しい炎で攻撃をした。
次のターンでドランゴは先制攻撃で再度激しい炎を吐いた。
続いてテリーははやぶさぎりでレジェンドホーンBを倒した。
先程ひるんだヘルジャッカルBは今度こそ氷の息を吐いてきた。
HPが減ってきたこともあってミレーユはベホマラーを唱え、全員のHPを回復させた。
そのおかげで3人と一匹はAとCの攻撃にも持ちこたえることが出来た。
ターンの最後に行動したチャモロは火の息を吐いたが、ほとんど無駄行動になってしまった。
「みなさん、ごめんなさい。」
「気にしないで。次で決着をつけるわよ。」
「分かりました。」
ミレーユのおかげで立ち直ったチャモロは、次のターンで先制攻撃し、急所突きでCをKOさせた。
残った一匹はテリーが通常攻撃で倒したため、何とか勝利することが出来た。
「フンッ!つまらん戦闘だったな。こんな程度の奴らか。」
「そう言うお前はミレーユにバイキルトをかけてもらっているだろ。」
「姉さんがかけたからこうしただけだ。当初はライデインで攻撃するつもりだったがな。」
「お前、感謝って言葉を知らねえのかよ。」
「フンッ!知ったことか!」
テリーとハッサンは再び一触即発の雰囲気になりながらも、ミレーユのおかげでどうにかけんかにならずに済んだ。
その後、何度か戦闘を繰り返しながら最上階までやってきた彼らは、ボスであるあやしいかげ、ランプの魔王、デビルパピヨンと戦闘になった。
(スタメンはリベラ、バーバラ、テリー、ドランゴ。)
バーバラはバイキルトを唱えて自身の攻撃力を上げた。
するとあやしいかげが怪しい霧を使い、バーバラの呪文効果を解除してきた。
「何よもうっ!あたしの呪文が台無しじゃない!」
彼女は思わず頭に血がのぼってしまった。
デビルパピヨンは猛毒の霧を吐いてきて、リベラとバーバラが毒を受けてしまった。
その中でリベラは気持ち悪さとたたかいながらムーンサルト、テリーはライデイン、ドランゴは激しい炎でまずデビルパピヨンを倒した。
ランプの魔王はバギクロスで大ダメージを与えてきた。
次のターンでバーバラは気持ち悪さとたたかいながら、パラディンの特殊能力をいかしてあやしいかげを一発で消し去り、残りはランプの魔王のみとなった。
リベラはギガスラッシュでランプの魔王に大ダメージを与え、途中にベホマラーを唱えられながらもテリーとドランゴのダブルはやぶさぎりで決着をつけた。
「ちょ、ちょっと解毒頼む。」
「あたしもお願い。」
リベラとバーバラのお願いを受けて、ミレーユはキアリーを唱えてくれた。
「ふう…。どうもありがとう。」
「おかげで助かったわ。」
2人は笑顔で彼女に感謝をした。
しかしボスがいなくなったといはいえ、モンスター達はその後も襲い掛かってきたため、戦闘はまだまだ続いた。
「熟練度は上積み出来たけれど、疲れたわね。」
「でも、先の世界に進めばまだまだ強い敵はいるわけだよな。」
「はい。出来ることならもう少しいい装備が欲しいですね。」
「果たしてそんな装備品があるんでしょうか?」
「それならおばあちゃんに聞いてみましょう。」
バーバラ、ハッサン、アモス、チャモロの会話を受けて、ミレーユはグランマーズのところに行くことを提案した。
そして一行はミレーユがかぶっている風の帽子で飛び立っていった。
本来なら天馬の塔でボスとして登場する敵はランプの魔王、デビルパピヨンに加えてホ〇ゴーストですが、その名前がナ〇スドイツの行為と紛らわしいという理由で、あやしいかげに変更しました。
(能力に変更は無し。)
僕はこれまで色々な国の人達と会話をしてきましたが、その中でヨーロッパの人達がナ〇スを連想させるような言葉を避ける傾向が強いことに気づいたため、このような処置を取りました。