けがでダウンしてしまったバーバラは、ターニアとミレーユに薬を塗ってもらった。
そして、ミレーユに定期的にホイミをかけてもらいながらベッドで一晩ゆっくり休んだ。
その結果、翌日の朝には立って歩ける状態になった。
「バーバラ。元気になってくれて良かったよ。」
家に戻ってきたリベラは彼女に優しく声をかけた。
「ごめんね…。」
「謝らなくていいよ。」
「でもあたし…。」
バーバラは今までよりさらに迷惑をかけていることで、悔しい気持ちでいっぱいだった。
「でも君は頑張っているよ。それは痛いほど伝わっているからね。」
「うん…。」
リベラはその後も何とかして彼女を励まそうとしたが、なかなか気持ちは好転しなかった。
すると、ハッサンが「おーーい、メシの準備出来たぞ!」と言いながら部屋に入ってきたため、2人は寝室を出ていき、ターニアを含めて他のみんなと一緒に食事をした。
食事が終わると、バーバラは少しでも貢献出来るように気合いを入れた。
そしてリベラから号令がかかると、大きく深呼吸をしてパーティーに合流した。
「それじゃターニア。行ってくるね。」
「お兄ちゃん、そしてみんな。行ってらっしゃい。」
一同「行ってきます。」
彼らはターニアにあいさつをすると、家の外に出ていった。
一行は再び地底魔城に行き、熟練度上げに精を出した。
しかしまたしてもアイテムは手に入らず、しかもハッサンとチャモロがここでの活動に飽きたと言い出したため、リベラはここから撤収をすることにした。
そしてルーラでマーズの館に向かい、グランマーズに別の場所がないか相談をした。
「それならこの場所に行ってみてはどうじゃ?」
リベラ「ここはどこですか?」
「モンストルの町じゃよ。」
「モンストル?聞いたことないですね。」
「行くのはそんなに難しくないし、メラミが通じる相手も多いから、熟練度を稼ぐにもちょうどいい場所じゃ。行ってみる価値は十分にあるぞい。」
「そうですか。分かりました。では、早速行ってみることにします。」
「行っといで。いい結果を期待しておるぞい。」
「分かりました。」
リベラはコクッとうなずいた。
そして一行はルーラで飛び立っていった。
町にたどり着くまでの間、彼らはモンスターや自称トレジャーハンターを名乗る強盗、さらに野生動物に出会い、何度か戦闘をした。
幸い、みんなでメラミを使えば大抵苦戦をすることもなく勝てる相手だった。
ただ、バーバラは時々防御をして攻撃がお休みになり、さらにリベラが彼女をかばったために、その分戦闘が長引いてしまうことがあった。
それでもダウンせずに何とか切り抜けることが出来、一行は無事目的地にたどり着いた。
モンストルの町に入ると地面には無数の巨大な足跡があり、ただならぬ雰囲気が漂っていた。
「何だ?この町は。」
「見るからに不気味ですね。」
「何か騒動でもあったようね。」
ハッサン、チャモロ、ミレーユは動揺を隠せずにいた。
町の人に話を聞いて回ると、外に出ていくように忠告をされてしまった。
「何よ。一休みさせてくれたっていいじゃない!」
バーバラは不満げな表情で言い放った。
しかし町の人も引き下がらなかったため、仕方なく町の外に出ていった。
するとすぐに踊る宝石に出くわし、戦闘になった。
この敵はメラミが効きにくく、しかもマホトーンを唱えてきたため、せっかくの作戦が通用しなかった。
しかも守備力が高く、ダメージが通りにくいため、この敵に関しては逃げるを選択した。
何度か戦闘をしているうちにMPも減ってきたため、一行は再び町に入っていき、宿屋に泊めてもらえるようにお願いをした。
しかし、かたくなに拒否されてしまったため、仕方なく一行は町から出ていくことにした。
なお、この日手に入れたアイテムはくさった死体からただの布切れとケダモンから毛皮のフードだった。
彼らはこれらを道具屋で売ってお金にし、それからライフコッドに向かっていった。
翌日。再びモンストルの町にやってくると、チャモロはそれまでに鍛えた話術を駆使して交渉をした。
すると、町の人は渋々ながらも入れてくれて、事情を話してくれた。
彼らの話では、ここには町を救った英雄アモスが住んでいるということだった。
チャモロ「英雄だなんて凄いですね。」
「でも…。」
アモスについて話してくれる町の人の表情はさえなかった。
「どうしたんですか?彼の身に何かあったんですか?」
「それは…、部外者には言えません。」
「言えば大変なことになってしまう…。」
町の男性、そして女性の人はなかなか口を開こうとしなかった。
「お願いします。僕達で良ければ、その問題をきっと解決してみせます。」
「そうだぜ。俺達はこれまで数々の強敵を倒してきたしよ。」
リベラとハッサンはやる気満々だった。
男性「本当ですか?」
「任せてください。」
リベラ達が町の人を説得すると、その熱意におされる形で町の人は出来る限りの情報を伝えてくれた。
バーバラ「ふうん。その男の人はモンスターにおしりを噛まれたせいで、変身してしまうようになってしまったのね。」
ミレーユ「そして夜になる度に町を荒らしてしまい、結果的にこんな状況になってしまったんですね。」
女性「はい、そうです。でも、あるアイテムを使えば、これを解決出来るかもしれないんです。」
チャモロ「どんなアイテムなんですか?」
彼女は昔、ある男性に「りせいのタネ」を飲ませてあげた時の話をしてくれた。
リベラ「つまり、そのアイテムがあればアモスさんを助けられるということなんですか?」
男性「多分そうなるのではないかと思います。確信は無いですけれど。」
「とにかくやってみることにします。これから僕達がそのアイテムを取ってきますので、場所を教えてもらえませんか?」
リベラの依頼を受けて、男性はここから北の洞くつを抜けた先にりせいのタネがあることを教えてくれた。
「分かった。じゃあ、早速行ってくるぜ。」
ハッサンは得意げな表情で答えた。
そして町の人は外に出ていく5人の姿を見守った。
洞くつでは、まずドッグスナイパー5匹との戦闘になった。
先手を取ったミレーユがメラミを唱えると、Eにヒットし、一発でダウンさせた。
リベラ「そうか。メラミで勝てるわけか。じゃあ、みんなでメラミを唱えよう。」
ハッサン「OK。一気にカタをつけるぜ。」
みんなは次々とメラミを唱えていき、その度に一匹ずつダウンを奪っていった。
しかしその途中で相手も攻撃をしてきたため、ハッサンとチャモロはダメージを受けてしまった。
(ミレーユも攻撃対象になったが、彼女はうまく攻撃をかわした。)
最終的に戦闘は1ターンで終了してしまい、その後ハッサンとチャモロは自分にホイミを唱えて回復をさせた。
次の相手はオークマン3匹だった。
彼らはいきなり先制攻撃をして通常攻撃を1回と振り回しを2回繰り出してきた。
前者はリベラが、後者ではチャモロとバーバラが対象になったが、チャモロは攻撃をうまくかわした。
(いけない!仲間を守らなきゃ!)
次のターンになるとリベラはとっさに彼女の前に立ちはだかった。
バーバラは自分でホイミを唱え、HPを回復させた。
最初の攻撃はミレーユで、ここでもメラミを唱えた。
するとオークマンAを一発でダウンさせたため、この敵もメラミ攻めが有効であることが判明した。
次にBとCが通常攻撃をしてきて、リベラは集中的にダメージを受けた。
だが、その直後にハッサンとチャモロが放ったメラミを受けてダウンしたため、ここでも戦闘は攻撃開始後、1ターンで終了した。
その後、バーバラとリベラはそれぞれ自分にホイミをかけ、HPを回復させた。
洞くつの出口が見え始めた時、今度はくものきょじん3匹と戦闘になった。
ミレーユとバーバラはほぼ同時にメラミを放ってBに命中させ、間髪入れずにダウンさせた。
(この敵もメラミが有効なのか。何だか攻撃が単調になってしまっているけれど、バーバラのHPを考えるとこちらとしてもダメージは避けたいからな。)
リベラは複雑な気持ちを抱えながらも、メラミを放つ準備をした。
その間にくものきょじんAはハッサンにかまいたちをヒットさせた。
次にCはバーバラに通常攻撃をしてきた。
幸い彼女は完全にかわす事こそ出来なかったが、直撃を免れたため、ダメージは少しで済んだ。
次にチャモロとハッサンがメラミを放ってAをダウンさせ、リベラはやはりメラミでCにかなりのダメージを与えた。
次のターンで残ったCは踏みつけをしてきて、バーバラにヒットさせた。
メラミを唱えようとしていた彼女は攻撃をまともに受けてしまい、その場にうずくまってしまった。
「バーバラ!」
リベラは攻撃するのも忘れて、彼女のところにやってきた。
「お前、戦闘中に何やっているんだよ!」
「だって仲間だから。」
ハッサンに怒られながらも、リベラはバーバラを気遣った。
隙を見せてしまった彼だったが、次の瞬間、ミレーユの通常攻撃でCがダウンしたため、戦闘はここで終了した。
「バーバラ、大丈夫か?」
「痛いよお…。」
「もしかして、けがが治りきってなかったのか?」
「……。」
バーバラは何も答えることが出来ず、顔をしかめて悔しがっていた。
(くどいようだけれど、バーバラは本当に弱いな。さっきのオークマンとの戦闘でも、お前とリベラがメラミを唱えていればもっと早く終わっていたはずなのに。)
ハッサンは彼女に対して不満を募らせていた。
その雰囲気は彼女自身も感じ取っていた。
(あたし…、魔法使いになってからこんな目にあってばかり…。悔しい…。ここにいるのがつらい…。逃げ出したい…。でも、逃げたってどこにも行くところは無い…。あたし、戦力にならなきゃ…。)
バーバラは痛みをこらえながら何とか立ち上がった。
しかしHPが回復しても痛みがおさまらず、しかも気持ちまでは前向きになっていないため、リベラからは休養が必要と判断されてしまった。
一方のミレーユとチャモロはバーバラの姿を見て、すっかり魔法使いに再度転職することに抵抗を感じるようになってしまった。
一行に何やら不穏な雰囲気が漂う中、リベラ達はどうにか洞くつの出口にたどり着き、りせいのタネのある場所へと向かっていった。
その後、植物がしゃべるという光景を目の当たりにした彼らが驚いたのは言うまでもない。
バーバラが魔法使いの状態で戦闘に参加していることに関して、ツッコミを入れたい気持ちになった人も多いのではないかと思いますが、物語の都合上、このようにしています。
また、ストーリーが長くなりすぎることを考慮して、アモスに会って会話をしないまま、りせいのタネを取りに行く展開にさせて頂きました。
なお、下書きの段階では冒頭で主人公&バーバラのカップリング要素を書いていましたが、まだ早いかなと思ったため、清書時にカットしました。
そのボツシーンがこれです。
「バーバラ。元気になってくれて良かったよ。」
リベラは彼女に優しく声をかけた。
「ごめんね…。」
「謝らなくていいよ。」
「でもあたし…。」
バーバラは迷惑をかけてしまっている状況から抜け出せない悔しさに襲われていた。
「でも君は頑張っているよ。それは痛いほど伝わっているからね。」
「うん…。」
リベラはその後も何とかして彼女を励まそうとしたが、なかなか状況は好転しなかった。
そんな彼女を見て、リベラは左手で彼女の右手を握った。
ちょうど2人とも手袋を外していたため、お互い相手の手のぬくもりを感じることになり、お互い少し顔を赤らめた。
すると、ハッサンが「おーーい、メシの準備出来たぞ!」と言いながら部屋に入ってきたため、2人はビクッとして手を離した。
「おっ。2人ともいい雰囲気じゃねえか。どうしたんだよ。
「い、いやあ…。何でもないよ。」
「その割には手をつないでいたじゃねえか。」
「それはその…。」
ハッサンのイジりを受けて、リベラは思わずあたふたとしてしまった。
一方のバーバラは何も言わず、ただただ顔を真っ赤にしていた。