友人以上トレーナー未満のトレーナーは、やっぱりスカウトに失敗する。だが、スカウトするのをやっぱり諦めない!! 作:ブラックマッハ
俺は、無様にも土下座をして頼み込むしか無い状況まで陥ってしまった。
だが後悔は全くなく清々しい気持ちでいるのは事実だ。
魂を込めた全力の土下座、良いスタートダッシュを切れたかのような感じがした。
ウマ娘達の思い出がよぎるが最後に思い出す思い出は、振られてしまったシーンばかりであった。
「土下座をやめてください」
たづなさんの言葉が脳に響く、だがこれで辞めるのは出来ない。俺は土下座をしながら言う。
「俺はまだウマ娘を強くさせたい。いつかダービーで勝つウマ娘を育てる為に。だからここで諦めるわけには行けないのです」
俺は夢を語った。俺の思いが込み上げてくる。
ここで負けるなんて情けない。最後まで思いよ届いてくれて言わないと届かないのだ。
その時ヤバイ忘れていた。
俺は昨日のウマ娘を手伝いをしないといけなかった。
まだ脚質は決まっていなかったけど、ここでうだうだ悩む暇はない。
抜け出そう。いち早くレースが始まるまで。
「合格。このままトレーナーとしての職務を果たして欲しい」
「ハイありがとうございます」
もの凄いプレッシャーを感じたが、一先ず大丈夫だった。
「君に新しい仕事をさせたい」
え俺に仕事が与えられるの。幸せすぎない。なんて愉快な話なのだろうか?
「君は、数々のウマ娘の育成に貢献していることは事実。実際に初めての選抜レースでは、ビリだった。……
しかし影で活躍して次の選抜レースは、何度も選抜レースとは言え、僅差の2位を勝ち取った実績はある」
ああ良かったよ。本当にそこに気づいてくれるなんてな。
「そこで担当ウマ娘がつかない間、教官として働いてもらいたい」
「是非担当ウマ娘がつくまでやらせてください。お願いします」
俺は、土下座をやめて立ち上がりお辞儀をして頼んだ。
「即答、素晴らしい。こんなトレーナーが何故、担当ウマ娘がつかないのかが分からない」
「それは心です。俺はウマ娘との関係を改善する事が出来ません。友達としての道で、決して踏み入れては行けない闇の道がウマ娘にはあるのかもしれません。実際影で、【友達以上トレーナー以下】と呼ばれているのでそうだと思います。それでも俺はウマ娘のレースが大好きです。(ダンスに興味は無いけど)」
息を大きく吸って
「だから俺は諦めません。俺は、その深い闇と戦います。そして勝ち、誰かのトレーナーになる。これが俺の最初に達成する夢です。……レースがあるので失礼します」
そう言って俺は、理事長室から出て俺はレース上に向かった。走った。走った全力でこの快感をもっと先まで味わえてしまうなんてやっぱり羨ましい。
人間では辿りつけない世界、それがウマ娘なのだ。
そしてレース場に辿り着く。もう一刻の猶予はない。
俺が全力で俺は
「ここにいるぞ」と叫んだ。
誰もが俺に注目を浴びた。
「好きに走れ。自由に、そうしたら勝てる」
とそう言った。するとソイツはニコニコ微笑みながら
「ハイ」
て声が聞こえた。レースが始まる。
そしてゲートが開き、直ぐに3番手の位置に着き外から一気に抜く。
200メートルの前には既に先頭に立ちリードを広げた。
このレースは1600メートルの安田記念のコースを参考に作られたレースだ。
……中盤5馬身くらいのリードを維持しながら足をためた。既に他のウマ娘はこのペースについて行けずバテている。
だが一本の光道が差し込んで来ようとしている気がした。まるで特別な感じを出すウマ娘がいた気がする。
5番のウマ娘、コイツが俺のアンラッキーウマ娘なのかよ。
8番逃げ切ってくれよ。
「残り400メートル、外から5番スペシャルウィークもの凄い差し足で差を縮めてくる。だが逃げる。逃げる8番の……だがここでもうリードが1馬身もなくなった」
耐えてくれ。もう少し先にあるゴールまで。
「頑張れ。勝ってくれ。最強、お前なら出来る。だってお前は……だろう。届け行ってくれ」
俺はそいつの名前を叫びながら応援し続けた。
「なんとここで遂に捉えたか。嫌違うここでなんと抜かせない。耐えた耐えました。さぁ最後の接戦はどちらが微笑むのか?並ばない並ばない。今並んでゴールイン。勝ったのはどっちだ?」
勝ってくれ。俺は一度も選抜レースで勝った事がない。
そしてしばらくして勝者の名前が響いた。そいつはどっちだったかは書かないでおこう。
俺は結局友達でしかなかったのだから。
勝てただけで最高のサプライズだった。
ただ寂しかった。
家に帰っても寂しさは消えなかった。
そいつが担当ウマ娘になってしまった事に体中が拒否反応を起こす。
俺はただの友達で、トレーナーの領域には辿り着けなかった事に悔しいと叫んだ。