プリニー〜ダンジョンで俺が最強って解釈違いじゃないッスか⁈〜 作:ジャッキー007
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リリルカ・アーデがソーマ・ファミリアからヘスティア・ファミリアへの改宗を果たした翌日。
「んぅ…?」
同居人の手によって、新品同様の姿に生まれ変わったソファで眠っていたベルは、体に感じる違和感と共に目覚めた。
自分の上に、誰かが乗っている重み。
これを感じるのは、初めてではない。
過去にも何度か、ヘスティアがこうして潜り込んでいた事があったからだ。
(また神様かなぁ…)
そう思いながら、掛けていた布団を捲った瞬間…彼は固まった。
「ん…っ」
そこに居たのは…ヘスティアではなかった。
そして、リリルカでもなかった。
長く、ウェーブのかかった茶色い髪
体は細身でありながら、出ている所はしっかりと主張しており、街中を歩けば数多の男性が振り返るであろう美貌。
そして、そのプロポーションを隠しているのは、衣服としての役割を果たしているとは思えない布のみ。
まぁ、早い話が。
自分の上で、誰とも知らぬ美女が、ほぼ一糸纏わぬ姿で眠っているのだ。
「〜〜〜〜っ!!」
ヘスティア・ファミリアのホームに、ベルの形容し難い悲鳴が響いた。
その声に、ドッタンバッタンと慌ただしい音がしたのち、2人分の足音が猛スピードで接近してくる。
『ベル君(様)⁈』
やってきたのは、神ヘスティアと新たな団員となったリリルカ。
ベルに少なからず…どころか、明確なまでに好意を寄せている2人からすれば、ベルが悲鳴をあげるなど、一大事でしかないのだ。
悲鳴を聞いて飛び起きたのだろう…寝癖もそのままに走ってきた2人は、ベルの安否を確認しようとして…そして、固まった。
それもそうだろう…思い人が、見知らぬ女と同衾していたら誰だってそうなる。
「ベル君(様)…これは、どういう事…?」
ヘスティアとリリルカの口から、幾分かトーンの低い声が洩れる。
幽鬼のように歩み寄って来る2人の目は光を失っており、ダンジョンのモンスターとは違う凄味をベルは感じた。
と、そんな時。
「どしたんスか、ベルさん…まさか、黒光りするアイツでも出たんスか?」
数テンポも遅れてやって来たのは、奇天烈な格好のナマモノ…もとい、レン。
調理中だったのか、お手製の割烹着に身を包み、手にはおたまを装備している。
「レ、レンさん!それが…」
「んぅ…?」
ヘスティア達の雰囲気に気圧されながらも、やって来た同性の仲間に状況を説明しようとした時…ベルの上で眠っていた女が目覚めた。
体を起こし、小さく欠伸をしながら辺りを見回して…そして、レンの姿を見据えると、ベルの上から離れ、修羅場と化した周囲を全く気にする様子もなくその体に抱きついた。
「あ、ダーリンだぁ」
「…嘘だろ?」
突然の行動に、その場の空気が凍りついた。
レンは、抱きついてきた相手を信じられないような目で見て、手からおたまを落としてしまうが、抱きついた本人はそんなのお構いなしと言わんばかりに頬擦りまで始める始末。
そして、その光景を見ていた他の3人は。
『えぇぇぇぇぇぇ⁈』
頭の処理が追いつかず、ただ叫ぶしかなかった。
早朝の修羅場からなんとか復活したヘスティア様達から説明を求められた俺は、とりあえず飯を食いながら話すことにした。
「…コイツは俺が居た魔界に住んでる夜魔族…まぁ、わかりやすく言えばサキュバスって女悪魔の…」
「セレスで〜す」
俺の言葉に続くように、クラネル少年の布団に入り込んでいた本人…セレスは、俺が急遽作った朝食を食べながら自ら名乗る。
その姿を見る様子は、3通りだった。
リリルカは、俺の話をあまり信じてない事と早朝の一件から警戒の眼差しを。
クラネル少年は俺以外に初めて見た魔界の住人に対する好奇心の眼差しを。
そして、ヘスティア様はその両方がない交ぜになった複雑な表情を向けている。
「サキュバス…名前を聞くに、あまり良い印象を抱かないのはなんでだろう…」
「夜魔族は男を誘惑する種族ッスからね…まぁ、そう思ってしまうのも無理ないッス」
ヘスティア様の疑問に俺が答えると、リリルカのセレスに対する警戒心が強まるが、本人はフォークをテーブルに置くと小さく笑い
「あら、他の夜魔族はそうだけど…私はダーリン一筋よ?」
などと宣った。
「…だったら、なんでベル様と同衾してたんですか?」
「それは、あの子の寝てた場所からダーリンの匂いがしたからよぉ…でも、人違いだったみたいね」
「そうですか…って、なるわけないでしょォォォォォ⁈」
リリルカの問いにセレスは頬に手を当てながら小さく溜息を吐き、リリルカも分かったかのように頷いた…かと思ったら、ツッコミと共にダン!とテーブルを叩いた。
「なんなんですか、さっきから魔界とか夜魔族とか!レン様もそうですが、なんでベル様達も訳知り顔なんですか⁈」
リリルカのその言葉に、クラネル少年とヘスティア様、俺は顔を見合わせる。
「…レンさん、リリに話してなかったんですか?」
「話したッスけど、ジョークだと思ってたみたいッスね」
「まぁ、普通なら誰だってそう思うよ。でも、アレを見たらねぇ…」
クラネル少年から問われ、俺自身の事を説明した事を明かしたが、リリルカの様子から冗談だと捉えられた事にどうしたもんか、と頭を掻きながら考える。
「そうねぇ…じゃあ、外に出ましょうか」
すると、いつの間にか朝食を食べ終わっていたセレスが立ち上がって俺たちにそう言ってきた。
セレスに促され、食器を片付けた俺たちはホームの外に場所を移していた。
「…で、何をするんスか?」
「そっちの子が、私達が悪魔って信じてないみたいだし…証拠を見せたら、少しは信じてくれるでしょ?」
俺の問いにセレスはそう答え、ヘスティア様達の前に出る。
そして
「ん、しょ…」
何処か艶かしい声をあげると、翼を広げた。
「嘘…マントじゃなかったんですか?」
リリルカは、その光景に思わず呟く。
確かに、夜魔族の翼は、閉じてしまえばマントに見間違えてしまう見た目をしている。
「ふふ、それだけじゃないわよ?」
そう言って小さく笑うと、セレスは翼を羽ばたかせ、少しだけ宙に浮く。
飛ぶと流石に他の人たちにバレてしまうから、それを配慮しての事だろう。
これには、リリルカだけでなくクラネル少年も驚いた様子を見せている。
「ぇ、本当に…人間じゃないんですか?」
「えぇ。ダーリンも少しだけ飛べるわよね?」
セレスのその言葉に、3人がこちらに視線を向ける。
その様子に小さく溜息を吐くと、背中の翼を羽ばたかせ、セレスと同じようにその身を宙に浮かせた。
「…飾りじゃなかったんだ」
「まぁ、飛べるのは少しだけッスけど」
その様子を見て言葉を無くす3人を見て納得してもらえたと判断した俺とセレスは地上に降りる。
「で、まだ聞いてなかったッスけど…なんでお前がここに居るんスか?」
俺は、最も気になっていた事を口にした。
このオラリオは、俺達が居た魔界とは完全な異世界に存在する。
簡単に移動できる訳がないのだ。
「それは私が知りたいくらいよぉ…」
俺の問いにセレスはそう溜息を吐くと、自分がここに来た経緯を語りだした。
いつものように俺に会う為、城へ向かったものの姿はなく、他のプリニー達に話を聞くと、俺が戻ってない事を知った。
そして、俺を探す為最後に目撃した場所…つまり、邪竜族と戦った場所に向かい周囲を探し続け、途中疲れて眠りにつき…目覚めたら、オラリオに居たらしい。
「ビックリしたわ…目が覚めたら穴倉みたいな所にいたんですもの」
「穴倉って、まさか…」
「ダンジョンっスね」
「…レン君の時と同じか」
セレスの話を聞いた俺達は、彼女が来た原因について知る事が出来なかった。
だが、一つだけ共通点があった。
俺とセレスが、この異世界で最初にいた場所がダンジョンだという事。
「ダンジョンに、何かあるって事でしょうか…?」
「それは解らない…でも、いずれは解明しなきゃいけない」
クラネル少年がヘスティア様に問いかけると、彼女はそう呟いてセレスを見る。
「セレス君、君はこれからどうする?」
「そうね…魔界に未練は無いしぃ…ダーリンと一緒に居れたらそれで良いわ」
セレスはヘスティア様の問いにそう答えると、再び俺に抱きついてくる。
正直、ベタベタしてくるのは勘弁して欲しいが…今まで、いくら言っても馬耳東風だったから諦めている。
そして、セレスの返事を聞いたヘスティア様は
「そうか。だったら…ボクのファミリアに入らないかい?」
彼女に向かい、そう口にした。
以前話してた、他に出す汎用キャラ
第一弾は夜魔族でした
ステータスは次回明らかになります(またディスガイアRPG参照です)