プリニー〜ダンジョンで俺が最強って解釈違いじゃないッスか⁈〜 作:ジャッキー007
…あれ、俺たちはプリニーだった…?
今回も短いのでスナック感覚でお楽しみください
冒険者には、レベルが存在する。
駆け出しのレベル1から、第一線で活躍するレベル4や5、更にごく一部が到達したレベル6。
現在都市最強と謳われるフレイヤ・ファミリアの団長、オッタルは更にその上。
オラリオで唯一のレベル7であり、かつて存在したというゼウス、ヘラのファミリアの冒険者ですら、最高レベルは8や9と言われている。
それ以上のレベルなど、地上に神が降臨して長い年月が経つが未だ誰も到達した者は居ない…筈であった。
「な、なな…」
プリニー…個体名【レン】を他の神々から保護する名目で恩恵を刻んだヘスティアは、その背中に浮かび上がるステイタスを見て声を震わせる。
目を擦り、頬を抓り、ゆっくりと深呼吸をして、改めてステイタスを確認する。
その上で、変動する事なく並ぶ其れを見て、ヘスティアは叫んだ。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁ⁈」
ヘスティア・ファミリアのホームとして利用している廃教会の地下室に、彼女の叫び声が響き渡る。
その声に、ベルとは思わず耳を塞ぎヘスティアを見る。
しかし、ヘスティアはワナワナと体を震わせながらレンの背中を凝視していた。
「ど、どうかしたんですか?」
「…きゅう…」
ベルがおずおずと声をかけると、ヘスティアは小さく呟き、ゆっくりと彼の方へと顔を向ける。
その表情は引き攣っていて、目尻に涙を浮かべていた。
「れ、レベル…9999…」
「…へ?」
ヘスティアの口にした数字を、ベルは最初理解出来なかった。
だが、頭の中で何度もヘスティアの言葉が反響し…。
「えぇぇぇぇぇぇ⁈」
続けて、ベルの叫び声がホームの中に響き渡った。
俺がヘスティア様達のファミリアで世話になる事が決まり、恩恵を刻んでもらったは良いが…。
「いや、なんスかコレ」
ホームの中は、再び恐慌状態に陥っていた。
まるで、アメリカ人の書いた小説に登場するニンジャに遭遇したサラリーマンのような奇声を発して、アワアワと慌てふためき右往左往する2人。
そんなヘスティア様の手から1枚の紙が離れ、俺の前に落ちる。
それを拾い上げて見てみると、こう書いてあった。
レン(プリニー族)
class プリニー大王
Lv 9999
HP 36007199(F+)
ATK 12002400(B++)
DEF 10002200(B+)
INT 8002000(B)
RES 10002200(B+)
SPD 48
属性耐性
火 -25%
水 +25%
風 0%
星 0%
状態異常耐性
毒 25%
麻痺 25%
眠り 25%
ド忘れ 25%
スキル
爆発体質
投げられると何故か爆発する。
プリニーが近くに居ると誘爆する。
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う〜む…。
「見事なまでのクソステっスね」
『嘘だッ!』
紙から目を離し溜息を吐く俺に、2人が息ピッタリのタイミングで詰め寄って来る。
「なんだい、この馬鹿げた数字は⁈ただでさえボク達神どころか下界の子達でも到達してない…いや!到達する事すら叶わないレベルだぞ⁈」
「それをクソって⁈」
その剣幕に少し後ずさるも、止まる様子がない2人に俺は落ち着かせようと口を開いた。
「いや、俺たちプリニーって下から1、2を争うザコキャラっスよ?こんなステータス、魔界で暴れてる強い奴と比べたら目糞鼻糞ッス」
俺の言葉に2人は固まり、再び顔を引き攣らせながら俺を見る。
「…ちなみに、1番強い奴は?」
「レベルは俺と同じでも、ステータスは倍ッス」
その言葉を聞くと、2人は力なく床に尻もちをついて乾いた笑みを浮かべた。
「は、はは…倍、倍ときたかぁ…」
「なんというか、レベル5とかが小さく見えて来ました…」
「まぁ、こっちの冒険者ってのとどれだけの差があるか分からないッスから、気にしない方が良いッスよ」
力なく笑う2人に頭を掻きながら呟くと、ヨロヨロと立ち上がり、今日は休むとそれぞれが寝所へと向かった。
あ、俺が寝るとこ聞いてない…まぁ、そこら辺で寝たら良いか。
ベル君達が寝ついた後、ボクは懐からレン君のステイタスが書かれた紙を取り出して読む。
そこには、ベル君やレン君が読んだ内容が書かれているが、一点だけ違う所があった。
それは、1番下…スキルよりも下に書かれた、きっと、レン君だけが知っている項目。
魔界や悪魔、魔王達の話をしている中、何かを隠している様子が見えた。
その疑問は、恩恵を刻んだ事で分かったけど…。
「…君はいったい、何者なんだい?」
ボクの呟きは、誰にも聞かれることなく空気に溶けていった。
レン(プリニー族)
罪状
親より先に死んだ罪
転生まで残り
999,887,560ヴァリス
主人公のステータスはスマホゲーム「ディスガイアRPG」から参照しています