栄光のパンツァーエリート   作:いしまなると

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戦火の世界

 聖暦1922年夏、世界は炎に包まれようとしていた。ヨーロッパでは大ドイツ国が台頭、強大な軍事力を背景に欧州大陸を席巻していた。そしてその東には共産主義を奉じる大国、ソ連が存在し、大ドイツ国と対峙していた。ソ連の遥か東の地には日本と呼ばれる国があり、そこにはこの物語のキーパーソンである天才ゲームメーカー『結城 勇』の姿があった。

 「ふふ、ヨーロッパがきなくさくなってきたな。」親友である江田が結城に笑みを浮かべる。江田の部下が彼らに近づき、告げた。「大ドイツ国がソ連に宣戦を布告。用意は、ととのいました…!」「世界は舞台だ。私はこの混沌に終止符を打つ!」結城の背中は、自信に満ちていた。

 結城とは、一体何者なのか。彼の所属する組織は『特務機関日本国家戦略本部』。この組織は、日本の地政学的な観点から最も有益な戦略を生み出し発案、実行に移すことを一任されている機関である。その存在は超極秘とされ政府の重鎮でも把握できている者は信頼できるごく一部に限られている。そんな彼らが今回の大戦に際し立案した作戦は、『英国ヲ救フ為秘匿兵器ヲ持テ欧州大陸ニ進出、独軍ヲ殲滅スルコト』である。即ち、ドイツの侵略に対抗する為にイギリスに味方し、『秘匿兵器』を駆使し、ヨーロッパ大陸に戦線を形成するという寸法である。この驚愕の作戦を編み出したのは無論、『絶世の天才ゲームメーカー』、結城勇その人である。

 「なんと素晴らしい作戦なのだ…」内閣総理大臣、昇 和彦は深く感動した。「この作戦により、ドイツは二正面戦争に陥ります。戦う前から、私たちの勝利は確定しているのです。」結城は不敵な笑みを浮かべた。「既に舞台は配置済み、後は政治の許容を待つだけです。」昇はこの結城の発言に対し、すぐに対応すると誓い、3日後、全ての関連書類の作成が完了、同日、硫黄島秘密基地から戦艦敷島を旗艦とする『大和戦闘団』が出撃した。

 大和戦闘団旗艦『敷島』は超戦艦であり、主武装に41糎連装砲を8門、酸素魚雷発射管を多数装備、極め付けに噴進砲弾を発射可能な垂直発射管を装備している。また空母もおり、単艦でも戦闘が可能な優秀な性能を有しているが、艦載機は極秘であるため不明である。その他、地上走行が可能な『三八式内火艇』を多数収容した揚陸艦浪速丸や、先進的なレーダー、ソナーを装着した駆逐艦などが艦隊に存在している。彼らが先ず目指すのは独領インドシナ。ここにはアジア最強のドイツ植民地艦隊がおり、これを撃滅せんと、大和戦闘団は突き進んでいくのであった。

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