I am 怪人   作:おもちぴん様

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歓迎会

 飯食ったら眠くなってきちまった。

歓迎会に遅れるのはマズイので大ホールで寝ることにする。

……はっ!いかん!俺は猫じゃない、血糖値が上がったから眠くなっただけだ。人間と同じだ!

ああ、駄目だ。眠い、寝る。Zzz。

 

・・・大ホール前の扉

 

「ドクターくん、うちのミーちゃんを知らんかね?」

「知りませんねえ。大ホールにいるかも知れませんよ。」

「そんなバカな。」

 

 ガチャリと扉が開く音がした。人が来たという事は開始時間か?

早く起きないとな。うおっ、ちびが顔のところで寝てやがる。

遠慮がなくなってきたなコイツ。

起きないように抱きかかえ、扉の方を向くとドクターと知らねえ野郎が立っていた。

 

「な、な、ミーちゃんがデカイ猫に襲われてる!」

「ぎゃはは!昨日の夜から一緒らしいですよ!やーい!寝取られてやんの!」

「き、キミはさっき知らないと!」

「アハハハ!面白いから黙ってたんですー!」

「この野郎!閣下のお気に入りか何か知らんがもう許せん!」

「私に構ってる暇はあるんですか?ミーちゃんが襲われますよ!」

「くそっ!覚えてろよこのクソアマ!」

 

 知らねえ野郎がこっちに向かって走って来やがった。

目が血走ってて怖え。こっち来んな!

 

「ぎゃあ!猫パンチだ!」

 

 思わず手が出てしまった。

手加減はしてるから死なねえだろう。

 

「あっはっはっ!やれ!猫怪人クン!プロフェッサーからミーちゃんを寝取ってしまえ!」

「ええ!こいつがプロフェッサー?あんたより偉いんだっけ?」

「そうだよ〜。あれこれ煩いから一緒に痛めつけるよ!」

「いや、俺は別に恨みねえし。」

「キミ達、何を喋っているんだね?何で言葉が通じ合ってるんだ?!」

「私は天才なので猫の言葉が分かるんですよプロフェッサー!

 ミーちゃんが普段言ってること教えてあげましょうか?」

「やめろ悪魔!」

「"プロフェッサー鬱陶しい!煩い!邪魔!"ワハハ!嫌われてやんの!」

「うおーミーちゃん!何でだー!」

 

 目の前で繰り広げられている漫才が騒がしいのか、俺の手の中で寝ていたちび改めミーちゃんが起きた。

ミーちゃんはプロフェッサーを一瞥してからにゃーにゃー鳴き始めた。

……何喋ってるか俺にも分かるから求愛はやめてほしい。

俺は怪人だからな。猫とは付き合えない。

 

「あー!ミーちゃんが猫怪人クンに求愛してますよ!」

「なにー!ミーちゃんはお前にはやらん!」

「いらんわ!そもそもサイズが違いすぎる!」

「にゃ〜ん……(お兄ちゃん、私いらないの……)」

「猫怪人クンの女泣かせ!怪人界の火野正平!」

「キミ達、何をやっているんだ?」

「「はっ!この声は閣下!」」

「閣下?」

 

 ─閣下、秘密結社のボス。俺の雇用主でもある。

一体どんな奴なんだ……って、おんなぁ!?

 

「おんなあ!?」

「ふむ、"にゃー"と言われても良く分からんな。キミが新入りの猫怪人くんだね。よろしく。」

「あ、ああ、よろしく。」

 

 

 思わず握手をしてしまった。

バカ丁寧な人だな。何でこんなまともそうな人が阿呆二人を雇ったんだろ。

そんなことを考えていると閣下は急に抱きついてきた。

一体なんだあ!?

 

「む!肉球の感覚が堪らないな。毛もフカフカだ!よし、キミはボクの愛玩用にしよう。」

 

 あっ、この人も同類だわ。

他の幹部も期待できそうにないな……。

 

「閣下駄目ですよ!猫怪人クンは世界に混乱を招く怪人なので町で暴れさせます。」 

「町だと?昨日の出撃時の映像を見たけど人間と戯れてるようにしか見えなかったぞ。」

「あれはまだ勝手が分からなかったからです。次は違いますよ!軍の基地に突撃させます!」

「ええ!俺聞いてないぞ!」

「評価アップの為だよ。大丈夫、鉄砲で撃たれても死なないはず……多分。」コソコソ

「おい!多分て何だ!」

「ドクター!キミの熱意は分かった!歓迎会は中止!早速出撃だ!」

「えいえいおー!……おい猫怪人クンもやってよ。」

「ふんっ!」

「ぐへえ!猫パンチが腹に!」

 

 歓迎会は急遽中止。

しかも俺は鉄砲玉として軍の基地に出撃する事になってしまった。

こいつら場当たり的に生きてやがる。猫と変わらねえ。




◆簡単な設定◆
閣下:秘密結社のボス。女の子。ドクターとプロフェッサーの類友。
他の幹部:サイエンティストとジェネラル。多分まともじゃない。
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