転生したらみんな銃持ってる世界だった件   作:美少女+銃火器の組み合わせが好きマン

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なんかゲージ見たら赤くなっててびっくりしました


傭兵とシスター見習いの初会合

 

 トリニティ総合学園大聖堂───そこに向かって一人の少女が走っていた。黒で統一された制服を着た正義実現委員会の生徒達がその少女を止めるために発砲するも、少女は足を止める気配もなく、銃を両手に持ったまま走る。

 

 

「止まりな「遅い」

 

 

 少女は目の前にいる正義実現委員会の生徒に向けて拳銃を構えて引き金を引いた。

 

 ある一人は足を動かした先でちょうど当たるようにして転倒させ────

 

 また別の一人は銃をこちらに向けようと体を動かしたので肩を撃つ────

 

 そんな風に一つ一つの行動の始まりを潰して確実に隙を作ってから、腰に下げたグラップルガンで拘束していく。

 

 

「それ、刃物使えば結構簡単に切れるんで誰か来たら助けて貰ってくださいね」

「あっ、こら!待ちなさい!!」

 

 

 拘束したうちの一人にそれだけ言い残して少女は再び走り出した。

 

 

「ツルギが来る前に何とか人質を取れれば…」

 

 

 マガジンを取り替えながら走っている最中に、少女はそんな事を呟く。既に大聖堂との距離も縮まっていて、もう少し走れば大聖堂の入口が見えてくる頃合いのはずだ。

 

 

「よしよし、着いた…のはいいけど随分と歓迎されてますね」

「総員、構え!」

 

 

 落ち着いて壁を背にして周囲を見渡してみれば、正義実現委員が少女を囲っていた。そして、その囲いを超えた先には少女にとっての標的であるシスター服に身を包んだオレンジ色の髪をした少女がいた。

 

 

「大人しく投降しなさい。そうすれば手荒な真似はしないわ」

 

 

 その言葉を聞いた少女はクスリと笑った。

 見ていて心配になってくる程に華奢な体つき、口元を見られないように手で隠す仕草、鈴を転がすような声、様々な要素が重なり合い、正義実現委員会の面々の間の緊張感が一瞬緩んだ──────その刹那

 

 

「よっと」

 

 

 少女がほんの少し顔を傾ける。すると、つい先程まで少女の顔があった所を弾丸が通過した。

 

 

「自惚れてる訳じゃありませんけど私に死角は無いと思った方がいいですよ」

 

 

 少女は傾けた顔をゆっくりと上げ、その瞳に例のオレンジ色の髪の見習いシスター──伊落マリーを映した。

 

 

「それに…ここまで来てまだそんな優しいこと言ってるんですか?」

 

 

 少女の纏う雰囲気が明らかに変わった。それと同時に正義実現委員会の面々の間に緊張が走る。

 

 

「っ!撃て!」

 

 

 この中では比較的優秀な、指揮を執っていた委員ですら一瞬怯んだのだ。銃を構えながら少女の周りを囲っていた委員達に関しては言うに及ばない。

 そんなこともあって、号令からそれぞれが発射するまでのタイミングがほんの少しだけズレた。しかし、それでも普通の生徒なら到底凌ぐことも出来ないような密度であることに変わりは無いが、囲まれた少女にとってはそれだけで十分だった。

 

 既に駆け出していた少女は、前進しながら軽く左右にズレるだけで銃弾の雨を掻い潜る。

 

 

「え?冗談でしょ?」

 

 

 接近された正義実現委員会の一人がそう呟くが、少女は意に介さずに、ほぼゼロ距離の相手に向けて数発撃ってグラップルガンで拘束する。ちょうど空になったグラップルガンを腰に下げたホルダーに戻し、そのまま奥にいたマリーに接近、手に持っていた銃を叩き落として拘束した。

 

 

「動かないでください。動いたらこの辺り一帯が吹き飛びますよ」

 

 

 

──────────

 

 

「ここがこの私のハウスです」

「えーっと…?」

 

 

 ところ変わって少女がマリーを拘束して正義実現委員会を脅した後の大聖堂内部。ここでは少女がマリーの背中に乗っかりながらベールの中に顔を突っ込んでいた。

 

 

「つまり今日からここで暮らします」

「それはちょっと…」

 

 

 かくいうマリーも銃は少女に叩き落とされて持っていないことに加えて、マリー自身の性格のせいでいきなり学園に侵入してきた相手とはいえ、自分よりも一回りも小さいように見える少女に対してあまり強い態度をとることが出来なかった。………まあ、そもそもマリーが銃を持っていたところで正義実現委員会と一人でやりあった少女に歯が立つ訳がない上に、少女はマリーよりも歳上なのだが。

 

 

「あの、いくつか聞いてもいいですか?」

「んあ?…ああ、答えられる範囲でなら答えますよ」

 

 

 眠たそうに目を擦りながらベールから顔を出した少女に対して、マリーは質問をぶつける。

 

 

「お名前は?」

「あー…まあいっか。蒼崎ヒトヨ、それが私の名前。ヒトヨでいいですよ」

「ヒトヨさん……ご両親は?」

「もうだいぶ昔にいなくなりました」

「そう、ですか……ごめんなさい」

「いいですよ、別に気にしてませんし」

 

 

 ほんの十数秒、マリーが黙ったことで二人の間に気まずい空気が流れる。

 

 

「他には無いんですか?」

「それじゃあ…今はどこに住んでいらっしゃるんですか?」

「ブラックマーケットです。流石に細かい所までは言えませんけどね」

「えっ?」

 

 

 マリーが驚いたような声を出す。それもそのはず、ブラックマーケットとはこのキヴォトス内でも有数の治安の悪さで有名であり、違法な武器ですら簡単に手に入るような所だからだ。

 

 

「正式な学籍はありませんから名前が分かっても無駄。多分私の個人情報なんか連邦生徒会でも手に入らないと思いますよ」

「………それなら普段はどうやって生活を?」

 

 

 マリーの顔に段々と影が差してくるが、背中にいる少女──ヒトヨは話続ける。

 

 

「傭兵ですよ。やる事はアルバイトと大して変わりませんけど稼ぎはそれなりにありますよ」

「そう…ですか。それなら爆弾があると嘘をついてまでここに来た理由は?」

「んー、強いて言うなら『運命の悪戯』、とでも言った所でしょう…か…」

 

 

 そこで、なにかに気付いたようにヒトヨが大聖堂の入り口を見つめる。

 

 

「もうこんなに集まって来たんだ。…どうやらそろそろ行かなくてはいけないようなので私はこれで」

 

 

 脚のホルスターから銃を抜き、背中に背負ったサッチェルバッグから取り出したグラップルガンのカートリッジを付け替える。様になったその行為を、マリーはどこか影のある表情で見つめている。

 

 

「もし良ければそのお菓子、ティーパーティーの人とか正義実現委員会の人達と食べてください。ご迷惑おかけしたお詫びということで」

 

 

 「カバンは差し上げますので」とだけ言い残してヒトヨは大聖堂の扉を開けた。

 

 

──────────

 

 それからの事は特にこれといった事もない。

 

 

「見つけました、さっきは油断しましたが今度はそうは行きません」

「ごめんなさい!今回も急いでるんです!!」

「アハハハハ!!!!」

「うわあっ!!笑いながら奇襲しないでください!!」

 

 

 強いて言うなればヒトヨは途中で怒り心頭のハスミとツルギに遭遇したものの、それからは何事も無くヒトヨは脱出することに成功した。

 

 

(私は…彼女の話を聞いた時………どうすれば。もう一度会って話が出来れば…)

 

 

 しかし、ある所ではヒトヨに巻き込まれたシスター見習いが思い悩み

 

 

「銀髪に赤眼の腕利き…ね〜」

「それなら十中八九彼女でしょうね」

ナギちゃん、誰か分かったの?」

「ええ、ミカさんも白蛇と言えば聞いた事ぐらいあるのでは?なんにせよ手は打たなければいけませんね」

「あっ、この羊羹美味しい」

「ちょっと!それ、もしかして彼女が持ってきたものですか!?」

「そうだよ。ナギちゃんも一つ食べる?」

 

 

 別の所では二人の生徒が紅茶を飲みながら話し合っていた。

 

 

「全くあなたはこんな時に…」

(彼女の件を隠すか大体的に公表してキヴォトス全体で指名手配するか…ですがそれだと他校に……全く、よりによって条約が保留になったこのタイミングで。まさかエデン条約をよく思わない勢力に?とするとセイアさんをやった所とも繋がりが…?)

ナギちゃん、ちょっと怖い顔しすぎだよ?はい、最中あげる」

「むぐっ!」

 

 

 その二人が頭を悩ませていたことをヒトヨは知らない。




・イッチ(蒼崎ヒトヨ)…一回死んだ上に転生した後も何回か死にかけたせいで変な所で吹っ飛んでる。

・伊落マリー…とにかく情報を引き出そうと思ったらクソ重過去を淡々と語られて情緒がぐちゃぐちゃになる。

・??…幼馴染の口に和菓子を突っ込んだら仕返しに羊羹をぶち込まれた。

・???様…羊羹をぶち込みますよっ!?
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