「先生の周りって女の子多いよね、常に傍に誰か一人はいるし」
「え?」
トリニティ内のあるスイーツ店。
昨日カズサから、限定スイーツがあるからとモモトークで呼び出されため、二人でスイーツタイムと洒落こんでいる。
そしてカズサは目の前で砂糖の残滓を確かめるように紅茶(と言うには些か砂糖とミルクの量が多い気がしたが)をティースプーンでかき混ぜた。
私は唐突な事で思わず聞き返した。
「いやあ?別になんでも無いんだけれど、ただの感想って言うかし、嫉妬っていうか、はぁ……本当に私は重い女だな……」
「私は皆の先生だからね、色々シャーレに困り事とか相談、ただの雑談にし来るだけでもとっても嬉しいのさ。勿論今こうやってカズサとお茶をしてるのも私にとって大切なんだ。」
「そ、そう?」
彼女は少しばかり頬を赤らめて、その赤さを隠すように紅茶を啜った。
「カズサみたいな可愛い子とお茶を出来るなんて私にとって最高の喜びなのさ」
「あのねぇ…!そういう事あまり他の子に言わない方がいいよ、勘違いされるからさ。……私だって勘違いするかもしれないし」
「こんな事はカズサにしか言わないよ。」
私、カズサは「この朴念仁は……」と大きくため息をつく。そんなんだから私みたいな面倒臭い奴に好かれるのだ。
とても私達思いで、私達の欲しい言葉をすぐくれるし、危険な時は自分を顧みず助けに来てくれる。私達を真っ直ぐ信じてくれる。
私達より遥かに弱く、銃弾一発すら受けられないのに。
彼に想いを寄せる人は多い。
ウチのトリニティ一つ取っても、ティーパーティー、正義実行委員会、救護騎士団、シスターフッド、そして私達、放課後スイーツ部や補習授業部。殆ど全部と言っていい程だ。
だからせめて私が隣にいて彼を守ってあげないと行けないのだ。そうすれば恋を拗らせた人が先生に襲いかかるのを防げるしね。
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私、鬼方カヨコは前に先生と買ったお気にりの曲をイヤホンで聴きながらシャーレで待っていた。
社長から頼まれたものとは他に個人的にも用事があったし、何より私が会いたかった。
先生にモモトークを送ると、「諸事情でちょっと遅くなるからシャーレの休憩室で飲み物を飲みながら待ってて」と返ってきた。
先生は色んな所に引っ張りだこなので、きっと今もどこかで仕事をしているのだろう。
「先生、まだかな」
つい、漏れてしまった言葉。
雨ざらしになっている私の心を陽だまりのように照らして包み込んでくれる。
よく怖いと言われる私の顔を可愛いと言ってくれる先生。便利屋68の皆に抱く好きとは違う、そう、言わば恋心。
「遅いな……おすすめのCD持ってきたんだけど」
ずっと一緒にいて欲しいという気持ちからか、日頃つい意味もなく先生と買ったイヤホンを弄る事がある。CD屋で先生が好きと言ってた曲をアーティストを無意識に見てしまう。
先生からメッセージが来てないか頻繁に携帯を見てしまう。
自分でもこんな行動をするなんてと驚いている。
私は休憩室にあるベットに飛び込み、微かに先生の匂いがする枕に顔を埋めた。
……別に匂いを嗅ぎたくて埋めているのでは無い。
何となくそういう気分だっただけだ。まさか先生が仮眠する時に使うベットから先生の匂いがする何て私は知らなかったのだから
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シャーレにカズサと一緒に戻ると、私は紅茶を二人分入れて片方をカズサに渡した。
「今日の所は本当に美味しかったね、先生。何が一番好きだった?」
「うーん、私はやっぱりモンブランが一番だったかな」
「確かにモンブランも美味しかった」
ぐっーと私は伸びをした。お腹いっぱいになった後の午後の暖かな日差しは強い睡眠作用がある。
「先生?眠いの?」
「大丈夫だよ、これくらい。この後仕事も残ってるしね」
「あ、あのさ……休憩室で仮眠しない?わ、私も少し眠たくなってきたっていうか……ほ、ほらお昼寝すると効率上がるって言うじゃん?」
「それなら使ってきていいよ、多分空いてると思うから」
「せ、先生も一緒に来てくれたらひ、膝枕…とか?耳かき…とか?してあげなくもないっていうか……」
「行く!」
私がそういうとカズサは私の腕を取って歩き始めた。
……確か誰か休憩室に居たような気がする
「カ、カズサ待って!」
私の声はどうやら聞こえてない様でズンズンと進んでいく。私がキヴォトスの人間に勝てるはずもなく……
「先生……?これはどういう事?何で休憩室に違う女の子を連れ込んでるの……?」
扉を開けると、カヨコがベットにいた。枕に顔を埋める体勢だったのはもしかしてカヨコはうつ伏せで寝る派なのだろうか、あまり健康にはよくないと思うのだけれど。
「だから先生言ったじゃん、勘違いする子が出てくるよって。」
「は?何それ。私が勘違いしてるってこと?」
「それ以外に何かある?私、先生と仕事終わったらスイーツ食べに行ったりしてデートしてるんだけど?」
そんな事も考えたくなる程目の前がバチバチしている。
「私、よく先生に可愛いって言われてる。音楽っていう共通の趣味もあるし、デパートまで一緒に行ったりする。正月には二人で初詣も行ったしシャーレで二人で寝たよ」
「シャーレで?2人で?寝た?」
「先生、あの時は寒くて抱きしめ合いながら寝たよね」
こちらを睨むカズサは威嚇する猫みたいに毛を逆立てている様にさえ見えた。勿論、彼女が怒ったら普通の猫みたいに怪我は引っ掻き程度で済むものでは無いけれど。きっと私の体は穴だらけになるだろう。
「い、いや、何もしてないって!」
ぐりん、とすごい速さで二人ともこちらを向いて、責め立てるような視線をこちらに向けている。
逃げれば良かった。シッテムの箱の演算無くしても予想出来るなんて私も成長したものだ。
「「先生はどっちを選ぶの?」」
先生は初めて地獄を見た。