とりま死亡フラグを回避せよ   作:neko0125

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今回から少年院編に入りました。



シリアスへの第一歩

 

「玉犬」

どろりと、伏黒の影から綺麗な白い犬が出てくる。

「こいつは、呪霊が出てきたりしたら知らせてくれる。」

こちらを見るくるりとしたお目々。

真っ白い美しい毛並み。

やることは、一つだッ!

「かわいいなぁぁぁ!お前!」

「ジャーキー!ジャーキーを持ってきなさい!!」

「ふわふわしてる!癒やし!!!!」

虎杖や野薔薇がジャーキーを上げている間俺はずっと撫で回していた。

ふわふわとした毛が手の間をすり抜ける感覚が気持ちいい。

これがアニマルセラピーか、、、。

そんな茶番も程々に俺たちは例の少年院の中に入っていった。

そこには頭がおかしくなりそうな光景が続いていた。

上を見ればいつまでも続く階段や廊下の数々。

絶対に違法建築だろってレベルの部屋。

そして、永遠に続きそうな廊下。

ふと、後ろを見ればそこには入ってきたはずの扉がなくなっていた。

「これは、、生得領域だ。こんな大きいものは初めてだ、、、。」

伏黒が驚愕した表情で言う。

 

ココで説明しよう!生得領域について!!

生得領域とは人間が生まれながらに持ついわば心の中を具現化した心象風景とも言うべき空間のことを言うんだ!これは、術師のみではなく非術師も持っているぞ!

 

、、、、まって、いや待ってよ。

あの呪霊の心のなかってこんな感じなの?いいの??心の中の風景少年院だよ?

もっとさ、南国の楽園みたいな感じじゃないの?

っていうか俺らの中で一番長く術師をやっている伏黒が知らないレベルの生得領域とかまじでやばいじゃん。

が、そこまで危機感を感じているのは俺だけのようで同級生たちは最初こそ驚いたもののすぐ先を歩き出していた。

これがイカれてる奴認定された人間か、、、、。

そんなことを思いながら暫く歩いているとちょっとした広場のようなところに出た。

後ろの方を見るともうすでに今まで歩いてきた道は消えていて行き止まりになっていた。

恐る恐る前をみるとそこにあったのは男の死体。

あまりにも残虐な死体に小さく喉がヒュッと音をたてる。

今まで任務には沢山行ってきたが人間の死体を見るのはこれが初めてだった。

まぁ、それは死体が呪霊に食べられてたりとか残らないレベルの任務しかなかったのもあるけど。

気を取り直して男を見る。

服に書いてある名前には ”正” と書かれていた。

正、、、、確か伊地知さんが言っていた生存確認するべき人物のうちの一人だったな。

じゃ、他の人を確認しに行くかと思っていると虎杖が言った。

「この遺体持って帰る。あの人の子供だ。

顔もそんなにやられてない。遺体もなしに「死にました」じゃ納得できねーだろ。」

「あと二人の生死を確認しなきゃならん。その遺体はおいてけ。」

「振り返れば来た道がなくなってる。後で戻る余裕ねぇだろ?」

「後にしろって言ったんじゃねぇ。「置いてけ」って言ったんだ。」

「まぁまぁ、こんなとこで話しても呪霊に襲われるぞ?」

遺体を持って帰るか、置いていくか。

俺が仲裁に入るが、その後もどんどん話がヒートアップしていく。

俺はすぐに仲裁に入るのは諦めてどこから特級が来るのかに集中していた。

「いい加減にしろ!時と場所をわきまえー」

見かねた野薔薇が仲裁に入ろうとしたがその瞬間ずるりと音がして地面に飲み込まれていった。

は????

俺は警戒していたのに?

それでも全く対処できなかっただと?

「馬鹿な、だって玉犬は」

伏黒が急いで振り返る。

しかし、呪霊がいたらすぐ知らせてくれるはずの玉犬は壁にめり込んでいた。

野薔薇が消えたこと。

玉犬が鳴き声一つ上げられずに瞬殺されていたこと。

この2つが俺たちに重くのしかかる。

もはや遺体を持って持ってかない以前に生きて帰れるか否かの問題になってしまった。

そして何より

(集中していたのに玉犬がやられたのに気づかなかった!?呪霊の気配さえなかった。

それに、野薔薇が別行動になるのを防げなかった、、、。)

「虎杖。隠。

逃げるぞ、釘崎を探すのはそれからだ。」

と、伏黒が言ったときだった。

毛先が泡立つような感覚が体中を駆け巡った。

「ッ!?」

(間違えなく特級だ。)

体中が危険だと警鐘を鳴らす。

今すぐ逃げ出したい衝動に駆られるのを必死に抑えながら横を見る。

真っ白な顔にぎょろりとした青い目。

そして今までの約1ヶ月程の呪術師歴で養った危機感が言った。

確実に、、、、死ぬ。

今までとは格が違う。

あのときの宿儺受肉のときもやばかったがこちらには明確な殺意があった。

 

アッ これ終わったくね?

 

しかし、俺が動けていない間に早く硬直状態から抜けたのか虎杖が呪具をふるった。

が、次に俺の視界に写ったのは呪具を持った状態で左手首が吹っ飛んだ虎杖の姿だった。

ドチャッと落ちた手首には折れた呪具が握られていた。

虎杖の手首から溢れ出る血を見て伊地知さんが言っていた言葉を思い出す。

(特級と会敵した時の選択肢は「逃げる」か「死ぬ」かです。

自分の恐怖には素直に従ってください。

君達の任務はあくまで生存者の確認と救出であることを忘れずに。)

「釘崎連れて領域から逃げろ。3人が領域を出るまで俺が特級を食い止める。

出たらなんでもいいから合図してくれ、そしたら俺は宿儺に代わる」

虎杖が痛みを堪えたような表情で言った。

「できるわけねぇだろ、特級相手に片腕で」

「よく見ろって、楽しんでる。完全にナメてんだよ、俺達のこと」

「時間稼ぎくらいなんとかなる」

「駄目だ」

「同級生を置いてけってこと?無理。」

「伏黒、隠、頼む」

「、、、、、、、わかった。」

「、、、、伏黒。俺たちで野薔薇を助けに行こう。」

「隠と釘崎が出たら俺が虎杖に玉犬で知らせる。死ぬなよ。」

こうなってしまった以上あの呪霊を止められるのは宿儺しかいない。

なら、俺たちにできることは一刻も早く虎杖が宿儺に代われるようにするだけだ。

俺は、急いで伏黒と一緒に一目散にそこから散った。

伏黒は鵺で飛びながら。俺は肉体強化で走る。

後ろの方でぶつかる呪力には見ないふりをしながら、、、。

体中に巡らせた呪力を足に集中させる。

思い出すは、鬼〇の刃の呼吸法。

血液を巡らせるようにして呪力で脚力を一気に強化する。

これは一時的にだが体を強化させるものだ。

だけど、使いすぎれば後できっつい反動がくるものでもある。

(これは、明日筋肉痛確定かな。生きて帰れたら、、、、ね)

残機を追うようにあたりを見渡せば野薔薇の呪力が見つかった。

そこに身を投げるように滑り込めばすぐに大量の呪霊がいる空間に躍り出た。

なかには釘がそこを尽きて逆さまにされた野薔薇と真っ黒な空中に浮かぶ呪霊達。

「”倣ノ守”」

輸血パックを破れば一気に血が溢れ出てそれが小ぶりのナイフを二本ほどに変わった。

さっきの脚力強化と残機を探すこと。それと今の術式で体の半分以上の呪力が減ったのを感じる。

長時間は危険だ。人では多いほうがいい。

もう一個用意してあった輸血パックを乱暴に破り大量の釘を作り出した。

それを持って野薔薇に投げる。

「野薔薇」

「ッ褒めてやる」

俺が目の前の呪霊を切りまくり、野薔薇が後方から俺が殺し忘れた呪霊を狙い撃つ。

そして伏黒が少し呪霊が減ったところをみてカエル型の式神で俺たちを飲み込んだ。

「うげ。私カエル嫌いなのよね。」

「奇遇だね。俺も嫌い。」

これの目的はここにいる呪霊を全部倒すことじゃない。

逃げることだ。

少し道が開けたのを確認すると伏黒の式神に乗せられ一気に帳の外へ出た。

帳の外に出ると、伏黒が即座にもう一体の玉犬を出し遠吠えをさせる。

それは虎杖への合図だ。

虎杖が宿儺を出す合図。

ここでの俺の行動によってこれからが変わる分岐点。

俺は、、、どうすればいい?

きっと伏黒は残って虎杖(宿儺)の相手をするのだろう。

野薔薇はきっと他の人に助けを求めに行くのだろう。

なら、俺は?

どっちにすればいい?

俺が行くことにより原作が変わるのが怖い。

もし、俺の行動一つによって原作が意図しない方向へ進んでしまったならそれは俺の責任だ。

でも、ここで生き返るとはいえ一回死ぬ同級生を見過ごせるのか。

「何が正解なんだ、、、、、、。」

 

 

 

 

 




更新が遅くなってすみません。
読んでくださりありがとうございました!
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