レナC
膨大な本が並んでいる城内の図書室にシルヴィアは居た。見ていたのは魔法戦術の本だ。
彼女は強くなる為の勉学を怠ることはない。それはマージになる前から心掛けている事だ。
その様子を外でレナは見ていた。
「シルヴィア様…」彼女は決心した。そして図書室の前から一旦離れた。
彼女が駆け込んだのは城内の厨房だった…。
しばらく経った頃、シルヴィアは読んでいた本を読み終えた。本を閉じ、欠伸をしている。疲れが溜まっているのは誰が見ても分かる。
「シルヴィア様!紅茶をお淹れ致します!」
「レナ…ありがとう、是非戴くわ」レナは彼女に対して紅茶の差し入れを持ってきたのだ。
レナは器用な手つきで紅茶を茶器に注いだ。
「いただきます」シルヴィアは紅茶を綺麗な仕草で口に運んだ。そしてひと口目を飲んだ瞬間、顔が歪んだ。それは疲れが解ける…という意味ではなかった。
「何これ甘っ!!」
その紅茶は茶菓子とは比べ物にならないくらい甘かった。そのせいで歪んだ彼女の顔が中々治らない。
「いつもシルヴィア様はお砂糖をお入れになるので、予め入れておきました!」レナは何かしました?という顔で聞いた。
「砂糖…どのくらい入れたの?」シルヴィアは獣をつつく様に恐る恐る聞いた。
「大きな匙3杯分くらいは入れました…」
「それは通りで甘い訳よ…」シルヴィアはため息をつき、頭を抱えた。
「私は味見しましたが、何も問題はありませんでしたよ」
「これ飲んだの?甘すぎって思わなかったの?」シルヴィアは信じられないと口に出そうになったが抑えた。
「えぇ、これぐらいが丁度よかったので」
レナの当たり前ですよねと言わんばかりの返事にシルヴィアは再びため息をついた。
「貴女って本当味音痴よね…前に私とティナ達に出した汁物も塩の加減が明らかにおかしかったし…飲む前に気づくべきだったわ…」ふと過去の出来事を思い出してしまった。たまたま休んでしまった食事当番の代わりにレナが作った料理、私やお父さんはまだ塩辛いのに一瞬は耐えれたが、ミナやティナは余りの味の酷さに悶絶していた。その姿を思い出すだけでも舌が辛くなってくる…。
シルヴィアは立ち上がってレナに言った。
「味の好みは否定しないけど、私は砂糖は少なめの方が好みだわ」
「次からは気をつけてね」とシルヴィアは優しく言うと図書室から去って行った。
「はぁ…またやってしまった…」レナはそう呟いた。
「やっぱり料理はあまりするべきじゃないわね…」