それと今回から、今回の話に出てくる新規の登場人物をつけるようにします。で、コイツ。
九頭竜八一
クラス:龍王(自称)
Lv:0
スキル:将棋、九頭竜技巧
出展:りゅうおうのおしごと!
夜叉神天衣の父親にしてある意味すべての元凶。宇宙一将棋が強くなったので、
もう将棋はいいや悪魔殺す方向で頑張るした変なお兄さん。
ちなみに宇宙一将棋が強いを自称する理由は『将棋の神様(仮)が頭狂ってる狂神で
つまりライバルがいない今、コイツに将棋で勝てるやつはいない……はず。
将棋の神様?奴の知ってる定石って1,000年は前の研究されつくした奴じゃん?
そんなんに1,000年以上進化してる現代のプロ棋士の龍王だった俺が負けると思ってる?
とガチで思ってる……コイツもしかしてクラス:狂人なのでは?
棗君:イロハの苗字が棗になる原因として設定されたただのモブ。目の前でただのサマナーと龍王が九頭竜を一方的にボコる光景を見て龍王砲に魂を焼かれた普通のサマナー。
「う~呼び出し呼び出し」
理事長室への道を走る俺の名前は九頭竜八一。どこにでもいる普通の
強いて言うなら、宇宙一将棋が強いってことかナー
「いったい何の呼び出しなんでしょうね?あなた」
うん。それは俺も気になるところだけど、ナチュラルにあなた呼びはやめようね?あいちゃん。
一応その、酒の勢いでいたした責任があるから恋人だけど、俺はロリコンじゃないし、もっと他に強い男も良い男もいるんだから、違う人のところ行ってもええんやで?
……一度だけ言ったらハイライトが消えた目で「は?」と言いつつなんか九頭竜殺すときに使ったデビライザーつきつけられて金玉縮みあがったので二度と言わないことを誓った。
天国の桂香さん、姉弟子、ごめんね。俺はもうこのロリ沼から抜けられそうにないんだ。ていうか抜けようとした瞬間死ぬと思うんだ。割と確信してる。
それはさておき。呼び出された理由は分かる。
「まあほら、あれでしょ?結婚式の余興」
昨日は棗君と岸波さんの結婚式だった。龍王砲厨と龍王砲厨のハイブリッドである。危険な配合な気は少しだけしている。
だってあの子『20か年計画で最強の龍王砲使い作ります!必ずです!』とかガンぎまった目で言うんだもん。ゴキゲン中飛車に人生捧げてたマエストロでも娘は将棋指しにしなかったぞ。
で、じゃあ最強の龍王砲使いってどんなやねんということで、俺は結婚式の余興として『ぼくのかんがえたさいきょうのりゅうおうほうつかい』を提案し、それの戦術検討会をした。
大体こんな感じ
1.敵は攻撃用の軍事衛星を乗っ取った最強かつ謎のテロリスト
2.静止衛星軌道の軍事衛星からなんか超凄いビーム撃ってくる。当たったら死ぬ
3.最強かつ謎のテロリストなので接近した後もめっちゃ強い。しかもどう強いかは謎
4.何使ってもいいし、どうやってもいいからコイツをぶっ殺せ!ヒャッハー!
これを龍王砲使いが攻略するならどうするよ?という完全にネタに特化した企画であった。
まあ結婚式の参加者はみんな龍王砲について知ってるし、そもそもほとんどが龍王砲厨だ。
これのどこが龍王砲使いやねん!などと言われつつもなんだかんだすっげえ盛り上がった。
んで最後に『なんかこうすげえ飛行機に超強い奴らたくさん乗せて突っ込ませてその後死ぬまで殴り続ける』
という龍王砲微塵も関係ない素晴らしい技巧が誕生したところで、ハプニングがあった。
その結論聞いた瞬間に、結婚式に呼ばれてた理事長が何か顔真っ青にして白目向いてお倒れ遊ばしたのである。
「やっぱりふざけすぎたのかなあ」
あの人、俺より若いのになんかこう苦労人というか、三段リーグの地獄真っ最中の姉弟子みたいな顔してるんだよなあ。
まああの年で学園の運営なんてやってるんだし、俺みたいなただの一般人の世話までやってるわけだからしゃあないとは思うけど。
などと考えていると、理事長室についてしまった。
「失礼いたしま!?」
とりあえずで土下座しようとしたら押し倒された。一瞬だった。ちょっと待って俺にはあいちゃんがってあいちゃんハイライトハイライト忘れてる!?
「……誰だ?」
「は、はい?そ、その、く、九頭竜八一ですが」
なんかこう、3段リーグ抜けられなくて自殺する寸前の3段(奨励会で見た)みたいな顔で問いかけられ、めっちゃビビりながら答える。
こういう時に刺激すると最悪死ぬのを知っていた。なんか理事長、たおやかな美少女に見えるけど覚醒者らしくて男の俺よりはるかに強いし。
「違う!誰から聞いた!?」
「え?聞いたって何を?」
話が、話が見えない!?
「落ち着いてください。理事長」
あいちゃんが優しく諭す。スカートの方に手をやりながら。ハイライトは当然のようにオフのままだった。
「あいちゃん!やめて!落ち着いて!」
俺は知ってるんだ。そのスカートの下にはデビライザーがあるし、今は限界いっぱい全部
それからは理事長(金髪の美人)とあいちゃん(黒髪のロリ)が一触即発で睨みあう地獄みたいな状況で、必死にお互いをなだめた。
「……大変申し訳、ありませんでした」
「いえいえ。ストレスで壊れるのはよくあることですから。奨励会とかで発狂する人ってそんなに珍しくなかったですし」
しょげかえってる理事長をなだめる。まあストレスでおかしくなるのは将棋指しならよくあることよくあること。
だからね?あいちゃん、隣でコイツどう殺してやろうかみたいな顔するの辞めようね。
「……一つ質問があります」
長い長い沈黙の果て、理事長がポツリと言った。まるで世界の秘密の一端を明かすのだとでもいうように。
「アリオト、という言葉に聞き覚えは?」
あー、うん。アリオト is 何?
「あー、ちょっと聞き覚えがありませんね……なんかの、こう、宇宙怪獣とかですか?」
「アリオトとは……」
そこからが地獄だった。
理事長が考えた『わたしのかんがえたさいきょうのうちゅうかいじゅう』の設定を延々聞かされたのだ。
基本設定は昨日の『ぼくのかんがえたさいきょうのりゅうおうほうつかい』に近いけど、その他がやたら詳細で、理事長意外と特撮オタかなんかだったのかなと思った。
「……以上です。これを撃滅する方法を考えてください『もっと現実的に可能なプラン』で」
じっと見つめてくる。断るのは許さない。そう目が告げてきた。
「……分かりました。お引き受けしましょう。とりあえず、龍王砲で倒す方向で考えてみようと思います。が」
まあ、龍王砲もちょっと戦法として煮詰まって来て進化が遅れはじめてたところだし、気分転換になるだろう。
龍王砲の射程圏外から攻撃されたときにどうするかはちょうど気になってたテーマでもあるし。
「が?」
「先ほどの……あー、アリオトでしたっけ?その設定、紙に書くとかwikiにまとめるとかして、くれません?」
あんなん一度に全部覚えられないよ!当たり前でしょ!?ばかなの!?
というのもあるし、普通に研究会に出すときに前提をみんなに説明するのに必要になるという真面目な理由もあった。
「何なら他の宇宙怪獣についての設定くれてもいいですよ!まあほら俺無職で暇ですし!」
ヤケクソ気味に言い切る。力仕事とか子供の世話とか将棋の普及とかできることはしてたけど、いい加減何の役にも立たない状況がつらくもあった。
将棋指し、将棋無ければただの人(詠み人知らず)
出来たことと言えば精々、龍王砲を提案して、それの研究会の主催したくらいである。
……なんかドン引きする勢いで龍王砲が流行してビビったのは、内緒だ。それがなかったら九頭竜倒せてないだろうから結果オーライだろう。
「……分かりました。思い出せる範囲ですべてのセプテントリオンの情報を渡します。もうこの周回では出てこないでしょうし」
え?あのアリオトとかいう宇宙怪獣みたいなの、他にも設定考えてあるって?マジで?
俺の中で、理事長は重度の特撮オタで確定した。下手に言うと後が怖いので口には出さないけど。
「それと、あなたはもうただの無職ではありません」
理事長が断るのは断じて許さんという目で僕を見る。
「期待していますよ。九頭竜八一戦術室長」
なんか知らん間に役職つきになっていた。ただの将棋馬鹿だった俺に、それを与えていいの?とは思うが、断れるはずもなく。
「は、はい……謹んで、お受けいたします。理事長」
その日から俺は聖華学園の戦術室長になった。
そうこうして退出を認められた後、俺は部屋に戻り、あいちゃんを抱いた。
怖かった、ただひたすらに怖かった。
人肌に触れていないとどうにかなりそうだった。
無論、この状況であいちゃん孕ませるのはまずいのは分かっていたのでちゃんとゴムはつけた。あいちゃんが用意してくれてたのをしっかりと。
……3か月後、俺はパパになると笑顔で妊娠検査薬を見せてくるあいちゃんに告げられ、絶望した。
息抜き代わりの短い短編にしてみました。