すごく弱いキャラになりました。でも頑張ってください。後方支援なら行けるはずなので。
ヨシミ=イバラギ
Lv:5(小学校の頃通わされた護身術教室で鍛えた)
クラス:オペレーター
元ネタ:ブルーアーカイブ、メタルサーガ、パラノイア
設定
漂流者としては極めて良識的で現代日本人に近い価値観を持つ、ちょっとだけ頭がいい、ごく普通の女の子。
銃は持っているものの、15歳の誕生日に両親に買ってもらったもので、護身術教室でターゲットを撃ったことしかない。人に向けるのは怖い。
おうちの関係でパソコンに強い。プログラムとかハッキングとか普通にできるレベル。頑張れば悪魔召喚プログラムもたぶん扱える。
価値観のズレもあんまりない。ただちょっとだけ差別意識的なものはあるけど、それもまあ普通に矯正できる範囲である。
……なお、出身世界はRE;STARTに出てくる中では最も過酷で邪悪な世界である『砂漠』とする(ゲス顔)。
この『世界』の上には、広大な『砂漠』が広がっていて、そこはこの世の『地獄』だから、絶対に地上に出ようとしてはいけません。
子供の頃にそう、学校の地理で習った。といっても遠すぎて、実感は全然わかなかった。ふーん、って思っただけだ。
そもそも上級市民ID持ちの情報管理部門の家に生まれたわたしでは、砂漠に出るためには気が遠くなるほどの数の申請書類が必要で、出ることに意味が見いだせなかったのもある。
砂漠に出て戦うのは一般戦闘要員として訓練を受けた下級市民と、車両戦闘要員担当や悪魔召喚戦闘要員担当の中級市民の仕事だ。
それも殉職率はそこまで高くなかった。
ロクな教育を受けていない砂漠の住人や統率もされずに暴れるだけの怪物とは、装備も練度も違いすぎるし、戦法は確立されてたから、作業的に殺して終わりだった。
そりゃあごく稀に『砂漠に殺された』なんて人は出たけど、それもちょっとしたニュースになるくらいには珍しかった。
憂さ晴らしと称し、罪に問われないからって理由で砂漠の一般市民を虐殺するような異常な一般戦闘要員が、
砂漠で一番安い500マッカの賞金首だったせいか『世界一割に合わない賞金首』って仇名がついた『砂漠の兎』に殺されたときなんて、3日くらいは話題になった。
その殺された奴も弱そうな女の子ばっかり狙って殺してたような危険分子で、それで普通の女の子と間違えて『砂漠の兎』を襲って殺されたって話だったから、そんなの殺されて当然だって思ったくらいだ。
もちろん、砂漠の光景はよく知っている。監視用ドローンの映像越しに、ずっと見てきた。多分、見たことない人の方が少ないくらい。
ただ、わたしたち『親愛なるコンピュータ』に選ばれた優秀な遺伝子を持つ選ばれし市民が住まう地下の楽園『αコンプレックス』の住人達にとって、砂漠は最高の『娯楽』だった。
砂漠では、いつも、いつでもよくわからない、とんでもない悪魔やミュータント、暴走機械が現れては、暴れまわってた。
そいつらにαコンプレックス他のシェルターは賞金を懸けて、砂漠の住人に殺させていた。砂漠の住人はそんな凶悪な指名手配悪魔にたくさんの尊い犠牲を出しながらも最後は必ず討伐に成功してきた。
それを見るのがαコンプレックスでは人気の娯楽だった。息をのむような戦闘の様子を見たり、討伐の中で起きる珍事に笑ったり、生死がかかった人間が巻き起こす本物のドラマに感動すらした。
中には討伐まで何人死ぬか、とか誰が討伐するかとか、最後に賞金巡って仲間割れした後誰が勝ち残るか、で賭けをするような『悪趣味』な奴らもいたけど、そういうのはわたしの趣味に合わなかった。
わたしみたいに良識ある善良な市民は、普通に楽しむくらいだった。
人の生き死にを娯楽にするのは悪いことだとは思うけど、それで支払われる賞金や物資がなければとにかく物資に困窮している砂漠の経済は回らないくらい砂漠の人たちも分かってただろうから、しょうがないと思う。
もちつもたれつって言葉もあるわけだし。
……だから、実感なんてなかった。このαコンプレックスもまた『砂漠』の一部であったことを。
きっかけは、αコンプレックスで起きた大停電だった。
いきなり電気が消えて、世界から光が消えた。
きっかけは、一人の砂漠の住人……『不死身のハンター』と呼ばれた化物が仲間を連れて無数のセキュリティや防衛システムをすべて『戦車で』突破し、
αコンプレックスを含めた無数の『親愛なるコンピュータ』を統括するホストコンピュータ『ノアシステム』を破壊したのだ。
……ただの指名手配悪魔かなにかだと思ったらしく、無数の警告メッセージを全部無視して問答無用だった。
電気と空調システムのないαコンプレックスでは、人は生きていけない。
無数の市民が地上に移住することになり、画面越しにしか見たことがない『砂漠』に出て……そこが『地獄』であることを本当の意味で実感した。
強力無比な軍隊は、補給がなければ戦えない。そして、継戦能力が尽きたところで無尽蔵にいる砂漠の怪物たちは容赦なく殺していき、市民は逃げ惑うしかなかった。
一人食われ、二人消え、戦闘要員はわたしたち市民を見捨て……ひたすらに熱くて何もない砂漠でわたしたち市民は冗談みたいにどんどん死んでいった。
水を飲めば汚染されているし、食べるものは見つからないし、お金を払って砂漠の人からちゃんと買おうとしたら、殺されて服まで全部奪われた。訳が分からなかった。
……砂漠の人間は、人間じゃなかった。ただ、人間の形をしているだけの化物だった。ただただ悪意に満ちていたし、わたしたちを見かけたら襲ってきた。
あいつ等がαコンプレックスに入れなかった理由が本当の意味で理解できた。こんな目にあうならαコンプレックスで酸欠死した方がまだマシだった。
だから、無数の悪魔がどこからか現れて砂漠の化物を殺しだしたときは、歓声すら上がった。ざまあみろ!やっちまえ!……わたしたちまで襲われだすまでの短い間だけだけど。
訳も分からず必死に逃げて、いつしかわたしは、みんなとはぐれ、どこかの廃墟にいた。15歳の誕生日にお父さんに買ってもらった護身用のライフルだけを持って。
崩れかけた、民家だ。子供のころに見た、魔女の家みたいな。
中に入って、そこに白骨が一個だけ転がってるのを見ても、もう何も思わなかった。死も死体も見慣れてしまったから。
ただただ休みたい。
そう思って崩れかけた階段を上り、どこか少しでも休めるところを探して……気がついたら古ぼけた部屋にいた。
古ぼけてるけど、掃除が行き届いてて、寝心地がよさそうなベッドがあった。
ーーーあ、そうか。ここまで全部ただの夢だったんだ。
ようやくわかった。そりゃあそうだ。あんなの、悪い夢に決まってる。
そう思い、ベッドにもぐりこむ。護身用のライフルだけ抱えて。何日ぶりかもわからない温かいベッドに、すぐに眠りに落ちた。
……次に目を覚ました時、わたしは、椅子に縛り付けられ、目と口を布で塞がれていた……???
「いくらお優しいこの世界でもさあ……
……彼岸花のキャスパリーグ様に喧嘩売ったんだ。楽に死ねると思うなよ?」
耳だけ聞こえる状態のわたしに、恐ろしい言葉が投げ込まれる。声からすると女の子っぽいのに、震えあがるほど、怖い声だった。
ち、ちが!?これは、誤解で!
叫びたかったけど、さるぐつわでしゃべれなかった。
「ちょっと駄目だよ!そんなの!」
もう一人、別の女の子の声がしたときは、救われたと思った。
「大事なお店が血で汚れちゃうでしょ!?お掃除大変なんだよ!?……大丈夫。まかせて。こういう時の『やり方』もちゃんと知ってる。
どうやってチョコミン党直伝の結界に一切探知されずに入れたのか。全部聞き出すまでは殺さないから、安心してね」
……一瞬だけだった。優しそうだけど、分かる……本気で怖い声だ。
もうだめか……ここ、本当に魔女の家だったんだ……
わたしは、すべてを諦めた。まあ、最後に奇麗なベッドで寝れたから、もういいや……
「二人とも、落ち着いて、ね?」
「「ナツさん!?」」
もういい、知ってる。どうせ殺すんでしょ。
そう思ってたら、しゅるりと目隠しが外された。
「もう大丈夫だから、安心して……さあ、よ~く、私の眼を見てね」
真っ赤な目を見てるだけで、頭の中がふんわりして、すごく落ち着いた。
もう、何も怖くない。この人の言うことさえ聞いてたら。大丈夫。
「「こ、これが貴族のやり方……!」」
そんな声も、気にならない。しゅるりと、さるぐつわが外された。
「じゃあ、ちょっと『全部』話してくれるかなぁ?名前も生い立ちも今までにあった特別なことも大事なこと、全部」
当然、従った。名前もIDもセキュリティパスもαコンプレックスの秘密通路の位置もこれまでの人生の出来事も、全部。だってこの御方が言うことだから。
*
「ヨシミ=イバラキと申します!昨日は不法に侵入してしまい、大変申し訳ありませんでした!」
「あ、はい。気にしなくていいですよ」
朝起きたら、なんか増えてました。いやあ寝てたので全然気づきませんでした。
アイリちゃんのワンピース着て、アイリちゃんが肩を支えてる、ちっちゃい子です。なんか朝早いからかちょっとぼんやりしてますね。
ちなみにわたしの傍には学校の制服着てごっついいつものライフル抱えたカズサちゃんがいます。朝っぱらからすごい感じです。
……で、こちらは?
「ああうん。どうもこの世界に迷い込んだ漂流者みたい……全部聞き出したけど、一般人じゃないかなって思うよ」
おお、ひょーりゅーしゃ。本当に突然増えるんですねえ……ところでなんでナツちゃんいるんです?
そんなわたしの疑問を横に、話がオートで進みます。
「ごめん。ちょっとコイツ、警察に放り込んでくるから、朝の仕事休ませて」
「すみません。師匠。カズサちゃんの分まで私が働きますので」
ふむふむそういうことなら……うん?
「え?こういうのって普通うちで面倒見るんじゃないんですか?」
漫画とかアニメにはあんまり詳しくないんですけど、そういうものかと。
なんかこう、行き場所とかなさそうですし。
何故か、沈黙がおりました。はい、何故か。
「……店長がどうしてもっていうなら、その、頑張る」
「ダメだよ!それだと店長絶対受け入れるよ!……その、おススメできません。やめておいた方がいいです」
アイリちゃんが必死な顔でいってきます。う~む、何故なのでしょうか?
「……うん。この子、確かに上流階級の一般人っぽいんだけどよりにもよって『砂漠』の産まれらしくて」
なるほどなるほど……砂漠?日本人じゃないんでしょうか?名前の響き、すごい日本人だったのに。
疑問でいっぱいのわたしにカズサちゃんたちが、教えてくれました。
「砂漠ってね、漂流者が居た世界でもトップクラスにヤバい世界だって言われてるの。
住人がみんなクズなクズの巣窟とか、悪魔の群れで滅んだ割に『逃げ切った生き残り』が多すぎるとか」
「あそこの出身の漂流者は、見かけ次第殺した方がいいとか言われてるんですよ!?子供でも油断ならないって」
うわあ。滅茶苦茶言われてますねえ。ヨシミちゃんもぷるぷる震えてます。
「……友人としては、本当にやめておいた方がいいと思うんだ。無論、君が良いっていうなら、仕方ないけど」
そんなのかんけいねえ!
と言えるほど、わたしは優しくないです。いや、そんな1vs3で止められて受け入れられるほど、人間出来てないのです。
ごめんなさい。
「まあ、そういうことなら……確かに、ひょーりゅーしゃがみんなカズサちゃんやアイリちゃんやナツちゃんみたいにいい子ってわけじゃないですもんねえ」
……?
なんか全員が目を反らしました。なんで……?
「ご、ごめん。彼岸花は、リコリスの毒煮詰めたような奴らだから、見かけ次第殺せって言われてる……」
「ヨヨギで秘神崇めてたような魔女はメシア狂より話が通じないとか言われてます……ごめんなさい」
「まあ、人間は奴隷だ家畜だ言ってたような吸血鬼が、この世界でまともな扱い受けられるわけないよねえ」
い、今明かされる衝撃の事実!?全員悪い子だった!?ていうかナツちゃん吸血鬼だったんですか!?
……うん?それなら同じくらい悪い子らしいヨシミちゃんも別に問題ないのでは?そう思った瞬間でした。
「ーーーわたしを!あんな奴らと!あんなのと!一緒にしないで!わたしは!あんな!あんな!人間の形した化物じゃない!」
いきなりの大声でした。青年の主張とか、魂の叫びとか、そういう感じです。
「私の魅了に抵抗しきった……まさか、砂漠の住人と一緒扱いされるのが嫌すぎた?」
ふうふうと、肩で息を切っているヨシミちゃんを見て、まあ、分かりました。
「とりあえず」
宣言します。というかですね。普通にお腹がすきました。
「「「「とりあえず?」」」」
「朝ごはんにしましょう!今日は久しぶりにわたしがつくります!パンケーキです!」
そう、宣言した瞬間、ヨシミちゃんのお腹がぐう、となり、和みました。
それを聞いたので、すごく久しぶりに朝ごはんを作ります……あれ?よく考えたらカズサちゃん雇った時から作ってないような?
ま、まあいいです。どうせ簡単な奴です……募集告知、賄いはわたしが作るって書いてたのになあ。
と思いつつ、ちょちょっと混ぜて、パパッと焼くだけの簡単ケーキ。パンケーキです。子供でも作れる割に結構奥が深いのです。
一応お菓子職人なのでふんわりスフレにします。あとは定番のバターとメープルでシンプルに行きます。
「どうぞどうぞ。お替りもありますよ。どんどん焼くんでおかわりはお気軽に言ってくださいね。あと、チョコとか生クリームとかジャムも言ってくれれば用意しますから」
そんなことを言いながら、手早く並べていきます。あとで紅茶と牛乳を用意しましょう。
全員、ちょっと目を見合わせた後、食べ始めます。はじめは遠慮がちでしたが、すぐにみんな夢中になって食べてくれます。
これはすぐにお替りいるやつですね。そう思いながら、焼きに戻ります。
「……うん。やっぱりヨシミちゃんもうちで面倒見ましょう!」
みんなと同じくらい笑顔で、おいしくわたしのパンケーキを食べてくれるのを見て、決心しました。
お菓子美味しそうに食べてくれる子に、悪い子はいません。おばあさんがそう言ってました。
そんなわけで、わたしの家にまた一人、店員が増えました。
……なんか、色々聞いたら滅茶苦茶パソコン得意だったので、お店のパソコン関係、全部やってくれるみたいです。
結局わたしが一番ダメ人間なのは、変わらないみたいです。Lvもこっそり4になったわけですが。
放課後スイーツ部、コンプリートしたのでしばらくお休みです。
多分、次はセプテントリオン戦辺りで頑張ってくれるでしょう。全員が、守るべき場所を守るために。
戦闘描写は、一切しませんが。