なゆたんやちとせさんも出てきたり、『次は逢二妹行き(2号車)』という場面が出てきたり!
いや~、次週も楽しみだ~!!(オメメグルグル)
『……てことなんだけど、しっかりと年末には帰ってくるんでしょ? クソアニキ。』
「大丈夫大丈夫、今年は年末には帰れるから。母さんたちにはしっかりと伝えておいてくれよ。」
『ん、わかった。それじゃあみはりによろしく言っておいて。』
それはなんてことない12月の二週目の平日の夕方のことだった。
俺は学校を終えてバイトもないため家に向かって歩いている時に電話が掛かってきた。
電話の相手の名前は新川茉莉、俺の実の妹からだった。
実は俺も茉莉もお互いに兄妹相手に電話をするということは滅多にない。
だけど今日に限ってはとても珍しいことに、茉莉の方から電話がかかって来たのだった。
電話の内容は多岐に渡った。
例えば以前真尋たちと温泉に行ったことを茉莉は既に知っていたので、そのことについて追及されたり、あるいは今年の年末年始の予定はどうするのかと尋ねてきたりとか、他にもいろいろと話をした。
過去を振り返ると、もともと俺たち兄妹はそこまで仲の良い兄妹ではなかった。
というよりも犬猿の仲とさえ言っても過言ではなかったと思う。
この関係が変わったのは、俺も茉莉も小学生の頃に真尋やみはりちゃんから仲介されてからだった。
まぁ、この話は長くなるので詳細は省くけれども。
そして親の都合で田舎へと俺の一家が引っ越し、そして俺が大学への進学を機に上京したといった複数の契機を経て、俺と茉莉の仲はそこそこ良くなっていったと俺は思っている。
おそらく妹の茉莉もそう思っている筈だ……、だったらいいなぁ……。
そしてそんな関係だったから、俺も茉莉も緒山兄妹とは結構付き合いが長い。
俺は言わずもがなだし、茉莉も割と頻繁にみはりちゃんに連絡をとっては揶揄われているんだとか。
実は俺と真尋よりも、茉莉とみはりちゃんの方が付き合い的には長かったりするとか。
さすがに現状の真尋の状態については茉莉は知っていないと思うけど、わりと俺の近況をみはりちゃんが茉莉に話すから俺が何をやらかしたのかとか茉莉経由で親に筒抜けなんだよな~……。
そんなこともあって、以前の温泉旅行の件とかも茉莉は既にみはりちゃんから詳細を聞いていたんだと。
電話の最中には「私もみはりと温泉行きたいのに、ズルいぞクソアニキ」なんてことも言われたり……。
これは年末年始に帰郷する時にはしっかりとした土産持って帰らねーと、あとが怖いな~。
そういった話を経て、俺も茉莉も通話を切る。
それから再度俺は家に向かって歩き出した。
しかしもう年末年始か……。
真尋が女の子になって既に半年近く経過しているし、時の早さを実感させられるな。
真尋は真尋でどんどんと所作が女の子らしくなっていっているし、精神的にも女の子になっていってるように思う。
その過程を間近で見ていると、こいつ元の姿に戻れるんだろうかと最近は頻繁に思うようになってきた。
俺個人としては以前のように真尋が徐々に女の子らしくなっていくことに対して寂しさを感じることはなくなったけれども、やっぱり色々と不安の方が勝ってしまうのは俺が心配性になってしまったのか。
まぁ、前に比べて真尋の性格も良い方に変化しているっぽいし、とりあえず今後も真尋のことは見守るとするか。
それはそうと、今年はバイト先の店長が融通を利かせてくれる関係で年末年始はしっかりと休みが取れることとなったのは朗報だ。
なんでも昨年とか結構ギリギリまで働かせてしまって申し訳なかったから今年は融通したよなんて言われたけれども……。
まぁ、せっかくのご厚意だし受け取っておくこととしようかな。
クリスマスに関しては……、今年も真尋とゲームでもしながら過ごそうかな。
なんでか店長、変に気を遣ってクリスマスまで予定空けてくれたし。
俺がそんなことを考えながら家路を歩いていると、俺のスマホから再度ピピピと通話の音声が鳴り始めた。
また電話かい。今度は誰だ?
俺がそんなことを考えながらスマホの画面を確認してみると、そこに映ったのは名前は俺のバイト先の後輩の佐藤くんだった。
この佐藤くん、俺が温泉に行った日に俺の代わりにバイトに入ってくれた心優しい青年である。
「もしもし佐藤くん。どうした?」
『先輩! すみません! クリスマスの日、俺とバイト代わってください!!』
「えーっと……。理由を聞いても?」
佐藤くんから話を詳しく聞けば、なんでもクリスマスを目前にして彼女が出来たんだと。
それで彼女とクリスマスの日に一日遊園地とかに遊びに行きたいんだけど、生憎と朝から夕方までバイトが入っているから変わってくれる人を探していたんだとか。
そこで白羽の矢が立ったのが先日温泉旅行に行くということでバイトを代わった俺だったとのことだ。
「なるほど。分かった、代わってやるから楽しんで来いよ。」
『ありがとうございます、先輩! この御恩、忘れないっす!!』
「いやいや、大袈裟だって! 俺だって一度代わってもらっているんだし、これぐらい訳ないよ。」
その後も佐藤くんは何度も何度もありがとうございます、ありがとうございますとお礼を言ってきていたが、そんな佐藤くんをなんとか俺は宥めてから電話を切った。
佐藤くんのああいう律義なところが女の子に好かれる理由なのかな。
俺も佐藤くんのああいうところを見習わないとな~。
それはそうと、佐藤くんとバイトの日程代わったって連絡は明日バイト入った時に店長に直接すればいいか。
とりあえずメモ残しておこう。
そんなことを考えながら歩いていると、俺はいつの間にやら自分の下宿先へとたどり着いていた。
考え事をしながら歩いている時は、案外こういったことを俺は起こしてしまう。
気をつけないといけないと常日頃から注意しているが、なかなかに治らない悪癖だった。
それから俺は玄関の鍵を開けて室内へと入ってから、少しゆったりとしていた。
実は俺の通うゼミでレポートの課題が出ているから早く着手した方がいいんだけれど、面倒くさくてなかなか実行には移せないでいた。
そんな時である。
またしても俺のスマホから電話のコールが鳴り始める。
今日は珍しく電話の多い日だなと思いながら電話の相手を確認したところ、その相手は真尋からだった。
「もしもし、どうしたんだ真尋?」
『カズ! 今日はネトゲにログインするか!?』
「え!? ええと、時間はあるからログイン出来るけども……。どうした急に?」
俺が真尋にそう返答すると、真尋は興奮気味に俺の質問に答える。
「今日、21時からイベントあるんだよ! ここ最近は俺もイベント情報をしっかり見てなかったからさっき初めて知ったんだけど、このイベントで以前から俺たちが欲しかったレアアイテムが手に入るんだ! だから今日やろうぜ!」
「なるほど、わかったよ。21時にはいつもの場所にログインするようにしておくけれど……、ゼミのレポートの提出が迫っていてな。間に合いそうになかったら連絡するから他の人たちとパーティ組んで先にイベント参加していてもいいぞ。」
「待て待て、前にちょっと誘われたパーティ壊滅させてしまったことがあるから急造パーティでイベント参加なんてしたくないんだよ! 頼むから早めに用事終わらせてゲームにログインしてくれ!」
「……たく、仕方ねーな。頑張って早めに終わらせるよ。それより不穏な言葉が聞こえたんだがどういうこと?」
「いや、えっと……。気になるなら早くログインしてくれよな! それじゃまた後で!」
そう言って真尋は通話を切る。
いや、パーティ壊滅って……、何をやらかしたんだ真尋は?
気にはなるが、先程の口ぶりならイベントに間に合えさえすれば詳細を教えてくれるだろうし、さっさとゼミのレポートに取り掛かるか。
そう思いたった俺は自室の机の前に座り、レポート提出の為に必要な書類に早速目を通し始めた。
―――それからどれくらい時間が経ったのか、かなりの時間集中してレポートに取り組んでいた俺は、気付けば腹の虫の居所の悪さも無視して作業に没頭していたみたいだ。
時計を確認すると20時をちょっと過ぎたくらい。
幸いにして先程のまでの作業でレポートもある程度完成しているし、ここは真尋との約束に向けて飯を食って備えようと思ってカップ麺を棚から取り出そうとした時、またしても俺のスマホから電話のコールが鳴り響いた。
一日で4回も電話が掛かってくるって珍しいな。
そんなことを思いながらスマホの画面を確認してみると、今度は吾妻ちさとの文字が表示されていた。
「はい、もしもし。新川です。どうしたんですか、吾妻さん?」
『いやぁ、お疲れ新川君。この前提出してくれた真尋君のレポート、とっても良かったよぉ。』
この人、そのために電話してきたのか?
いや、さすがに本題はまだあるのだろう。
これは会話のジャブかな?
俺はそんなことを思いながら吾妻さんに対して返答しようとする。
ちなみに真尋に関するレポートとは、みはりちゃん以外からの視点もあった方がいいとみはりちゃん、そして吾妻さんの考えの元、俺も真尋に関するレポートを作成して提出することになったといったわけである。
「そりゃあどうも。なんか他大学とはいえ、大学の教員に褒められると喜びも一入ですね。ところで、要件をお伺いしてもよろしいですか?」
『え? これが要件だけれど?』
「マジっすか!?」
『マジマジ。』
えぇ……、わざわざ俺を褒めるためだけに電話してきてくれたの、吾妻さん?
「ありがとうございます。わざわざそのためだけに電話していただけるなんて。」
『なぁに、こっちは君の善意に頼ってレポートを作成してもらっているんだ。お礼くらいは直接口頭でするさ。』
「それは……。こちらも真尋の様子は気になりますし、それが役立ってくれるのならなによりです。」
俺の回答に吾妻さんは一度「ほぉう」と一息つくと、先程よりも明るい声で俺の言葉に返答する。
『うん、君はやっぱり友達想いだねぇ。またうちのゼミに遊びに来なよ。今度はもう少ししっかりと歓迎させてもらうよ。』
「ありがとうございます。それでは、またお邪魔させていただきます。」
その後吾妻さんと少し話をしてから通話を切る。
以前吾妻さんと話をした時はみはりちゃんが開発したTS薬を開発する手伝いをしていたり、真尋の中学校編入を裏から手回ししていたりと、なかなかに吾妻さんはとんでもない人間だと俺は思っていたが、こうやって話をしていると普通に良識のある大人って感じだよな。
いや、これって両立するのか?
そんなことを考えながらさっき棚から出したカップ麺にお湯を入れる。
21時まで多少余裕があるとはいえ、さっさと食べてしまって時間より早くゲームにログインして備えておかないと。
ここ最近忙しくてゲームにログインできなかったし、わざわざ真尋がイベントに俺を呼ぶってことはおそらく戦闘系のイベントなんだろう。
早めに回復ポーションとか買い漁っておかないと。
そうして俺は3分という時間を待たずにカップ麺の蓋を取って食べ始める。
一口食べて「うめ~!」なんて言葉を溢しながら、二口三口と食べていた時、またしてもスマホから通話のコール音が鳴り始めた。
今日電話あり過ぎだろ!!
なんなんだよ本当に!
そんなことを思いながら通話相手の名前を見ると、そこには緒山みはりの文字が表示されていた。
「はい、こちら新川和史。みはりちゃん、どうしたの?」
『もしもしカズ君! クリスマスって暇?』
「え? 夕方までバイトあるけど……。いったいどうしたの?」
『実はね……。』
新キャラ、まさかのオリキャラ×2です。
私事により今後の投稿はちょっとずつ遅くなっていくかと思いますが、なんとかなゆたん出るまでは頑張って続けていきたいと思います。