第14話
出会いは唐突に。
そう言い出したのは誰だっただろうか?
そして、目の前の少女はそれに値する。
「ワム、あなたとあそびたいな。ダメ?」
「……貴方誰?」
その少女は全身をゆうに包み込める大きな傘を持ち、その青と中心にピンクが入った眼でこちらを見た。
しかし、人間ではない。
私が疑い深く見ているのを感じ取ったかどうかは知らないが、アホ毛をクエスチョンマークにし、その耳……獣のような耳を震わせた。
ってか、宙に浮いてる。
「ん?ワムがなにかへん?あっ!デュエルしよ!」
「…………はぁ……貴方が「ワムつよいよ。それともこわいの?」………」
煽りとも取れるようなカタコトな言葉で的確に言ってくる。
面倒臭いけど……やるか。
「泣いても知らないよ。」
「ふふん、ワムはつよいので!じゃあ……イタダキマス」
「はぁ、美香、遅刻するわよ。」
「……ラヴィ?私は今からこの……」
デュエルを開始する直前、ラヴィが現れた。
遅刻だなんてどうでも……
「………」
ラヴィの無言の視線に諦めた。
こういう時のラヴィは面倒臭い。
「……じゃあまた今度……ああ……」
「ワムとよんでね!」
ワムと名乗った少女に別れを告げ、私は急ぐ。
……流石に今日はラヴィの迎えでは行けないしね。
美香が立ち去って無音が続く。
3分経っただろうか。ワムは眼を細める。
人が……いない
「…………で、ラヴィの許可なく時空移動した責任はどうするの?」
「ん?はたらいたらいいんじゃないの?」
はぁ、とラヴィは溜息を吐く。そして、手を叩いた。
突然ワムの頭が後ろに吹き飛ぶ。
そして……
「ん、まずい。」
「……相変わらず化物ね。」
そして。ワムは“銃弾をしゃぶりながら”ある1点を見る。
「アンツィオ20mm対物ライフル……世界最強レベルのライフルなんだけど……」
ビルの屋上、ヒナはひとり双眼鏡片手に驚愕する。
そして、まだ煙の漂うライフルを持ち、ビルから飛び降りた。
「はぁ………やっぱり効かないよねぇ。」
「あたりまえ。ワムにはきかない。」
ラヴィとワムは睨み合う。
そして、精霊が現れた。
「セラ。」
「ルベリオン。」
精霊同士のぶつかり合いは、人がいれば周囲を何度も消し飛ばしていただろう。
それを遠くで眺めていたヒナは人払いをしていて正解だと確信した。
「星界先輩!」
「……ああ、遊斗君。」
私が学校に着くと、偶々遊斗君と出会った。
その近くには何故か此方を睨んでくる白髪の女子生徒がいる。
「……ああ、確か綾香氏さん?」
隣のクラスにいた気がする。
別になんとも思わないが、ラヴィとエリスが少し反応していたのを覚えている。
でも、氏まで苗字なんて珍しい。
「…………」
「あ、綾香氏先輩……?」
「?」
なんで睨んでくるのかわからないまま、私は遊斗君に手を振り、教室に行く。
その間も綾香氏さんは睨むのをやめなかった。
……なんでか後で聞こう。
「ちょっと!なんでとんでもない奴と仲良くなってるのよ!」
「綾香氏先輩!?いえ、星界先輩はいい人ですし……」
美香がその場を去り、彼女の背が見えなくなって数秒、口を開いた。
「あたしは相性的な問題もあるけどあいつに瞬殺されるわよ。」
「えっ!?」
“既に”何度もリアルファイトを制してきた彼女がいうのだから、遊斗は腰を抜かすほど驚く。
それを尻目に、彼女は頭が痛そうにこめかみを指で押す。
「あたしは先祖返りの要素が強いけど、あいつは原点。当然あたしより強いのに……」
「強いのに……?」
彼女は一拍置いて声に出す。
それは遊斗を驚かせるのに十分だった。
「遊斗とケントレギナが10年経ってようやく身につけた部位精霊纏い。それをゆうに超えてくるでしょうね。」
次回、久しぶりのまともな掲示板回