魔払い纏いのラスボス系デュエリスト   作:閃刀姫使いアルジェ

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ですまーちつらい


第16話

「夏だ!」

「海だ!」

「「「遊ぶぞぉぉぉ!」」」

「おー」

「あ、ちょっと!」

 

 目の前に広がる海を前に3人は海に飛び込む。

 それを浜辺から無表情で眺める私と、頭を抱える綾香氏さんがいた。

 

「って水無月ィィィ!」

「溺れてるじゃないの!」

 

 はしゃぐ(?)3人を尻目に、私と綾香氏さんは眼を合わせて溜息を吐いた。

 

 

 

 そもそもどうして海に来たのか。それは遊斗君の幼馴染の発言が発端だ。

 水無月さんという子らしい。

 私と遊斗君、そしてそれを綾香氏さんが見ていた時に、

 

「遊斗君!海行こ!ってああ!」

 

 ズドンと音を立てて転びながら突っ込んできた。

 遊斗君は慌てて彼女を立たせる。

 

 さて、海に行く話になっていたが、

 

「綾香氏先輩と星界先輩も一緒に行きましょ!」

「「えっ」」

 

 水無月さんは私達を話に巻き込んできた。

 私は少し考えた。

 暇だし、いいかなぁ。

 

「「いいよ」」

 

 私と綾香氏さんの声が被る。

 そうして私達は海に行く計画を立て始めた。

 

 

「よし、アイツに運転させよう。」

「「アイツ?」」

 

 

 

 

 そうしてラヴィを巻き込んで海にやってきた。

 ラヴィは始め聞いた時驚いていたが、快く(珍しく)受け入れてくれた。

 

「ラヴィ、ありがと。」

「はいはい、楽しんできなさいな。」

 

 と、言いつつ、ラヴィはいつのまにか立てたパラソルの下で、優雅にかき氷を食べている。

 ラヴィは日光苦手だし〜と呟くラヴィを無視して、海の方に移動する。

 

 

「………」

「………」

「………………」

 

 遊斗君が綾香氏さんの胸を揉んでいた。

 固まる4人に、いつのまにか現れたラヴィは告げる。

 

「ラッキースケベね。ラヴィもこの目で見るのは初めてよ。」

 

 冷静に分析するラヴィに尋ねる。

 

「スイカ割り用の棒って何処だっけ?」

「ちょっと待って星界先輩!?」

「大丈夫、遊斗君。ラヴィも割るから。」

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

 私は砂に埋めて、首だけ出している状態の遊斗君とラヴィを見る。

 棒を目の前まで振って、戻す。

 それを数回繰り返し、棒を2人に向けた。

 

 ニコッと笑い、棒を振り上げる。

 

「ちょっと待ちなさい!ラヴィはいくらでも殴───」

「星界先輩!?それは不味いですよ!いくら丈───」

 

 鈍い音を響かせながら2人は青い空に打ち上がる。

 2人が何か叫んでいた気がするが、気のせいだろう。

 

 ヨシ、と指先確認し、汗を拭う。

 まぁ、2人なら大丈夫だろう。

 

「………遊斗君、大丈夫かなぁ。」

「………なんで砂深くに埋めたのに吹っ飛んでいるの……?」

 

 

 

 

 

「いてて、精霊纏いしなかったら死んでた……ん?」

「あっ、お前はッ!?」

 

 飛ばされた先、そこにはクロノスが居た。

 彼は海に竿を垂らしており、突如現れた僕に驚いていた。

 

 クロノスは持っていた釣竿を放り投げようとして……震えた。

 それは……まるで人の……なんだ?彼は後ろの人のような何かに恐怖している。

 ただただ、恐怖という概念だった。

 彼女は生きたままのイカを貪っている。そう、生きたままの。

 

 

「なにやってるのクロノス?」

「あっ、あっ、ワ、ワム様……?」

 

 普段、調子に乗っている子供のような彼が、今はただ嵐を過ぎ去るのを待つ子供のように震えている。

 僕は瞬時に判断して、精霊纏いを解放する。

 

「ケントレギナッ!」

 

 

 彼女に向けて先制攻撃を仕掛けた。

 その一撃は確実に……今まで以上の一撃だった。

 実際、クロノスは一切反応できていなかった。それを………

 

「ルベリオン、ふせいで?」

 

 

 周囲に大きな打撃音が響く。

 そして、僕の拳を“ルベリオン”と呼ばれたドラゴンは軽々と掴んでいた。

 2、3歩引き、僕は逃げることを選んだ。

 

『オイオイ!遊斗!お前、本気で逃げるぞ!アイツはヤベェ!』

「わかってる!」

「おにごっこ?ワムとくいだよ?」

 

 突如消えた彼女は、いつのまにか僕の目の前にいた。

 瞬間的に蹴り上げようとし……

 気がつけば身体を地に叩きつけられていた。

 

『遊斗!』

 

 何が起こったかわからない。

 痛みすら遅れて伝わる。圧倒的な格上。

 そして、彼女は踵を振り落とそうと……

 

 

 

「間に合ったぁ……遊斗君無事?」

 

 目の前にもう1つ脚が見えた。

 その脚は、彼女の踵を目の前で防いでいた。

 

「ッ、ラヴィさん?」

「無事じゃないようね!ったく、美香ったら……次々と面倒ごとを呼び寄せるんだから!」

 

 

 すると、ラヴィさんはデッキを取り出した。

 それに反応し、彼女は脚を上げ、同じくデッキを取り出した。

 

「ラヴィさん!?逃げましょうよ!?」

「………それもそうね。セラ!」

 

 ラヴィさんは1枚のカードを取り出して、それを掲げた。

 すると、緑色の髪をした小さな女の子が現れた。

 ラヴィさんもまた、精霊に選ばれていたのか……

 

『呼んだ〜』

「落としなさい」

 

 

「えっ?」

「はっ?」

「……………」

 

 僕とクロノスの驚愕の声が漏れる。

 彼女とクロノスは突如現れた地面の穴に呑まれていった。

 

 

 

「ラヴィにかかればこんなの余裕よ!」

 

 腕を組み、高らかにそう宣言したラヴィさんは一瞬、穴の下を眺め、僕の方を見た。

 

「さて、帰るわよ。美香を叱らなくちゃ。」

「あ、ありがとうございます。」

 

 

 

 

 夜、全員が寝静まったであろう頃、

 星界先輩が用意してくれた旅館(ここ、結構ヤバいなオイ)のラヴィさんの部屋を訪ねた。

 ラヴィさんはカードを弄りながら誰かと連絡をとっていたようで、相手に謝って電話を切った。

 

「ラヴィさん、ちょっといいですか?」

「こんな夜中にラヴィの部屋に来て……なにがしたいの?いいよ。ラヴィできることなら。」

 

 ラヴィさんは大量のカードとにらめっこしながら、話を聞いてくれた。

 

 僕は今日のことで力不足を実感した。

 大切な人を……皆を守るため。

 

「ラヴィさん、僕を鍛えてください。」

「……………わかったわ。美香も巻き込んで盛大に行くわよ。」




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