現代に異能力をもって転生したから動画を配信するぜ   作:銀髪こそ至高である

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第2話

転生者の内、凜とアロハ不審者が拠点としているのは東京から500KMほど離れた小さな島だ。多くの民話が残る「神呪島」。日本でも随一の美しい星空が見られる楽園と言われており、天然のプラネタリウムとも言われる。夏には観光客が殺到する島だが、シーズン以外は極端に人がいない島でもある。

 

今は初夏。シーズンには少し早く、学校や職場も休みではないだろう。だからこそ、島の外から来た若者の話はあっという間に広がる。

 

来訪者は学生の二人組である。一人は青い髪の少年。二人目は、薄紅色で普段は長い髪を二つに結わえて、赤いピアスをしている少女だった。

 

時期外れの部外者の来訪は駐在であるアロハシャツにも伝わり、不審者経由で神社の境内に引きこもっている馬鹿に伝言がいった。

 

実は転生者3人組は、彼らの来訪を知っていた。燈火の異能で国の機密情報を引っこ抜き、検索をした時、『異能対策課』という組織が目に留まったからだ。異能に関する犯罪や隠蔽、野良異能者の確保など様々なことを行う部署らしい。存在を知ってから、燈火はずっと監視を続けてきた。故に、彼らの動きをいち早く察せたのである。

 

彼らは思った。ここの人間が来たときの対策が必要だと。動画では仮面を付けていたが、撮影前は仮面は付けていなかった。特殊な異能で素性が割れる可能性があった。見つかった場合、自分たちは逃げ切れるのかと危惧した。島民ではない燈火が東京から駆け付けるまでにはタイムラグがある。

 

3人の中で戦える人間はアロハシャツだけである。彼は警察学校で対人制圧の訓練を受けた人間であり、異能も戦闘向きだ。本人の性分的にも戦いを恐れることなどない。

 

しかし、残りの二人は一般人。異能が使えるだけの一般人だ。

 

転生者であるが故、少し死生観がバグっていたり妙に決断が早いがただの一般人である。

 

少なくとも戦いには向いていない。

 

以上の点を踏まえ、バカな転生者たちは結論を出した。

 

――――――ハッタリでお帰り願うしかないと。

 

きっと疲れていたのだろう。アロハシャツだけは余裕そうであったが、凜と燈火は未だに未熟だ。自分が狙われる可能性を知り錯乱していた。

 

しかし時間は巻き戻らない。そういう異能があれば別だが。

 

そうして後に大事件につながる出来事へと時間が進んだ。

 

 

 

 

「海がきれいですねー」

 

「そうですね」

 

異能対策室から派遣された両名は海岸沿いを散策していた。

 

「竜胆先輩的に今回の任務はどうなんすか?俺はすでに帰って寝たい」

 

「そうですねー、まあー、私としてもー、任務は知らないふりでこの島の観光をしたいのですがー、できないですね。室長の勘はよく当たりますからねー。是が非でも件の異能力者をー確保しておきたいんでしょうねー。リオン君も知っているでしょうー。他国に異能力者を取られたくないんですよー」

 

間延びした特徴的な話し方をする紅色の彼女は、後輩であるリオンに今回の任務の重要性を説いた。

 

「まあ、流石にー初めから実力行使をして連れていくとかはないですけどー。抵抗されてしまったらー」

 

「その限りではない…ですか?」

 

瞬間—————この場に似つかわしくないチリンという澄んだ鈴の音があたりに響いた。

 

リオンはその場で惚け、竜胆は目線を声の主に投げる。

 

気がつけば一人の少女がテトラポットの上に座っていた。恐ろしくも美しい夜の闇を内包したような黒髪に、凪いだ水面のような蒼い瞳。制服を着たまま煙管を片手に煙を吐く凛のその顔は人形のように無表情だ。あまりに場違いな少女の存在に、二人は思考を止めた。

 

「おや?無反応ですか?私を探しに来たのでしょう?でなければこんな田舎に異能力者が来ることはない」

 

「…探し人が来てくださるとは手間が省けていいですねー」

 

リオンと竜胆は驚愕で思考が鈍っていた。相手の方から接触してくるとは思わなかったからである。

 

「もしかしなくてもー、我々のことをご存じですか?」

 

「いいや、知らない。私はただこの島に知らない異能力者が来たから様子を見に来ただけだ。そして今決めた。君たちにはお帰り願おう」

 

尊大で傲慢でしかしどこか儚げな花のような微笑が少女の相貌に浮かんだ。

 

「この島は私のテリトリーであり、あのお方の管理する土地でもある。無粋な人間よ、本土へ帰りたまえ」

 

冷酷で恐ろしい女王のような、それでいて冒涜的なほど美しい声色で彼女は言葉を歌う。それは宣戦布告、凜はロールプレイに綻びが出てくる前に勝負を付けに行った。

 

「『八隅八気、五陽五神、陽動二衝厳神、害気を攘払し、四柱神を鎮護し、五神開衢、悪鬼を逐い、安鎮を得んことを、慎みて五陽霊神に願い奉る。顕現せよ』」

 

少女の詩が世界の転換を促す。

 

瞬間、二人の前に広がっていたのは星一つない黒一色の夜空と巨大な鳥居だった。

 

鳥居の奥にはいくつかの石像と神社がある。空には星の代わりに無数の灯篭が浮かび、その脇には大きな鈴が取り付けられている。吹き抜ける風で一斉に鈴が鳴り出す。

 

「私の世界へようこそ」

 

それは神秘的であり、同時にひどく冒涜的な光景だった。

 

「世界創造………だと」

 

「………外界と隔絶していますね。なるほどー、私の世界というだけのことはあります」

 

先ほどまで黒かった少女の髪は、腰まで届く長い銀髪に変わっていた。そして、少女の大きな瞳は炎のように赤く輝いている。ランランと輝くその目は魔性を孕んでいる。

 

「ここは私が作り出した世界です。外の法則は私の意志で形を変える。故にこの世界で私に勝てる人間は存在しません」

 

それはすべてが嘘だった。凜の能力で作ったこの空間は見てくれだけのただの結界である。中にいる者を害すことはなく、外からの干渉を阻むだけ。

 

しかし、そんなことは億尾も出さず彼女は哂った。

 

世界創造…それは『異能対策課』が誇る最高戦力、神楽音色が持つ異能であり彼女が他国に対して絶対的な抑止力として機能している所以だ。

 

凜はその事実を機密文書から見て取り、一つの確信を得た。この能力を完璧に再現することは不可能だが、見せかけだけならできると。

 

そして、この能力を見せれば相手の戦意を削げるという確信があった。

 

その結果が現在である。

 

「では、さようなら………と言いたいところなのですが」

 

くふっと小さく息を漏らして少女は、幼い子供のように無邪気に笑ってみせる。

 

冷や汗をダラダラと鳴らすリオンに少女は上品かつ邪悪な笑みをぶつける。

 

「選ばせてあげましょう。私にここで殺されるか、諦めて帰るか」

 

少女は両者を睥睨し、選択肢を示した。

 

 

 

 

 

超能力は本当にあるのかpart20

 

1:イッチです

俺も超能力欲しい!

 

2:名無しの研究者

結局、あの動画はどうなったん?

 

3:名無しの研究者

結論は出てない

 

4:名無しの研究者

序盤は誰も信じてなかったけど、とあるゲーム制作会社のエンジニアがこれはCGではないと主張。序盤はそれで大盛り上がりしたが、画像なんちゃら機構とか言う団体がそれを否定。最後の方はエンジニアが失踪して終わった。

 

5:名無しの研究者

ぶっちゃっけ、情報が錯綜しすぎてわからない。だからこんなに過疎ってる。

 

6:名無しの研究者

割と信じてるやつも多い

 

7:イッチです

昔もそういう動画あったよな

 

8:名無しの研究者

イギリスの奴か

 

9:名無しの研究者

あれは投稿者がCGだと認めた

 

10:名無しの研究者

今回のは何でこんなに騒動になっているんですか?教えて偉い人

 

11:名無しの研究者

あの動画削除済みだしな

 

12:名無しの研究者

SNSでバズったこと。

あの島を国が探しているというリークを行った政府関係者(自称)がいたこと。

陰謀系動画投稿者が取り上げたこと。

動画にいる巫女さんが可愛い感じだから。

上三つより最後の理由が重要だな。

 

13:名無しの研究者

 

14:名無しの研究者

 

15:名無しの研究者

 

16:名無しの研究者

これは草

 

17:名無しの研究者

>>12

ありがとう、エロい人

 

18:名無しの研究者

二重の意味で草

 

19:イッチです

あの巫女さんは絶対かわいい

 

20:名無しの研究者

わかる

 

21:名無しの研究者

探せ!

 

22:名無しの研究者

もう元の映像は削除されてて見れないから無理

 

23:名無しの研究者

あんだけバズったから誰か持ってるだろ

 

24:名無しの研究者

何故か誰も保存できなかったんだよな。

保存してもいつの間にかデータが削除されている。

 

25:名無しの研究者

■■■■■■■■■■■■■

 

26:名無しの研究者

誰も振れてないけど、一本目の動画も衝撃映像だろ。数百㎏ある筈の大木が地面から引き抜かれて、マシュマロみたいに変形して、空中でねじ切られてたwww

 

…怖

 

27:名無しの研究者

正直、実在したら怖いよな派閥の意見もわかる

 

 

 

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