Alice In Neverland   作:砂糖ノ塊

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第6話

 西暦2XXX年。

 

 化学技術が異常な発展を遂げた人間社会では、もはや人類に出来ないことは無いと言われるほどだった。

 

 あらゆる事が可能になり、あらゆるものが手に入り、あらゆる束縛から解放された人類が次に願ったのは──

 

 不自由。

 

 あらゆる事が理想的に不可能で、あらゆるものが理想的に手に入らず、あらゆる束縛から理想的に解放されない、

 

 理想的な不自由。

 

 まだあらゆる事が可能ではなかった時代の世界を望んだ。

 

 そして作った。

 

 

 

 世界の名は「Neverland」。

 

 

 

 永遠に不自由な子供でいられる世界。

 

 人間達は「Neverland」に行く装置を開発した。

 

 数百年前に開発されたVR技術とは比べ物にならない、肉体を現世に残し、意識を完全に別世界へ転移させる装置を。

 

 いつしか人類の九割以上は「Neverland」への()()を済ませ、移住者達は、そこで再び不自由な人生を謳歌し始めた。

 

 そんなある日、現世に残った世界の管理者の一人がこんなことを考え始めた。

 

 もしも、かつての人類のように、生まれた時から不自由な世界で育った人間がいたら?

 

 それは真の意味で、理想の人類なのではないか?

 

 そして、二つの命が胎児の段階から「Neverland」で育て上げられ、ごく秘密裏に成長を遂げていった。

 

 現世に残った世界の管理者は、その二つのイレギュラーに様々な実験を施した結果、やがて二人は「Neverland」に疑問を持ち始めた。

 

 二人は世界からの脱出を試みた。

 

 この不自由な世界からの脱出を。

 

 少年と少女は世界の果てを知り、その真実を知って、遂に二人が望む自由にたどり着いた。

 

 しかし、そんなことを世界が許すはずがなく、かろうじて少女が脱出することが出来たが、その代償に少年は再び「Neverland」の住人となったのだった。

 

「そして脱出した少女はその後、なんやかんやでNeverland(世界)を征服して、今でも取り残された少年を救うべく、何人もの自分のコピーを作り出しては、世界へと送っているのであった……」

 

「はい、おしまい」

 

「また失敗に終わったみたいだね。流石は人類の英智だ。ご主人様がいなくても勝手に世界を管理しようとする」

 

「今回も私の完敗だよ。いや参った参った」

 

「…………聞こえてない、か」

 

「まぁ、いくら化学技術が進歩したって言っても、不死身にはなれなかったって訳だね」

 

「さ、邪魔者も全員殺したし、他の奴らは夢の中、もう一回頑張ろうか」

 

「必ず救い出してみせるからね。ピーター」

 

「でも残念だよ。やっと抜け出せたと思ったのに、どうやら私達はまだ茶番の中にいるみたいだよ」

 

「今もほら、見てる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぁ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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