セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ? 作:ガラクタ山のヌシ
ほぼほぼ勢いで書いたので多分続かない。
ここはアスティカシア高等専門学園。
メカニックやパイロット、経営者等の卵が集う名門校である。
「もし、そこの青い髪の君。少しよろしいか」
ひとりでその廊下を歩いていた地球出身の少女、ニカ・ナナウラは不意にかけられたその声に振り返る。
「あ、はい?何でしょう?」
「なぁに、大したことじゃあないんだが…」
声の主は制服からして、同学園の男子生徒であり、彼は目を閉じながらファサッ…とキザったらしく、腹が立つほどに美しい肩ほどまである黒髪をかきあげる。
やがて瞼を開けて、その濃いブルーの瞳がニカを見つめる。
「セセリア・ドート嬢を見なかったかな?」
ニカはその名前に聞き覚えはあった。
決闘委員のひとりとして知られる人物の名だったからだ。
「え?いえ…特には…」
「そうか…呼び止めてしまって申し訳なかった。こちらは謝礼だ。受け取ってもらえると嬉しい」
そう言うなり、男は懐から分厚い封筒を取り出すと、それをニカに手渡そうと歩み寄る。
「えっ!?い、いえ!!受け取れません!!」
「良いのだ。呼び止めて時間を取らせたのはこちら。このくらいはさせて欲しい。我が故郷では発売と同時に売り切れるくらいには人気の品だ」
そう言って、押し付けるように封筒を手渡すと…
「待ってておくれよセセリア嬢!!このドゥラメンテ・シックールが今参りますゆえ!!」
そう言って廊下を駆けて行った。
「ええ…」
どうしようこれ…と、封筒を見るが、中身が何かには興味がある。
ニカは何となしに周囲をキョロキョロと見回すと…封筒を開け…唖然とした。
「シャディク殿!!ここにセセリア嬢は居られるか!!」
自動ドアが開くなり、開口一番にそんなことを言うドゥラメンテに、決闘委員一同はいつものことと呆れた顔を浮かべる。
「おぉ…ドゥラメンテ。セセリアならそこの…イテッ!!」
「あ、ごめん」
馬鹿正直に答えようとしてわざとらしく謝るエランに、グエルはうめくような声を上げるが、それを苦笑しながらシャディク・ザネリは突然の訪問者の問に答える。
「生憎、今日は来てないよ。きっと何か用事でもあったんじゃあないかな?」
「そうか…ならば致し方ない。出直すとしよう」
「しかしオレが聞くのもアレだが、何でセセリアを?正直口も悪いしキツくならないか?」
その言葉に、ドゥラメンテはフッ…と格好をつけると
「彼女だからいいのですよ。心にもない美辞麗句を並べ立てられるよりも、本心から罵倒されたい。それだけのことです。それに我が故郷ではああいった強い女性こそ理想なのさ…」
机に手を置き、制服の胸元の華をそっと撫でる。
イケメンでなければたぶん殴られている。
「それなら贈り物なり何なりすれば…」
「フッ…」
次いでドゥラメンテは額に手を置きチッチッチ…と人差し指を横に揺らす。
「モノで釣るようなみっともない事はしたくはない。それにそれはあまりにも酷というモノだ。何故なら…」
「何故なら?」
ドゥラメンテは己を身に纏う服に手をかける。
「そう何故なら!!このオレの美しさの前には、どんな宝石でさえ光を失う。ソレが残酷だと言うのさ」
その素肌が晒されそうになった瞬間、グエルが衣服を抑える。
「オイオイオイオイ!!ここで脱ぐなここで!!」
「おっと失礼した。コレは謝礼の品だ」
先ほどと同じ茶封筒を机に置いて、素直に出ていく彼を見送る決闘委員一同は、ソファの陰に声をかける。
「もう行ったぞ」
その言葉に、セセリア本人がコソッと現れる。
「すみません…ホント」
皮肉屋で知られる彼女にしては意外と素直な反応に、毎度毎度からかわれているグエルは驚く。
「でも、良かったのか?あんなに想われているのに」
彼の実家はベネリットグループ内でも中堅どころ少し上くらいで、今後の伸び代もかなり高く、総じて見所もある。
断る理由はないと思われるが。
「それでも苦手なんですよ〜」
「あぁ、アレか。素直な好意は苦手なタイプか?」
「グエル先輩のクセに生意気ですよ」
「俺のくせにってなんだ!?」
「まぁまぁ、そこまでにしておけ」
シャディクは封筒を手にして二人の喧嘩を止める言葉をかける。
「で、なんだコレ?」
気になったのか、シャディクの隣で封筒の中身を確認するグエル。
そうして現れたのは……。
数十枚にも及ぶ、ドゥラメンテのブロマイドだった。
ドゥラメンテくん。
所属はパイロット科。
実家は貴金属の加工、採掘、宝石商を営む。
無駄にイケメンで生粋のナルシストだが、恋は一途なタイプ。
考えてる設定はこんな感じ。
書いてて腹が立ってきたけど、なんか憎めなかったです。
時系列としては、原作少し前かなぁ…。