セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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つづきできました〜。

ついに話数三桁いきましたね〜。

今回は二度目の決闘前のバカップル視点的なやつです。



if アニメ本編三話

「ねぇねぇドゥラメンテぇ、聞いたぁ〜?」

 

ブリオン寮の自室にあるソファで、ドゥラメンテに寄りかかりつつそう声をかけるのは、彼の最愛の恋人であるセセリア・ドート。

 

「うん?何がだ?」

 

セセリアはそんなことを返す彼とだらけつつ、部屋着でクッキーをつまみながら彼の問いに答える。

 

「グエル先輩、もう一回あの水星ちゃんと決闘やるんだってぇ〜」

 

ウケるよねぇ〜とケラケラ笑う彼女に、ドゥラメンテは優しく微笑みかけると彼女はそれに満足したように彼の腕に抱きつく。

 

これがセセリアなりの気遣いなのだということを、ドゥラメンテはよく知っている。

尤も、気遣う対象はいつも突っかかっているグエルでは無く、自身の恋人であるドゥラメンテの方なのは言うまでも無いが。

 

「ほう…エドモンドも噂程度と言ってはいたがなるほど。リベンジマッチというやつか」

 

またの名を泣きの一回とも言う。

 

例の決闘の件でジェターク社CEOがゴネたのか、それとも他に目的があってのことか。

或いは…ミオリネ・レンブランが水星ちゃんこと、スレッタ・マーキュリーのために押し通したのか。

 

推測は推測を呼び、もはやアスティカシアの校内ではその噂で持ちきりだ。

 

「しかも〜…アタシがプラント管理社からちょ〜っと集めた噂だと〜…もしかしたら新機体を使うかもだって〜。ジェターク社も必死だよねぇ〜」

 

ドゥラメンテ・シックールとグエル・ジェターク。

両者は所属している寮も学年も性格も異なり、そもそもの共通点といえば同じくパイロット科であり、双方共に二桁数戦ってこれまで負け知らずであったということ。

 

しかし、今となってはそれなりに付き合いのある友人と言って差し支えない関係性を持っていることをセセリアは知っている。

 

たかが一敗されど一敗。

 

現在ベネリット・グループのトップをひた走るジェターク社のCEOの長子がかけられる期待と責任、そしてその重圧は常人の考えるそれよりも遥かに重く、そして大きい。

仮に良くも悪くも戦争シェアリングに直接関われないマルシャンであるドゥラメンテが決闘で敗北したとしても、グエルほどの失墜はあり得ないだろう。

彼の価値はそう言うモノでは無いからだ。

 

一度目の敗北ならば油断しただけだとか、或いはラウダのようにあちらが卑怯な手を使っただとかでまだ言い訳ができた。

あちらの勝利はマグレだと、苦し紛れにも言えたことだろう。

しかし二度目ともなればもはやそれも出来ない。

完全に実力差があることを認めざるを得ないからだ。

 

「新機体を持ち出すと言うことは、何かしらの秘策があってのことか…裏目に出なければ良いのだが…」

「ドゥラメンテは〜…グエル先輩が勝てると思うの〜?」

「フッ…そうだな。オレとしても良くしてくれたグエル殿の応援はしたいが…」

「したいが〜…なぁに?」

 

先ほどとは打って変わって、優しい笑顔でセセリアに表情を覗き込まれるドゥラメンテは、そのまま思案する。

 

「…正直、あのエアリアルとやらが未知数のモビルスーツ過ぎてだな…」

「あ〜…確かにそれはあるかもねぇ〜」

 

エアリアルの異常性を発見したのは他ならぬブリオン寮生のロウジ・チャンテ。

それが起因となり、図らずも水星ちゃんことスレッタ・マーキュリーはGUND-ARM使用の嫌疑で現在拘束されているわけだ。

 

正直、決闘をしたところでその疑いを晴らせるわけでは無い。それどころか余計に疑われる可能性もあるだろうが…そこはアスティカシア。

ホルダーの発言にケチをつけるには、それこそ自身がホルダーとなるより他に無い。

と言うか、それを受け入れたデリング総裁もやはり実の娘には甘いと言うことか。

 

「しっかし…お姫様もなぁに考えたんだかねぇ〜」

 

テーブルの上のお茶を飲みつつ、セセリアはそんなことをこぼす。

 

「フッ…オレも彼女と付き合いが長いとは言えないが…彼女の瞳には苛烈さと…何より、善良な聡明さがある。きっと何か考えあってのことだろう」

 

恋人のその発言にムッとするセセリア。

紅茶を飲む手もピタリと止まり、彼を軽く睨む。

 

「ふぅ〜ん…ドゥラメンテはそこまでミオリネのこと見てるんだぁ〜?」

 

不機嫌な声色に、ドゥラメンテは苦笑しつつセセリアを抱きしめる。

セセリアもまた、満足げにドゥラメンテに抱きつく力を強める。

 

「不安にさせたならすまない。だが、グエル殿もミオリネ嬢もオレには大切な学友なのだ」

 

出来ることならば、両者の間に立って仲裁なりなんなりしたい。

だが、それが出来ない立場なのは他ならぬドゥラメンテ自身がよくよく理解している。

しかし…そんな歯痒さを覚えてなお、優しさを忘れないドゥラメンテを誰よりも近くで見てきたのがセセリアという女子生徒だ。

 

「知ってるっての〜。それに、そんなアンタだからアタシも…」

「セセリア…」

「ドゥラメンテ…」

 

そうして、二人の世界に入りそうになったその時だった。

 

「…あの、そろそろ鍵閉めたいんだけど〜…」

 

おずおずと、申し訳なさそうに談話室の入り口から声をかけて来る女子生徒が一人…いや二人。

 

「いちゃつくなら部屋で…ねっ?」

「は、ハァ!?べっ…別にいちゃついてなんて…」

「フッ‥ご両名とも、申し訳ない」

 

そのままブツクサと言い訳を続けるセセリアを抱きかかえつつ、そのまま談話室を後にするドゥラメンテ。

 

「ね…重くない?」

 

セセリアは恥ずかしそうに、不安そうに問いかける。

 

「フッ…なに、セセリアはいつだって羽根のように軽いさ」

「ちょっと〜…久しぶりにキザなセリフ聞いたんですけど〜…」

 

そう言うセセリアもまた、久しぶりに顔を赤くしていたのだった。




なお決闘後のプロポーズに関しては、やはりと言うべきか誰かさんの影響と思われた模様。

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