セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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つづきできました〜。


第101話

「えっ?アンタのお爺様に挨拶ぅ!?」

 

セセリアは、ドゥラメンテからの思わぬ提案に驚いていた。

 

「うむ。無論セセリアさえ良ければだが…」

「なっ…なんでそんな話に…」

「フッ…実を言うと、つい先日…」

 

 

「ドゥラくぅ〜ん。元気してるぅ〜?」

 

生徒手帳を用いた通信にて、彼の祖父はいつものようにご機嫌にニコニコと笑い、可愛い孫の話を今か今かとソワソワしている。

 

そして、ドゥラメンテは生徒手帳で画面の向こう側の祖父に普段のことを伝える。

 

「フッ…いつも通りオレは美しく、そしてセセリアが愛らしいですよ」

「おぉ〜。いいねぇ青春してるねぇ〜。儂なんてついこないだ奥さんとデートで…」

 

孫からの惚気話に、ウンウンと頷きつつ今度は自身の若い頃の青春話やら惚気話を切り出す。

 

「それにしても、ドゥラくんは幸せそうだねぇ〜。話に聞いただけだけど、きっといい子なんだろうねぇ〜」

 

祖父にそう言われたドゥラメンテは、そう言えば自分が祖父に紹介したのは親友であるエドモンドくらいなもので、まだ祖父に自身の最愛の相手たるセセリアのことを紹介していなかった旨を思い出す。

 

…別に気恥ずかしいのと、忙しさにかまけて後回しにしていたらついつい忘れてしまっていたわけではない。

 

「では今度、ご紹介しましょう」

「うんうん。ただ、別に無理にとは言わないからね〜」

 

 

「…と、言うことでな。セセリアの都合のつく日を確認してから折り返し連絡をしようと…」

「ふ、ふ〜〜ん…そうなんだぁ〜…」

 

ドゥラメンテから話を聞いて、緊張しているのかそれとも単純に惚気られたことへの照れなのか、セセリアは顔を赤くしてソワソワと爪をいじる。

 

「無論、無理にとは言わないが…」

 

そう言われるや、いつになく深く考え込むセセリア。

 

何事にも心の準備というものはいる。

ましてや今回は恋人の家族への挨拶という人生における一大イベント。

 

半端な覚悟で臨めば自分だけならともかく彼氏のドゥラメンテにまで恥をかかせてしまうかもしれない。

 

それに今回はドゥラメンテの思いつきということもあって、何も急ぎというほどのことでもない。 

 

言っている本人もいつものように緩い顔をしていることだし、そう焦るようなものでもないのは確かだろう。

 

とは言え…こう言ったことは早いに越したことはないし、少なくとも在学中に何度か伺いを立てるのは大事だし必要だ。

 

それにドゥラメンテと結婚するということは、必然的にゆくゆくは彼の祖父とも家族になるということ。

 

であれば、可能な限り覚えはいいに越したことはない。

 

いやしかし…。

 

「う…う〜ん…」

 

セセリアは考えに考え、悩みに悩んで頭を抱える。

 

「む?セセリア?どうした?そんなに難しかったか?」

 

心配そうに顔を覗き込むドゥラメンテ。

 

「あ、だっ…大丈夫だって〜。それじゃあ日取りは〜…」

 

そして…その数日後。

 

ドゥラメンテの自室にいつも以上にめかし込んだセセリアがやってきた。

 

「ど、どう?ヘンじゃ無い?」

 

格好こそ普段通りの制服ではあるが、マニキュアやら化粧やらと細部がかなり気合が入っているのが伺える。

 

「フッ…セセリアはいつも通り綺麗だよ」

「…そこは少し照れなさいっての…ばか」

 

そんなやりとりをしつつ、ソファの上で約束の時刻までいちゃつく二人。

そして、いざ対面の時がやって来た。

 

着信音のなる生徒手帳を机に置いて、セセリアの方を向くドゥラメンテ。

コクリとひとつ頷くと、ドゥラメンテは通話のボタンを押す。

 

「やぁやぁドゥラくぅん。お久しぶり〜♪」

 

画面に現れたのは前回と同じく軽いノリのドゥラメンテの祖父、シックール卿その人。

 

つい先日も話したからか、単純にドゥラメンテの恋人との初対面にワクワクしているのか、開口一番に前回よりもテンション高めだ。

 

「おっ?そちらが彼女さん?いいねぇ〜お似合いだねぇ〜。ドゥラくんが自分の愛を見つけられておじーちゃんとっても嬉しいなぁ」

 

ウインクをしながら両手でサムズアップをキメつつそんなことを言うドゥラメンテの祖父。

 

「はっ…はじめまして…」

 

そんな彼氏の祖父のテンションに気圧されたのか…いつもの調子とは打って変わって緊張気味のセセリアに、ドゥラメンテの祖父はニコニコとたしなめる。

 

「まぁまぁ。そう緊張しなくったっていいって〜。別に会談って訳でもないんだしさ〜」

「は、はぁ…」

 

セセリアはどうしたものかと、いつになくアタフタしている。

 

そんなセセリアを見て何かを思いついたのか、ポンっと手を叩くと、シックール卿は話を始める。

 

「いやぁ〜昔を思い出すよ〜。アレはそう…三年前の雲ひとつない晴れた日の…」

「へぇ〜…って、そんな昔でもないでしょ〜」

 

思わずツッコミを入れてしまうセセリア。

ハッとなって慌てるも、隣のドゥラメンテは楽しそうだ。

 

「ハッハッハ!!やっといつもの調子が出て来たな!!」

「えっ?あ…と、トーゼンでしょ〜」

「フッ…そう言ってもらえて、オレも嬉しい」

「ヒューヒュー!!お二人さんラブラブだねぇ〜。アツアツだねぇ〜」

「と、トーゼンでしょ〜?惚れさせた強みってヤツですし〜?」

 

調子が上がって来たのか、得意げにそんなことを宣うセセリア。

 

きっと後から恥ずかしい思いをすることになるだろうが、それはまぁご愛嬌。

 

「フッ…言われずとも、オレはセセリアに惚れているよ」

「っ〜〜!!」

 

時折、しれっと横から投げ込まれるど真ん中ストレートに苦戦しつつ、セセリアとドゥラメンテの祖父の対面は続く。

 

「ところで〜…セセリアちゃんはドゥラくんのどんな所が…」

「そ、それは…優しくて、気遣いも出来て、アタシだけを見てくれてるって隙あらば真っ直ぐ伝えてくるしっ…」

「うんうん…」

 

そして、和やかな空気の中ドゥラメンテの祖父とセセリアの初対面は終わったのだった。

 

…なお、その後色々とぶっちゃけたことを思い出したセセリアは、寮のベッドで身悶えしたという。




間が空いて申し訳ない…。

そう言えばドゥラくんのお爺さんとセセリアちゃん、お話ししたなかったなぁと。
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