セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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つづきできました〜。




第103話

嗅覚というものは、五感の中でもひときわ記憶と最も密接に結びつけられるものだ。

 

漂う料理の匂いに、幼い頃の好物を思い出したり、或いは花や紅茶の香りから、そう言えばと誰かを思い出したり…。

 

故にこそ…その特別を自分だけのものにしたいと思うのかもしれない。

 

「へ?アタシにこの香水をつけて欲しい?」

「うむ。オレも今こうしてセセリアから贈られた香水をつけているからな。お揃いというわけでは無いが、オレからも何かしたくてふと思いついたのだ」

 

セセリアが手に取った小洒落た小瓶に入っているのは、薔薇の色を映した真紅の液体。

どうやら薔薇園の花を使用しているらしい。

 

「そ…それってつまり…そういうこと〜?」

 

ドゥラメンテも自分を独占したいと思ってくれていると言うことか?

そう考えるセセリアの顔は、いつに無くだらしない。

ハッとなったセセリアは、軽く咳払いをして、ドゥラメンテの話に耳を傾ける。

 

「フッ…実はエドモンドの考案でな…」

「へぇ〜、何て?」

 

それは、少し前の学食でのことだ。

 

 

「そーいや、オメーいっつもセセリア嬢から貰った香水つけてっけどよー…」

「フッ…せっかくの贈り物だ。使わないわけにもいくまい?」

 

ドゥラメンテは嬉しそうに懐からケースに入った小瓶を取り出すと、半分ほど量が減ったシトラスの色合いをした香水がちゃぷんと揺れる。

 

「にしても、セセリア嬢もよくやるねぇ…」

「フッ…オレも色々と吟味してきたが…今では一番この香水が気に入っている」

 

ナチュラルに惚気を聞かされたエドモンドは、それならばと言葉を紡ぐ。

 

「なら、オメーからお返しに香水でも贈ったらどうだ?」

 

これは無論、香水を贈ることの意味も加味しての発言だ。

 

「む?しかし、セセリアからは特には…」

「…まー、オメーがそれでいいってんならいいけどよー。たまにゃあそれらしい理由つけてプレゼントを渡すってのもいいんじゃねーの?オメーから心込めたものもらえりゃー、それだけで記念日みてーなモンだろ」

 

その発言にドゥラメンテは考え顔になる。

確かに、サプライズプレゼントというのも悪くはない…が、ドゥラメンテがセセリア相手にそれを隠せるかと言うと…かなり難しい。

 

ドゥラメンテが分かりやすいのもあるが、それ以上にセセリアは聡い。

恋で若干盲目になっているとは言え、その根本が変わることはないだろう。

 

ドゥラメンテはふむふむと頷くと、立ち上がって友人の方を見やる。

 

「なるほど、流石はエドモンド!!マンネリズム回避のためにも、たまにはそう言うのも悪くはないかもしれんなッ!!」

「…思いの外ノリノリだなぁオイ」

 

自分で言っておいて、まさかほぼほぼ二つ返事をされるとは。

まぁ、ドゥラメンテがそう言う男なのはそうなのだが。

 

「そうと決まれば、早速作り方を…」

「オイ、まさか自作するつもりかよ!?」

 

せいぜいが市販品を選ぶくらいかと思っていたエドモンドは、困惑顔を浮かべている。

 

「当然ッ!!セセリアに渡すものに妥協はしたくないからなッ!!」

 

流石にツッコミを入れようにも、既にドゥラメンテはエドモンドが見てわかるほどにワクワクしていた。

 

「ちなみに香水を贈る意味は知って…」

「ふむ…なるほどなるほど。アレをああして…」

「うん。聞いてねぇなぁ…ま、聞いてるかは分からねーが、オレが提案したってことは言わねー方がいいと思うぜ?」

 

そうして、ドゥラメンテは普段の日課やらセセリアとのデートの合間に少しずつ作ることとなったのだった。

 

 

「というこもがあってだな…」

 

恋は盲目というべきか、或いは単純にセセリアの実家の経済力の故か…セセリアの方がドゥラメンテとのデート中、何かモノをねだると言うことはあまりない。

 

基本的にドゥラメンテがセセリアの買い物の荷物持ちを買って出たり、可愛いわがままを叶えたりはあるがその程度。

 

それで双方が満たされているのだから、文字通り筋金入りのバカップルなのだろう。

だからか、セセリアはこう言った不意打ち気味のサプライズには基本弱いのだ。

 

「って…言っちゃってるじゃないのよ〜…」

「むっ?し…しかし、それではまるで友人の手柄を自分のものにしているようで、その…気が引けてな…」

 

ヘンな所で真面目な恋人に、セセリアは苦笑する。

まぁ、その少しおっちょこちょいなところがドゥラメンテらしさでもあるのだが。

 

「ちなみに〜この香水に名前とかはあったり…」

「フッ…よくぞ聞いてくれたッ!!」

「ちょっ…急に顔っ…」

 

いきなりのほぼゼロ距離まで近づいて来たドゥラメンテに、セセリアは驚き半分嬉しさ半分と言った様子だ。

 

「この香水の名は…『ペアリング』と言う」

 

いつまでもドゥラメンテとセセリアが、贈り合った香水を互いがつけられるように。そう願いを込めて。

その由来を聞いたセセリアは、顔を真っ赤にして…

 

「〜ッッ!!もうっ、またそうやって…ちょっとズルい…」

「む?す、すまない…何かヘンだったか?」

「べっつにぃ〜?ただ…覚悟してよね〜?一生離してやんないんだからね〜?」

「うん?オレは元よりそのつもりだが…」

「も〜!!そこはもっと…」

 

その後バカップルは…いつも通り、いちゃついていたのだった。




fg○のイベント、久々に覗いたらハマってしまい…遅くなりました。


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