セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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過去編てきなやーつ。


第11話

ここはアスティカシア高等専門学園にあるジェターク寮。

御三家のひとつ、ジェターク家の御曹司、グエル・ジェタークが支配するいわばジェターク王国だ。

そんな彼の元に、彼を慕う後輩達が駆け寄ってくる。

 

「グエルセンパ〜イ!!大変っす〜!!」

「あん?何かあったか?」

「見てくださいよ〜!!このパイロット!!」

 

取り巻きのフェルシー・ロロ、そしてペトラ・イッタが生徒手帳で、とある配信をグエルに見せる。

 

「コレは、決闘か?」

 

訓練場の崖下で土煙を立てて倒れているのは、ハインドリー。

そのブレードアンテナは折られ、既に敗北したのがわかる。

 

「なんだよ。負けたやつの何が大変って…」

「違うんすよ!!問題は相手っす!!」

「もうちょいで土煙が晴れるんで…あっ!!今の見えました!?」

 

一つの端末の画面を三人で共有しているせいか、やたらと距離が近い。

いい加減鬱陶しく感じたグエルは

 

「耳元でギャーギャー騒ぐな」

 

と言いそうになった瞬間、驚愕する。

何せ、ハインドリーを負かした相手というのが……。

 

「デミトレーナー…だと?」

 

それは授業や訓練で使う機体だ。

整備性に重きを置いており、武装も簡素なものしか無い。

少なくとも、ハインドリーなどとは比べるべくもなく低性能だ。

 

「それに…なんでもそのパイロットって言うのが、半年くらい前まで技術も全然だったらしいんすよ」

「ズブの素人がここまで腕を上げるなんて、アタシらには考えらんねぇって言うか…」

 

その後、思うところがあったのかすぐに向かった決闘委員会のラウンジで、シャディク・ゼネリに問いかける。

 

何事かと言った様子であったシャディクだが、件の動画を見て、合点がいった様子で頷く。

 

「シャディク、あのパイロット誰だかわかるか?」

「ああ知ってるとも。彼は半年前まで、パイロット科でありながらデミトレーナーもろくに動かせなかったらしい。その彼が決闘を挑まれて既に三戦三勝…まぐれとは思えないだろう?」

 

「はぁ!?」

 

既に三度決闘を挑まれているのも驚きだが、その全てに勝っているというその事実により驚くグエル。

 

どこでも出る杭は打たれるもの。

ましてや、自分より下と思っていた人間が急に伸びて来たら誰でも焦る。

それもベネリットグループ内でもとりわけ新参の企業の息子に追い越されたなど、学生達のプライドが傷つかないわけがない。

 

「なるほどな…そんで、生意気だと喝を入れようとしたら返り討ちにあったと…みっともねぇ」

 

グエルは呆れた様子でそう言う。

 

「だが、気にはなるだろう?」

「まぁな…って、セセリア。今日は随分と大人しいな」

 

普段ならラウンジ入室時に嫌味のひとつでも飛ばしてくるものだが、その彼女が未だ大人しいのはどう考えてもおかしい。

 

「ああ…気にしなくていいと思うぞ?何せ、今回の勝者くんは…」

 

その瞬間、ラウンジの扉が開いて無駄にイケメンが飛び込んでくる。

 

「セセリア嬢!!約束通りこのドゥラメンテ・シックールに、貴女とお話しする権利をいただきたくッ…おや!?」

「あん?」

 

それがグエルとドゥラメンテとの、ファーストコンタクトであった。




グエルくん、カッコいいですよね〜。
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