セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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続き…というより、今回は少し趣向を変えてみましたです。


第115話

これは、ドゥラメンテとセセリアのアスティカシア卒業から数年後。

未来のとある一ページを切り抜いたお話である。

 

ピピピピピ…ピピピピピ…ピピピピピ…

 

二つの膨らみが目立つダブルベッドの置かれた寝室に鳴り響くのは無機質なアラームの電子音。

 

「んっ…ん〜〜っ…」

 

その音によって、ひとりの女性が目を覚ます。

寝起きだからか寝巻は少し着崩れており、少しばかり気だるそうにしている。

伸びをひとつして、目をこすりつつ隣の膨らんだ布団に目を落とすや、彼女はニヤっとイタズラっぽく微笑む。

 

「ア・ナ・タ〜♪今日はお休みね〜?」

 

バサっと自身も入っていた掛け布団をめくり上げると、同じく寝巻き姿の彼女の夫がその寝顔を見せる。

 

「う〜むむ…セセリア〜…」

 

悩ましげに目を細めて甘えるように手を伸ばしつつ、自身の妻の名を呼ぶ夫…ドゥラメンテの様子に、セセリアは込み上げてくるモノを感じて辛抱たまらず妻…セセリアは抱きつく。

 

「んも〜♪ねぼすけさん。アナタがその調子なら〜…朝食はアタシだけで頂いちゃおっかなぁ〜?」

 

ニコニコと微笑みながらそう言いつつも、伴侶の胸元に抱きついてうずめた顔を退けようとしないのだから、本気で言っているわけで無いことが伺える。

 

セセリアは自分が朝に弱いタイプなのは学生の時分より自覚していたが、彼女の夫はそれ以上に弱かったことに結婚当初は驚いたものだ。

 

何せ、学生時代は毎日早起きをして薔薇園の世話をしていたのだ。むしろ朝には強いと思うのが自然だろう。

 

そんな彼の意外性やら、自身にのみ向けられる甘えた声に更なる愛しさを覚えたセセリア。

尤も、そんなことは照れ臭さやら夫のプライドを守るという謎の使命感からそのことは直接ドゥラメンテには伝えていないが…。

 

「って、抱きしめるちからッ…優しいけどつよい…すきぃ…」

 

そんなセセリアは今現在、不可抗力で漂ってくる愛する夫の匂いをかいだり、背中に回した腕の力を強めたりと…彼を起こすついでにちょっとしたイタズラを仕掛けるはずが完全に巻き込まれ、お惚気モードになってしまっている。

 

とは言え…普段は互いに仕事で忙しく、なかなか落ち着いていちゃつけないため、これはこれで仕方のないことなのかもしれない。

無論、結婚式の時に大号泣していた彼の祖父に相談すれば、多少の休暇は都合させてもらえるだろうが…それはセセリアのプライド的(と言ってもそれは一部のスペーシアンのようなマルシャンへの見下しではなく、自身の能力への自負ゆえだが…)に少し難しいようだ。

 

普段は彼の専属秘書として共に行動し、仕事面でもプライベートでも互いに心の拠り所となっている。

正に陰に日向に支えているというやつだろう。

 

そして、いつも大変だからと純然たる気遣いから他の秘書をつけようかとドゥラメンテから提案されても…

 

「いっいいわよ〜…その間に他の女が寄って来たら…じゃなくって、早く火星の文化慣れるためにも、アンタの側にいるのが一番いいでしょ〜?」

 

などと、それっぽいことを言っては断固拒否するくらいには夫の側から離れたがらない。

なお、周囲からは微笑ましいものを見る目を向けられている模様。

 

「おはようセセリア」

 

そうこう考えている間に、ドゥラメンテが本格的に目覚めた様子。

セセリアが声に反応して顔を上げると、そこにはいつも通りの夫の顔が。

 

「おっ…おはよう…そのっ…朝食…」

 

一瞬ビクンっと肩が震え、なぜか少しドギマギしながら言葉を絞り出すセセリア。

 

そんな彼女に、結婚してから毎朝伝えられるいつも通りの言葉が続く。

 

「今日も愛しているよ」

「……うん。アタシも…愛してる」

 

そうして、新婚夫婦の休日の朝がはじまるのだった。




ちょっと短い…申し訳ないです。

なんか唐突に書きたくなりまして。はい。
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