セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ? 作:ガラクタ山のヌシ
さて、ドゥラメンテたちの寮の薔薇園では二人の男子生徒が顔を突き合わせ、ささやかな茶会を催していた。
方や実質的な寮の代表であるドゥラメンテ・シックール。
方やその友人エドモンド・パリス。
紅茶を飲み、ティーカップをソーサーに置いてふぅと一息ついたドゥラメンテはエドモンドに向かい口を開く。
「さて、エドモンド…相談したいこととは…」
「『今年のハロウィンなのだが…どうすればセセリアを驚かせられるだろうか?』かよ?」
「む?正解だ。流石は我が友エドモンド、話が早くて助かる」
ドゥラメンテは心よりの賞賛を友に贈り、その友であるエドモンドはそんなドゥラメンテへジト目を向ける。
しかし、何分ドゥラメンテは真面目な性分だ。
幼い頃もイタズラなどした事はあまりなく、このままではセセリアをガッカリさせてしまうやも…。
くだらないようで、しかし本人にとっては切実な問題がそこにはあった。
が…エドモンドはそんなドゥラメンテを睨むように目を細めると、ため息をひとつこぼす。
「オメーはハロウィンを建前にしてセセリア嬢といちゃつきてーだけだろーがよ」
「ハッハッハ!!そうとも言うなッ!!」
「即答かよオイ」
「うむ。相談しようと言うことで嘘をついても仕方あるまい?それにな…実はつい先日…」
時は遡り、ブリオン寮にあるセセリアの自室にて…。
「ねぇ〜ドゥラメンテぇ〜…?」
そう言うセセリアは、ソファで隣に座るドゥラメンテに甘えるように寄り添う。
想い人にしなだれかかるその様は側から見ればさながら子猫が甘えているようであり、また獲物を逃すまいと自然な流れで逃げ道を塞ぐ女豹のようでもあることだろう。
「ん…どうしたセセリア?」
顔を上げ、話しかけて来た彼女をドゥラメンテは優しく顔を寄せ、慣れた様子で質問を投げかける。
「むぅ〜…最近ちょ〜っと手慣れてきてない〜?」
セセリアは若干不貞腐れたように頬を膨らませる。
そんな彼女にドゥラメンテは一瞬きょとんとするが、再び優しく微笑みかける。
「フッ…そんなことは無いさ…何故なら…」
「何故なら〜?」
大仰に、しかし真摯にドゥラメンテはセセリアの目をまっすぐに見つめる。
「オレは日々美しくなっていくセセリアに、いつだってときめきを隠せないからな…」
「も〜またそうやって…でも今回は本題もあるし〜誤魔化されてあげる〜♪」
感謝してよね〜?と言いつつ抱きつくセセリアはしかし、満更でも無さそうな表情を浮かべている。
そうして小一時間ほどいちゃついた後、セセリアは本題に入った。
「今回のハロウィン、楽しみにしててよね〜?」
ハロウィン。
その元々のはじまりを辿れば、紀元前のケルトにまで遡るとまでされる伝統行事。
仮装をするのも、この世ならざる悪霊や悪魔などからの自衛のためであったという。
とは言え…今となっては名前が残るばかりの楽しいお祭りと言った方がしっくりくるが。
この日含め年数回のイベントごとにおいて、生徒たちは大いに盛り上がるのだ。
「む?そうだな。とっておきの菓子をこちらも用意するゆえ、セセリアも楽しみに…」
「も〜そっちじゃなくって〜…」
焦れた様子のセセリアがドゥラメンテの膝の上に向かい合うように座り、顔を近づけ…
「イ・タ・ズ・ラ♪」
そう、耳元で蠱惑的に囁くのだった。
「とのことだったのだが…」
「オメー…いや、愛されてんなぁ」
何かを言おうとして、しかし言い直すエドモンド。
「ハッハッハ!!そうまで入れると照れるなッ!!」
そんな彼のことを知ってか知らずか、ドゥラメンテはそう言うと快活に笑う。
「セセリアがそこまでイタズラに力を入れるのなら、オレも負けてはいられないと思ってだな…」
「へーへー…ってかよー、女子に有効なイタズラなら同じ女子に聞きゃーいいだろ」
「む?ああ、オレも最初はそうしようとしたのだが…セセリアに絶対ダメとぴしゃりと言われてな。だが確かに…女子のことで女子に聞くのは反則だと思い至ってな」
おそらく別の含みがあったのだろうが…ドゥラメンテは幸運なことにその地雷を踏まずに済んだようだ。
情熱的かつピュアな友人に、エドモンドは本日何度目になるかわからないため息を吐く。
「それと一応言っておくが、愛するセセリアに万に一つでも怪我をさせたりトラウマになるようなものはNGだぞ?」
「オメーは一回悪戯って言葉を辞書で引け…」
そして、二人の話し合いはその後数時間に及んだと言う。
ハロウィンの前日譚的なお話。
更新が遅れた理由としましては…そういやゼ○ダやってねーなー最新作出てるけど前作からやった方がいいのかなぁ→ブ○ワイたのちぃ→ティ○キンたのちぃ→現在に至るって感じです。