セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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つづきできましたですはい。


第121話

「ドゥラメンテ〜♪」

 

授業を終えて寮に戻り、恋人とのひと時に備えようとしていたドゥラメンテは、突然聞こえて来たその声と足音に立ち止まる。

 

そんなドゥラメンテの背中に、嬉しそうに抱きつくのはセセリア・ドート。

鼻歌まじりな声色は何があったか聞いてくださいと言外に言っている。

 

「セセリア…何かいいことでもあったのかな?」

 

唐突な背後からの重みに驚きつつも、ドゥラメンテは胸あたりに回されたセセリアの手を上からそっと包み込むと優しく問いかける。

 

「フフッ♪」

 

そうイタズラに笑うセセリアに、ドゥラメンテは思わずどきりとさせられてしまう。

最初の方こそドゥラメンテからの愛情のこもったアプローチが目立ったが、最近では寧ろセセリアからこういったコミュニケーションを仕掛けることが多くなっている。

とは言え、それも徐々に必死さでは無く徐々に余裕のあるものになって来ているのだが…。

 

「ね、この後アタシの部屋に来て?」

 

セセリアは背後から抱きしめた状態で少し背伸びすると、そう耳元で妖しく囁く。

 

「む?セセリアの部屋に?」

 

振り返るドゥラメンテに、セセリアはひとつ頷く。

 

「いいこと教えてあげるから♪」

 

そうして…ドゥラメンテがセセリアの部屋に訪れたのがつい先ほど。

 

「〜〜〜♪」

 

彼の目の前には同じソファに腰掛け、鼻歌まじりに棒状のプレッツェルのお菓子を食べているセセリア。

 

「セセリア?いいこと…というのは?」

「ん〜?フフフ…知りたい?」

 

そう言うや、セセリアは口にしていた菓子を食べ切ると、そのパッケージを持ってドゥラメンテの膝の上に向き合う形で座る。

セセリアの同室の生徒はセセリアからのペアチケットで恋人とのデート中、その他の生徒に関しても三時間は部屋に入らないよう言いつけてあるためいちゃつき放題だ。

 

「ね…このお菓子を使ったゲームがあるって知ってた〜?」

 

そう言うなり、セセリアは箱から先ほどのお菓子を一本取り出し、艶のある唇に咥える。

 

「このお菓子を両端から食べ進めていって〜…先に口を離した方が負け…ってゲームなんだけど〜…」

 

そう言いつつ、セセリアの両手はドゥラメンテの肩を捕えると、目付きが鋭さを増す。

そんなセセリアへのドゥラメンテの対応は…

 

「いや、初めて聞いたが…しかし…」

「しかし、なぁに〜?」

 

断るとでも言おうものなら小一時間お説教をするところだ。

そんなことを考えるセセリアにドゥラメンテは微笑みかけ…。

 

「フッ…いや、素敵なことだと思ってな…出来るなら、もっと早くに知りたかったくらいだ…マルシャンの皆にも是非教えたいくらいにな」

 

そう言うドゥラメンテは、セセリアを優しく…危なくならないように向かい合う。

あまりの受け入れ態勢に、仕掛けたセセリア側が面食らった様子だ。

 

「ふぁっ…」

「セセリア…」

 

カリッ…と、二人の間を繋ぐプレッツェルの端が音を立てる。

 

「やっ…やっぱり普通に…」

 

思わず自分からそう切り出すセセリアだが、ドゥラメンテはお菓子を咥えながら小首を傾げる。

 

「む?しかし誘って来たのはセセリアでは?」

「そ…そうだけど…」

「それではなんの問題もないだろう?」

「う…うん…」

 

いつの間にやら形勢は逆転。

その後、二人は一箱まるまる使っていちゃついていたとかなんとか。




11月11日と言うことで書いてみましたですはい。
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