セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ? 作:ガラクタ山のヌシ
「ん〜…ヒマねぇ〜…」
とある休日、ドゥラメンテとのデートを終えたセセリア・ドートは課題も終えてあまりにヒマなのでブリオン寮の自室にて生徒手帳と睨めっこしていた。
「あ、これ…新作出たんだ〜」
目に映ったのはとある有名ブランドの新作であるチョーカー。
普段はこう言ったものをつけないので、あまり気にしたこともなかったが、なんとなしに気になったので調べてみる。
「ドゥラメンテに贈ったら喜んでくれたり〜…でも〜…」
まあ、ドゥラメンテならばセセリアからの贈り物ならなんでも喜びそうではあるが…。
しかし、それはそれとしてインパクトに欠ける。
何より…。
「どうせならドゥラメンテにとっても、強烈な思い出が残る渡し方をしたいなぁ〜…」
いつもドキドキさせられてばかりの意趣返しだろうか。
たまにはこちらから仕掛けてみるのもいいのかも知れない。
イタズラを思いついた乙女心はやがてその思考を加速させ…
「あっ、いい〜こと思いついたぁ〜♪」
とある閃きをもたらしたのだった。
「ドゥラメンテ〜♪」
「む?セセリア?」
数日後、生徒達の行き交う廊下にて…セセリアは見せつけるようにドゥラメンテの背中に思い切り張り付く。
周囲がやいのやいのと騒ぐのを傍目に、セセリアは彼の耳元で…
「話したいことがあるからぁ…今晩、アタシの部屋に来て?」
そう、彼にしか聞こえない声量で蠱惑的に囁いたのだった。
その日の晩。
ドゥラメンテはセセリアとの約束の通り、セセリアの自室にやって来ていた。
「セセリア?いるか?」
「はいはぁ〜い」
高鳴りを抑えられない様子でセセリアは扉を開けると、ドゥラメンテを二人がけのソファへと案内する。
もてなしとして紅茶を出して、しばし談笑する二人。
そして、場の空気も温まって来たところで…ドゥラメンテから本題を切り出した。
「それで…何かあの場で言えないような用事でもあったのか?」
ドゥラメンテは何が何やらと言った様子で小首を傾げるばかり。
何かあれば助ける気満々なのが見て取れる。
そんな人のいい恋人に、セセリアは待ってましたと言わんばかりにひとつの箱を取り出し、見せる。
「それは?」
「ね…今日はなんの日か覚えてる?」
試すように、期待するようにセセリアは質問を投げかける。
「うん?確か…去年の今日は初めてセセリアに贈り物を受け取ってもらえた日だな」
即答で正解を答えるドゥラメンテに、セセリアは思わず口元を緩める。
「そう。せいか〜い…だからね?アタシからも受け取って欲しいと思って〜?」
そう言って開けられた箱からは…一つの輪っか状のものが。
「見ての通り、チョーカーなんだけど〜…その前にひとつ、やっておきたいことがあるんだ〜…」
そう言うなり、セセリアはドゥラメンテの膝の上に、向かい合う形で座る。
「む…セセリア?」
「アタシも最近知ったおまじない…痛かったら言ってね?んっ…ちゅ…」
そう言うと、セセリアはドゥラメンテにしなだれかかると…彼の首筋にゆっくりと、刻み込むようなキスをする。
そして、ドゥラメンテは戸惑いながらも、しかしされるがままでいる。
十分経っても二十分経っても離れる様子のないセセリアに、手持ち無沙汰だったのだろうか。ドゥラメンテは彼女のサラサラの髪をそっと撫で続けると、セセリアがそれに満足げに目を細める。
それからさらに二十分が経過した頃…。
「ぷはっ、できたぁ〜…」
セセリアはドゥラメンテの首筋についた赤い跡をうっとりとした眼差しで見つめると、優しい手つきで愛おしげにそこを撫でる。
「後はコレを〜…」
セセリアはその後タオルで恋人の首を拭くと、箱からチョーカーを取り出し…その跡をなぞるようにしてドゥラメンテの首に巻く。
すると、あの赤い跡がほんの僅かにはみ出して見える。
「あはっ…似合ってる〜♪」
想定していた通りになったからか、セセリアは満足げに笑う。
「フッ…そうか。セセリアの願いが叶ったのなら何よりだが…」
「でも、しばらくはそのままかも〜…ごめんなさい…」
「フッ…いや何、気にはしない。オレとしてはむしろ望むところだ」
しおらしくそんなことを言うセセリアを、ドゥラメンテはよしよしと慰める。
そして…言質をとったと言わんばかりにセセリアの目が妖しく光る。
「ねえ、ドゥラメンテぇ…お詫びに今度はアタシに跡をつけてもいいから…ね〜?」
そう言って、期待の目をしつつズイ…と自身の首筋を差し出してくる。
「む?い、いやしかし、女性の柔肌に跡を残すのは…」
「いいの…むしろドゥラメンテだからやって欲しいんだけど…ダメ?」
その後の二人はどうなったのか…しばらくの間他生徒達から二人揃って噂されることとなったことから察せると言うものだろう。