セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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お久しぶりです。土下座


第139話

アスティカシア高等専門学校に於いて、その気候は一定の気温、湿度を保たれており、スペーシアン企業の子息、息女の過ごすのに常に最適な環境が整えられている。

 

だからこそ、暑さや寒さと言ったレジャー的な外的刺激を求めて、リゾートプラントに向かう生徒も少なくない。

 

そしてそれは、ドゥラメンテとセセリアにおいても同じであるのだが…。

 

「うむむむ…どうしたものか…」

「どした?またセセリア嬢に関する悩みかよ?」

 

ドゥラメンテの寮の談話室で、椅子に腰掛けて頭をかかえるドゥラメンテに、彼の友人であるエドモンドは、紙コップに入ったドリンクを飲みつつ、そんなことを訊ねる。

 

「おおッ!!エドモンド!!ちょうど良かったッ!!実はだな…」

 

時は少し前…正確には先々週あたりにまで遡る。

ドゥラメンテとセセリアは学園に商人を呼びつけるでも無く、リゾートプラントに水着を買いにデートをしていた時のこと…。

 

「フッ…どうかなセセリア?サイズは以前と同じはずだッ!!」

 

とあるブランド店の試着室のカーテン前で、キメ顔でそう聞くドゥラメンテ。

しかし、彼の愛するセセリアからの返事はなかなか来ず…。

 

「ドゥラメンテ…」

「おお!!ちょうど良かったかな?」

「えっと、その〜…ちょっと、学園に戻ったらしばらく一人にしてもらえる〜?」

 

そう言った彼女の顔は、どこか焦っているというか、慌てているというか、恥ずかしそうにしていたらしい。

 

「オレは流石に心配になってな…少しでも力になれたらと、彼女にハグをしようとしても拒否されるようになり…」

「あー…」

 

そこまで話を聞いたエドモンドは、ドゥラメンテの向かいの席につくと、何かを察したかのように腕組みをして唸る。

 

「む?何か思い当たる節があるのかッ!?」

「あー、まーなー…でもこれはなぁー…オレの予想が間違ってるかも知れねーし…」

 

藁にもすがる思いで立ち上がる友人にどう説明したものかと、エドモンドは頭を悩ませる。

 

きっかけもわかりやすく、エドモンドの勘違いでなければかなり繊細な話だ。

 

現にセセリアはドゥラメンテとのハグという直接的接触を拒否してさえいる訳で…。

 

「…最近セセリア嬢は…その、どこかに出かけてたりするか?」

 

エドモンドは出来る限り、言葉を選んでそれとなく聞いてみる。

とは言え、それは嫌な予感というよりは乙女の秘密的な意味での慎重さだが。

 

「うん?そう言えば…先日セセリアの同級生に聞いたところによると、決闘委員会の仕事がない日は決まってジェターク寮に行っているとか…」

 

やっぱりな…とひとつため息をつく。

 

「まぁ、その…ダイエットじゃねーの?」

 

隠してどうなるモノでもない…。

最初こそヘンに気を遣おうとしていたのが馬鹿らしく思えたのか、エドモンドは自身の考えをそのまま友人に伝える事にした。

 

「うん?セセリアは充分に細いだろう?」

「あー…まあ、男子の思う細いと女子の細いは違うって言うしなー…」

「フッ…だが、それが真実であるならばッ!!オレのすべきことはただ一つッ!!」

 

ドゥラメンテはキメ顔で携帯端末を取り出すと、メールアプリを開き…セセリアへメッセージを送るのだった。

 

そのほぼ同時刻、ジェターク寮内のジムにて。

 

「はぁ…ふぅ…油断してた…デートでの食事が増えてたのに、運動量まで変えてなかったツケがここで来るなんて…でもそれもあと少し…あと少しで取り戻せる…!!」

 

そこの一角にあるランニングマシンで走りつつ、そう言うのはいつもの様子とは異なるセセリア・ドート。

トレーニング用に身軽な格好をしているものの日頃の化粧っ気はさほど無く、またその表情はいつも以上に真剣だ。

 

本当は器具をひと通り借りて、ネットで検索しつつ自室でやろうとも思ったが…それをやって来るドゥラメンテに見られるのは何やら気恥ずかしかった。

 

「ドゥラメンテに会いたい…甘えたい…いちゃいちゃしたい…でも、あと少しの辛抱…!!」

 

時折彼女の切実な本心が漏れ出るものの、それさえも糧としようとする気概に、ジェターク寮生たちは感服さえしていた。

 

「鬼気迫るってああいうことを言うんだろうな…」

 

そうこぼすのはジェターク寮寮長であり、現ホルダー、グエル・ジェターク。

 

やがて自ら設定した時間を走り終え、休憩に入ったセセリアに、グエルはスポーツドリンクを手渡しながら問いかける。

 

「最初みっちりやりたいって聞いた時は驚いたが…別にドゥラメンテは多少太ったくらいで幻滅するような奴じゃあねぇだろ?」

 

セセリアは汗を拭きながらドリンクを受け取り、バツが悪そうにする。

 

グエルを訪ねてきた折、セセリアは普段の彼への毒舌家ぶりは鳴りを潜めていたことが気がかりだった。

 

だがそれはひとえに、セセリアがそれどころではない事情を抱えているからだとグエルは察していたし、その原因もその時聞いて知っていた。

 

「ハァ…それは、そうっすけど〜…このままじゃ、ズブズブと無限に甘えちゃいそうって言うか〜….ダメになっちゃうって言うか〜…」

 

今更すぎる…。

そうツッコミを入れようか悩んでいたところ、ちょうどドゥラメンテからのメールがセセリアの端末に届いていた。

それにいち早く気づき、メールを開いたセセリアは目を見開き…そして細められる。

 

「ふふっ…ばれちゃってたかぁ…」

 

その声色がとてつもなく弾んでいたのは言うまでもない。




久々の投稿…ドキドキしますね。
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